自営業に就いてみて


 【今日のポイント】

 何度も取り上げてきたテーマですが
事務所開業5年を経過した今、
改めて自営業を第二の仕事にしたことを
振り返ってみました。

 

【会社員と自営業の比較】

単純に対比してみました。

◇収入

会社員の場合

毎月安定収入が約束されている(月給制)
多くの場合、年2回の賞与アリ
多くの場合、退職金アリ

自営業の場合

毎月の収入は保障されない
賞与は、ない
退職金は、出ない

 

 やはり違いを痛感したのは収入の面です。
この仕事は100%成果給、ですから
営業活動を止めたら、収入の可能性はゼロになります。
場合によっては顧問契約という「安定収入」の途も
ない訳ではありませんが、開業当初に
そのような「宝くじ以上の」出会いは
望むべくもありません。

 

 6月、12月には賞与支給。
毎月25日には給与が振り込まれていた
会社員時代との相違点の2番目はこれでしょう。

管理職の場合は「年俸制」となり
事前に賞与を含めた年間の収入が決まっているので
給与と同様の「確実な収入」でした。

退職金についても自営業は退職がない以上
(あるとすれば自主判断、天命など?)
出る訳はありませんね。

 

 見方ははっきり分かれると思います。

会社員であれば、毎月の収入は「見えています。」
例え半月有給休暇を取っていても、
事故や病気で休んでいても、
適当にサボっていても、 同じです。

逆に言えば、獅子奮迅の活躍をしても、
新規の大口契約を受注しても、
同じ額が支給されるだけとも言えます。

プラス評価は、賞与に反映されるといっても
自分自身が納得できる程の「金額」では
なかったはずです。

自営の場合は「成果は独り占め」です。
年功序列も平均年収も無関係です。

この点が自営業の最大のポイントでしょう。

 

◇就業期間

会社員には「定年」はつきものです。
いつかは必ず会社人生には終わりが来ます。
終わってから泥縄式に次の人生を考えるのと
会社員の間に備えを固めるのとでは
スタートしてからの進捗に大きな差は出て当然です。

しかも自営であれば、退職時期は自分で決められます。
転職・再就職の場合は再び「定年」という
タイムリミットがついて回ります。

いつか来た道を、高齢になってまた歩む…
自営であれば、それこそ「灰になるまで」
仕事に就くことが出来るのです。
この点も自営の大きな魅力でした。

 

◇税金

会社員の場合

サラリーマンは「源泉徴収」で
自分では何の手続きをするでもなく
ガラス張りの状態で納税する(天引きされる)
だけでした。

自営業の場合

私は開業当初から青色申告で
毎年確定申告に四苦八苦しています。

とはいえ、苦労の中にも
会社員時代とは比較にならない
豊富な「必要経費」の活用といった
恩恵に与ることが出来たのは
やはり自営業の面白さだと思います。

 

◇社会保険

「会社員の場合

多くの場合、健康保険組合に加入です。
さらに負担については会社と折半になります。

年金は国民年金と厚生年金の2階建て。
この他にも雇用保険や労災保険が用意されます。

自営業の場合

国民健康保険は全て自己負担です。

年金は国民年金のみです。

雇用保険も労災保険もありません。

 

 ここまで「収入」「就業期間」「税金」
を比較してきましたが、見方にもよりますが
どちらにもメリットデメリットがあると言えました。

ですが、社会保険に関しては自営業は分が悪い
とはっきり言えそうです。

この点だけで言うならば、
まずは「健康第一」であること!
誤解を恐れずに言いますと
サービス業、飲食業、私の様な士業でも
健康あってこその仕事です。

なんといっても営業活動が全ての基本ですから
人と会う、研修に出向く、調査で出歩くなど
足腰、体調が万全でなければ仕事になりません。

 

   自営業の場合の最優先&最重要資本は
「心身共に健康・健全である。」
これに尽きると私は思っています。

万が一の場合の備えとしても各種保険は
最低限自分の選択で加入することは必要ですが、
まずは、日々の健康維持・増進を心がけましょう。

 

【自営業に就くとは】

仕事(の依頼)なければ無職と同じ。
依頼が無ければ いずれは廃業(撤退)に。

自営業の厳しさはこの2点に集約出来ます。

そうならない、なりたくなければ

仕事は自分で見つける。
依頼される為の自助努力を惜しまない。

自営業を生業にしたいのであれば、
この覚悟を常に意識することが求められます。

 

【自営業の考え方】

目標は、月収40万を確保すること。
こう考えたとしましょう。

 

    これを会社勤め場合で考えると
仮に月22日8時間勤務と想定した場合、
1日当たり1万8千円の収入になります。

では、士業で1日確実に1万8千円の収入を得るには?!

