お元気ですか?
50才からの第二の人生応援ブログ、先憂後楽の
寺田 淳です。
先週もまた、興味深い相談を受けました。
「かわいい孫に、贈与ではなく相続させる事は出来ませんか?」
というものでした。
一般的に、
孫の親(被相続人の子供)が存命ならば、
孫には相続権はありません。
とはいえ、手立てがないわけでもないのです。
【孫への相続を可能とする方法】
1) 孫を 自分の養子にする。
2) 遺言書を書き、孫に財産を相続させる旨を記載しておく。
但し、この場合は相続税の20%の割増が発生します。
20%割増しが双方に適用されるなら
より節税に効果的な方法はどちらでしょうか?
相続税の節税と言う面から見た場合は
1)の養子にすることです。
主な理由としては次の2つです。
■ 法定相続人が1名増える事で基礎控除額が増加する=課税遺産総額が減少する。
■ 法定相続人が増える事で各人の取得財産額が減少し、適用税率が低くなる。
とはいえ注意点もあります。
養子の人数には、制限が設けられているのです。
実子がいる場合で 1名、
実子がいない場合で2名までとされています。
国もそう甘くはありません、無制限に養子を認めれば
どうなるかは当然視野に入れているのですから。
では、孫を養子にした場合と
遺言書で相続をさせる場合の税の相違を
具体例で紹介します。
【孫への相続の税額比較 】
配偶者は既になく、孫を養子として
子供2人とした場合。
相続財産 6億円 債務他 1億円
相続額 子A:3億 子B(孫養子):3億
債務は子Aが負担とする。
課税対象額 は 子A:2億 子B:3億
取得割合 はそれぞれ 40% と60%とした場合。
①養子の場合
基礎控除額=5,000万+1,000万×2人=7,000万
5億-7,000万=4億3,000万・・・課税対象額
各人の相続税額は 4億3,000万×1/2・・・法定相続分で計算します。
これに税率40%を乗じて、控除額1,700万を差し引く=6,900万になります。
2人なので 6,900万×2で 計1億3,800万が相続税の総額です。
これを取得割合で按分します、。
子A=1億3,800万×40%=5,520万
子B(孫)=1億3,800万×60%×1,2(20%加算分)=9,936万
合計で 1億5,456万が 納付相続税額となります。
②遺言書の場合
基礎控除額=5,000万+1,000万×1人=6,000万
※相続人は子Aだけなのです。
5億=6,000万=4億4,000万が課税対象額となります。
4億4,000万×50%-4,700万=1億7,300万が相続税総額です。
子Aの相続税額は1億7,300万×40%=6,920万
孫の相続税額は1億7,300万×60%×1,2=1億2,456万
子と孫の合計は 1億9,376万になりました!
養子の場合との差額は 3,920万円です。
事例では孫が一人で計算しましたが
親が健在で孫が2人以上いた場合には、
誰を養子にするか等、
節税とは別の問題が発生する事になります。
ではここで出て来た
相続税の20%加算とは何でしょう?
【相続税の20%割増】
○ 主旨
孫が1代飛ばして財産を取得すると、相続税が1回免れることになる。
相続人でない人物が財産を取得するという事は、偶然性が高い。
相続税の負担調整を図る目的で、加算を図るものとしています。
よく、親は子供の為、家族の為に
財産を残そうとここまで頑張ってきた。
それに対して国が高い税率で課税する事は納得出来ない!
と言う声があります。
ですが、国の言い分としては
「汗水流さない子供が財産全額を貰うというのは
虫が良すぎる、相当分の税金は払って当然。」
という見方をします。
なかでも、法定相続人でもない人物の
「たなぼた」での財産取得については
より厳しい見方をして当然かもしれませんね。
○ 割増の対象
1親等の血族 = 父母、または子供。
配偶者
を除く全てが20%割増しの対象者になります。
○ 子供の規定
子供には養子も含まれます。
但し、先に書いたように
実子がいる場合は1名、
実子なき場合で2名までと制限があります。
例えば実子が1人、養子が2人の場合は
相続税の計算をする場合の養子は
1人として計算することになるのです。
また、被相続人が孫を養子にした場合は
上記に関係なく20%割増しになります。
但し、代襲相続した孫(子が先に死んでいる場合)
は20%割増の対象外になります。
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投稿者プロフィール

- (行政書士)
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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