11月も早くも1週間が経とうとしています。
あと2ヶ月弱で新しい年を迎えるとは思えませんね。
つい先日まで猛暑日に辟易としていたと思ったら
秋をとばして早や冬? そんな感じです。

お元気ですか?
50歳からの第二の人生応援ブログ、先憂後楽
寺田 淳です。

 

 連続して紹介してきました
「不動産の生前贈与=所有権移転の登記手続き」
も今回で一応の締めくくりとなります。

まずは、課題として提起しておいた
委任状と贈与契約書に係る質問の回答です。

問いかけをしたものをまとめてみますと

1)各書類の記載年月日について
2)使用する印鑑について
3)記名箇所と署名箇所について
4)収入印紙について

となります。

 さらに別件として、
原本を提出してしまう書類のその後についてでした。
事例では贈与契約書原本を提出、作成は2部なので贈与者
受贈者のどちらかは原本が無くなるのでは?

従来の登録済み証も原本を提出だが、その後は?
という問いかけでしたね。

 

まずは、 全てに絡んでいる日付に関してです。

日付を記入するものには
委任状、贈与契約書、登記申請書の3種類があります。

委任状の作成の年月日と
登記の原因となる年月日。

贈与契約書の文中の年月日
(所有権移転登記の申請年月日)と
契約書文末に記載する年月日。

登記申請書の原因の年月日と
申請の年月日。

全部で六か所あります。

 一番簡単確実な例としては
申請日以外の日付は全て同一にしておきます。
委任状の作成も、贈与契約書の作成も
原因の発生も全て同じで構いません。

登記申請書の申請日だけは実際申請した日付です。
予め書き込んでおいて、急用で行けなくなった場合を
考えると、確実に登記所に出向いた時に
その場で記入したほうが安全です。

私は、日付の部分は全て自筆での記載をお奨めします。
申請日だけ自筆で残りは印刷と言うのはどうも
しっくりきません。

但し、一点だけ重要な注意点があります。
登記申請書の「申請日」より他の日付は過去にしておくことです。

例えば11月に申請に出向いた時に、書類の他の日付が9月でも
10月でもそれが原因で受理されないことはありません。

最大限、同日でしたらOKですが、何かの手違いで
申請日以降の日付が1つでも記載されていますと
申請は差し戻しになります。
その場の修正で応じてくれるかは現場判断です。

必ず申請日以前の年月日を記載して下さい。

 

次に、印鑑(押印)に関してです。

 各種契約時には押印は必須です。
ざっと見ても、氏名の末尾の捺印、
複数枚の契約書の場合に必要な契印
収入印紙への押印、書面上部に捨印と、
書類は判子だらけです。

この場合、贈与する側(親)は印鑑証明と同一の印鑑を
押印しておけば問題はありません。

 実印が絶対なのは
贈与契約書の「贈与者」の印
委任状の「委任者」の印
の2か所ですが、
私は贈与者は全て実印で押印しておく事
をお奨めします。

逆に、受贈者(子)は各種文書に統一の印鑑を用いていれば
認印でも通用します。 捨印も同様です。
お役所が確認したいのは
贈る側が納得して財産を贈与している事の確認です。
その証拠が実印の押印と見做すので、
印鑑証明書が贈与者の必須書類となっているのです。

 

 今、捨印と書いたので触れておきますと
これも各文書の右上に双方で押印しておきましょう。
万が一の誤字脱字の見落としや不注意や不可抗力による
一部の文字の破損などの場合、捨印があれば何字抹消何字挿入
と言う形で修正が可能になるからです。

 

 蛇足ですが、遠隔地の法務局での申請であるため、
書類に押印忘れがあった場合を考えて、
贈与者(仮に父親)から実印を預かって出向く人もいます。
結果から見れば、実印が後からでも押印されてあれば
形は整いますが、親が同席していないのに子が親の実印を用いた場合に
通常通りに受理されるかどうかは保証の限りではありません。

最悪痛くもない腹を探られかねませんね(痛い方もいるかもですが・・・)

 

 

 次の記名と署名についてですが
委任状の場合は、自筆での署名と実印がベストです。
市区町村役場に申請する登記事項証明書の申請の場合も
住所氏名は自筆でとなってる事からも
委任状の場合も委任者は自筆署名をお奨めします。
ここ以外の箇所については記名で構いません。
要は本文と一緒にワープロで打ち出してもいいという意味です。

 

次は収入印紙についてです。

 今回の場合、印紙は2か所で必要です。
登記手続きの最終段階、登記申請書の最終頁に
登録免許税分の印紙を貼付しておきます。
この場合は事前に金額が算出されてますから
金額相当の印紙を購入し、貼付して申請します。

もう1か所は「贈与契約書」で必要になります。
今回の場合、契約書の文面では土地の所在や
地目、地積は記載しますが、価格は書く必要がありません。

 

 ですが、一律に200円の印紙が必要になります。
詳細は省きますが、印紙税法第2条別表第一により
契約金額の記載のない契約書として、印紙税が発生するのです。
そして、贈与契約書に貼る印紙には
贈与者、受贈者双方で押印します。
左右上下、お互いの印が重ならない箇所に
印紙と契約書にかかるよう押印(消印)して下さい。

 

 さて、最後になりましたが
申請時に原本として今時点での登録済み証(権利証)や
贈与者、受贈者各1部保管用に作成した贈与契約書の原本を
提出しますが、これはどうなるのか?

従来の登録済み証は、新しい登録済み証の完成、交付の時に
一緒に返却されます。 法務局での一時預かりだった訳です。

 

 贈与契約書の場合は何もしなければそのまま保管されます。
文面で2部作製で双方保管としてあるのだから
原本は返してもらいたい。

そのような場合は、「原本還付」請求の手続きをします。

これは、予め完成した贈与契約書の写しを用意し、
裏面に「原本と相違ありません」と記載、
(登記所によってはこの文言の判子が用意されています)
署名、押印して贈与契約書の原本と一緒に提出しておけば
交付時に原本は返却されてきます。

 同じように、不動産の評価証明書も原本を提出しますが
また再使用する機会がある場合等はこれも先と同様
原本還付の手続きをすれば、返却されます。

 登記申請書や、印鑑証明書に関しては原本還付は不可なので
今回の事例では贈与契約書と評価証明書のみと考えて下さい。

どうですか!ここまで頑張れれば、貴方が自分の手で
贈与による不動産の所有権移転登記が出来るのです!

 

これを機会に、まずは登記情報の確認だけでも
始めてみては如何でしょう?

 

 

 次回は番外編として、窓口での手続きの質問の際に
出て来た知っていて損はない小話の紹介を予定しています。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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