それなりの報酬額になる手続代行や申請、
書類作成等をほぼ毎日受任し続ける計算です。

当然、その仕事は向こうからくるのではなく
自分で獲得しなくてはいけないのです。

事実上、殆どの方には無理な話と思います。

 

 でも、こう考えてもいいのです。

月10日働いて 1日当たり4万円稼げばいい。

アバウトな例になりますが、毎日稼ぐ必要はない。
その代わり1回当たりの(仕事)単価が高くなればいい。

結果としては同じ月収40万円になるのです。

来た球はどんなコースでもバットを振る!
その代わりヒットになってもシングルヒット止まり。

狙い球が来るまで打ち急がず
狙い通りの球が来たら、長打狙いに徹する。

自営業とは、

単位時間当たりの収入を
自分の才覚で自在に設定出来る。

ものですから、自分に適したスタンスで
構わないと思います。


 これをゴルフに例えれば、

どのコースでプレーするか?
~河川敷から山間コース、選ぶのは自由です。

風向きは?
~フォローが好き?アゲンストが得意?

クラブの選択は?
~ティーグラウンドは常道のドライバー?
~堅実にアイアンでコントロール?

ゲーム運びは?
~いきなりのグリーンワンオン狙い?
~刻んで刻んでパー狙い?

好きなプレーは?
~飛距離、距離優先
~方向性重視

最終的には、少ない打数で
カップインすることですし
より少ない打数ならば、なお宜しい。

というものです。
これを自営業に置き換えればどうなるか?

自分の今のスキル、ノウハウは
どの分野なら最大限に発揮出来るのか?

その分野で他人に秀でる為には
あと何が必要になるのか?

その必要なもの(経験・スキル・知識)
はどうやって習得すればいいか?

 

 さらに、上記の選択が的を射たもので
一つの分野で第一人者になった=収入確保が出来た。
で安堵していてはいけません。

次々と後から競争相手が追い縋ってきます。

本物のゴルフでは目の前の一打に集中しろと
言われますが、仕事の場合は別です。

今の仕事を活かせる仕事にはどんなものがあるか?
その仕事も収入が期待できる分野か?
新たな分野で、より成功するには
今から何を身に着けるべきか?

今の業務に集中しつつ、次のステージを
同時に模索しなくてはいけないのです!

 

 これをまとめると
まずは「これなら自信あり、人には負けない。」
という分野を身に着ける。

・得意分野が活かせる仕事を営業で確保する。

・常に得意分野が活用出来る他の機会を探す。

・新たな分野で必要となる知識やスキルを習得する。
この繰り返しの結果、

知名度が広がります。
~得意分野=取扱業務が増えればそれだけ知名度も上がります。

その分野での受任の機会が上がります。
~少なくとも問合せは確実に増加します。

関連分野での受任機会が増えてきます。
~この分野に詳しいならこれも出来るのでは?
といった期待感からの受任機会の増加は確かにあります。

 

 私の例で恐縮ですが、このブログを始め
ブログやコラム、ツイッターや関連サイトでの
記事の投稿をほぼ週2回、4年以上継続しています。

その結果、本来の業務相談の増加といった
想定していた目的の他に先に書いたように
思わぬ形での「業務の幅の拡がり」
も得ることになったのです。

脱サラ士業開業という事例が珍しかったのか
第二の人生、中年からの起業といった本業とは
無縁の話題からテレビ取材、雑誌インタビュー
等など、思わぬビジネスチャンスを獲得出来ました。

 

 さらに私と同じ様に脱サラ開業予備軍の方々から
起業までの準備内容や心構え、他諸々の相談が相次ぎ
試みで始めた起業・独立セミナーも好評で、
当初は予想もしなかった「主要業務」にまで
成長しました。

こう書きますと、トントン拍子のようにも見えますが、
上記のような「変化」が出てきたのは昨年からで
その前の3年近くは全くの鳴かず飛ばずでした。

徐々に変化が出てきたのではないのです。
ある時を境に一挙に変わりました。

もし、3年目で「効果は出なかった」と
判断していたら…?

これも地道に、愚直に、継続してブログやコラムを
書き続けた結果、認知が進み、内容もそれなりに
充実したものになったことがこの結果に結びついたと
私は確信しています。

如何でしょうか?

自営業とはどういうものか?
自営業に就くとはどういうことか?

長々と私の考えを披歴してきました。

但し、あくまでもこれは私の結論です。
自営業を目指す貴方には貴方なりの考えがあって当然です。
全ては貴方一人の考えと決心で決まるのです。

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おひとり様のコレクションの始末


【今日のポイント】

 遺産相続の際に扱いに困るものの
ひとつに故人の趣味に関する品々です。

骨董、美術品、全くの趣味品…
はたしてその評価は誰が下せるのでしょう?

 

 ましておひとり様がこの手のコレクションを
所蔵しているならば、どう始末をつけるべきか?

今日はこのテーマを採り上げたいと思います。

 

【骨董価値のあるもの】

 所謂 骨とう品や美術品の範疇に含まれるものならば
それなりの評価は下せます。

大きく分けて、
「売買実例価額」と「精通者意見価格」があり、
前者はその筋の市場における相場から導き出すもの。
後者は鑑定士による評価額です。

具体的には、

同種の品の市場売価
古美術商等の評価額
専門の買取会社による査定額

が、該当します。

ですが、それぞれの保存状態や
見込み客の有無などの理由で
全く同じ評価になるとは限りません。

 

 参考までに、「仏具」は原則非課税ですが、
あまりに「金を多用した」仏像や仏具の場合は
課税対象と判断された実例があります。

勝手な自己判断は、後で申告漏れ、過少申告の
指摘を受けかねませんので、要注意です!

 

【評価の特定が難しいもの】

  さてここからが扱いに困る品々です。
テレビ番組で取り上げられていますが、
戦前や戦後のブリキのおもちゃ、
今や巨匠といわれる漫画家の無名時代の
初版本や、メジャー作品の初版本…など等。

この手の趣味品の特徴は、
「知る人しか、興味がない」
点にあります。

評価を困難にするのは、
関心のある人は金を惜しまない。
評価を下せる第三者が限られる。
さらに人によって評価が分かれる…

といった確固たる基準のない品だからです。

場合によっては、相続や遺贈を受けた相手は
全くその価値を知らず、形見分けのつもりで
受け取っているかもしれません。

価値を知らなければ、鑑定や第三者への依頼すら
思いつかないでしょう。

 

 私の知る範囲でも、
私世代が小学生のころ流行っていた
「ソフビ製の怪獣人形」
中学?高校時代に流行っていた(はず)の
「筋肉マン消しゴム」

鉄道マニアの間でも、関心のない私から見れば
意味が分からない高額評価の「部品」「看板」
の類が多々ありました。

かくいう私も、このジャンルに入る資格を
十分有する「趣味のコレクション」を持っています。

 

 相続人がいるならば、事前にその意味合いを
伝えることで、事後の対処を検討することは出来ます。

ですが、相続人を持たないおひとり様は
そういった手段で始末をつければいいのでしょうか?


【誰に託すのか?】

 誰に託す、の前に考えましょう。
そのコレクション、他人に託すべきものかどうかを。

自分にはかけがいのない品でも、
同じ評価を持つ人が身近にいるとは限りません。

貴方はこの人物ならと思っても
相手が同じ思いを持っているのか?
親しい間柄であればあるほど、
なかなか(貴方からの打診を)断る言葉は
口に出せません。

美術品やレアアイテムの様に
一定の金銭的価値を持つ品であればともかく
それが望めない品々であれば、なおさらです。

自分一代限りのコレクションと、
割り切る勇気も時として必要になってくるのです。

 

 仮に、相手の意向を確認し、
貴方の望みを叶えてくれる
確信が得られた場合には、

遺言書で遺贈の旨を明記しておく。

死後事務委任契約にその旨を明記しておく。

という方法で、意中の人物に
引き継ぐことが出来ます。

 

 では、個人に適当な人物がいなかったら?

その品の種類にもよりますが、
関係団体等への「寄付」「寄贈」
という選択肢も出てきます。

学術的な価値があるものであれば、
大学等の教育機関や住んでいる自治体への
寄贈も可能性として考えてもいいでしょう。

 

 余談ですが、先に書いた死後事務委任契約では
「他人に知られたくない趣味の品」
人知れず処分してほしいといった要望も
記載できますし、契約内容として成立します。

 

おカネになるコレクションであっても
全く個人的価値しかないコレクションであっても

おひとり様は、早々にその始末について
考えておく必要があること、お分かり頂けたでしょうか?

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おひとり様の不動産はどうなる? どうする?


【今日のポイント】

 おひとり様は何でも自分でやらねば!
その中でも大きな問題になるのが
不動産の取り扱いです。

暮らしている自宅
郷里にある空き家の実家

今のうちに考えること
簡単に紹介していきます。

 

【おひとり様の定義】

ここでいうおひとり様には

生涯非婚でのおひとり様
配偶者に先立たれた子のいないおひとり様

また将来は上記の例に当てはまる子のいない夫婦も
おひとり様予備軍と言えるでしょう。

 

 家族構成を見ても一人っ子同士の夫婦、
一人っ子で非婚者などの場合等は
親族にも期待出来ません。

まさに正真正銘のおひとり様です。

 

【持ち家の負動産化】

 さて、家を始めとする不動産が負動産 なる。
これは「付加価値」が「負荷価値」になることです。

この様になる背景には3つあります。

・暮らす予定のない郷里の実家を相続した。

・住んではいるものの街や地域全体が衰退した。

都会にある不動産でも後を継ぐ者がいない。

今回のテーマは、最後のケースに当たります。

 

 今は心身共に健康で都会暮らしを謳歌していても
いずれは体調を崩したり、判断力の低下をきたすことは
避けられない選択肢の一つでしょう。

病気や事故の結果、今まで何の問題もなかった
住環境が一気に生活に支障をきたすケース。

さらに重症の場合は施設への転居、長期入院も
現実問題として浮かび上がってきます。

仮に、再び自宅に戻る可能性が著しく低いと
判断せざるを得なくなったら?

親族に後事を託すことはまず出来ない訳です。
賃貸に出そうにも手続きや改修等は自己責任で
執り行わなくてはいけません。

そのまま現状放置を続ければ・・・
今問題になっている「放置空き家」として
周囲からの厳しい指摘は必至です。

 

 そうなる前に、元気なうちに売却に出して
身軽になって手ごろな賃貸物件に転居する。

頭では分かっていても、
いざ自分の問題として実行に移すとなると、
なかなか決断出来ないのが人情というものでしょうか?

 

【実家と持ち家】

 さらに、持ち家以外に郷里に実家がある場合、
相続が発生すれば、おひとり様は2つの
イエ=負動産候補?を担うことになります。

 他にもレアケースになりますが、
おひとり様の貴方に兄弟がいて
その中に貴方と同じ様におひとり様で、
不動産を所有していた人物がいたとします。

その人物が先に亡くなった場合には
相続人が他にいなければ、その不動産は
貴方が相続することになります。

不動産の所有を知っていれば
その価値について調査することも可能で
場合によっては相続放棄で処置することも可能です。

ですが不動産の存在を知らぬまま(聞かされないまま)
その他の相続財産を受け継ぐことになった場合や、
相続の承認という判断が下されれば、不動産だけ放棄
は認められません。

どんな不本意な不動産であっても、相続確定後は
貴方の責任で管理すべき財産になるのです。

 

【負荷価値を失くし負動産化を防ぐには】

 確実に相続人はいないのだから
後は野となれ山となれ、ではいかにも無責任です。

ある程度の年齢に達したら、
長引く病気療養や通所・通院を始めたら、
またはエンディングノートの作成を始めたら
真剣に、具体的に持ち家の始末について
考えることを始めましょう。

 

始末の一つの方法としては
リバース・モーゲージ が最近注目されています。

 これは、簡単に言えば、
高齢者が居住する住宅や土地等の不動産を担保として
一括又は年金の形で定期的に融資を受け取り、
受けた融資は、利用者の死亡、転居、相続等で
この契約が終了した時に担保不動産を処分する事で
元利一括で返済する制度です。

 この制度のメリットとしては、
持ち家はあるものの、将来の不安や病気、
不測の事態を懸念して蓄えを崩せず、
現金収入も少ない高齢者等が、
自分が保有している不動産を担保にして、
年金のような形で毎月の生活資金の
融資を受けることが出来る点です。

住み慣れた自宅に今まで通り暮らしながら
老後の生活資金も確保出来る。
さらに融資は本人が死亡時点で自宅を売却し、
清算する為、生前に自宅を手放すこともありません。

 

多くの企業がこの制度を採り上げていますから
興味がある場合には問い合わせしてみるのもいいでしょう。

カテゴリー: エンディングノート, 一人住まい, 予防法務, 先憂後楽, 終活 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | コメントをどうぞ