お元気ですか!
一人暮らし・老人支援ブログ/先憂後楽の
寺田 淳です
「死後事務契約」
文字通り、依頼人が亡くなってから
効力を発揮する契約です。
少し古いですが以下のデータをご覧下さい。
孤独死のデータ(平成21年調べ)
孤独死は全国で3万人。
3万人のうち1/4は50代以下。
都内では4,700人。(全国の約16%)
23区内では69,86%が男性。
死因は病気・事故等様々ですが
これだけの方が人知れず逝ってしまったのです。
高齢化した非婚者の場合
配偶者を亡くし、子供に恵まれなかった場合
家族と離れ単身で生活している場合
自分の最後の面倒を任せるに足る
人間関係を持っていない場合。
この手続きを強く推奨します。
この契約は、
葬儀や埋葬等の手続き
未払い費用の精算
知人等への連絡等
短期的に発生する事項を主目的としています。
簡単に言えば 葬儀から埋葬までの期間に
発生する事務手続きや 本人の意向の実現を図るもの
と思って下さい。
◇具体的な流れ (一般的な事例)
まず、記載したい内容を双方で確認していきます。
①遺体の引き取り
②家族、親族、親友、関係者等への死亡した旨の連絡
③葬儀、埋葬、火葬、納骨、永代供養等 に関する事務
④生活用品から家財等の整理・処分に関する事務
⑤賃貸物件ならば退去明渡し手続き
及び、敷金入居一時金等の精算事務
⑥入院、入居一時金等の未払い費用の弁済事務
⑦相続人、利害関係者等への遺品、財産の引継事務
この他、個別に処置して欲しい内容等。
確認した内容に基づいて記載する事柄を確定します。
①死亡時の連絡先リストの作成
②葬儀社と葬儀方法、葬儀プラン等の打合せ
(予算、形式等と生前契約の締結)
③喪主を誰にするか等の検討
④菩提寺、教会への事前確認
⑤墓地管理者への事前確認
(納骨の可否、管理料の支払状況等)
⑥永代供養料の支払の有無、金額の確認
⑦家財等の中から誰に継承して欲しい遺贈、廃棄等の選別
等の具体的な事務作業に取り掛かります。
さらに具体的な内容に落とし込み、確認していきます。
近年の傾向で都市型霊園への改葬を行い、
墓参の便利を図りたいケースが見受けられます。
ですが正式な改葬手続きを済ませていませんと実施不能です。
(改葬許可申請については別の機会に説明します)
指定した霊園で眠りにつけるかの確認を行います。
指定の葬儀社、予算枠内での葬儀執行、
誰を招いて欲しいか等に加え
葬儀の際に使ってほしい遺影、音楽、
許可範囲内での納棺時に入れてほしい物
等の細かい内容を決めていきます。
葬儀にかかる費用、未払いの債務等を 事前に把握します。
その分を別途当事務所に預託して頂きます。
この費用は契約履行時まで責任を以て 管理させて頂きます。
第三者には見られたくない物品の処分、 処分方法の指定
特定の人物に継承して欲しい物品の指定と 連絡等も
自由に相談してください。
以上を 契約書としてまとめ、双方で保管します。
⇒文末に簡単な契約内容の事例を挙げておきました。
補足1)死後事務契約(生前契約ともいいます)は
公正証書を義務付けられていません。
公正証書にするかどうかは依頼人の判断に任せられます。
公正証書の他には私署証書認証という方式もあります。
どちらも公証役場に出向き所定の手続きが必要です。
当事務所では万全を期すために
どちらかの手続きをされることを推奨します。
補足2)別にこの契約を結ばなくても遺言書に記載しておけば
いいのではと思われるかもしれません。
特に家族・親族のいらっしゃる場合は。
しかしながら一般的に遺言書の開示は葬儀・納棺等が
完了後に相続人全員の立会いの下開封されます。
そうしますと、個人の希望した葬儀の方法、
遺影の選定、連絡して欲しい知人友人等の情報は
後追いになり意味を成しません。
死後事務契約の効力はまさにここにあります。
遺言は、残された遺族の方々の為のものです。
死後事務契約は、亡くなってから 葬儀~埋葬までに
発生する繁多な事務手続きの軽減と
自分の最後の思い・意向を伝達するものなのです。
ですから独り身の方だけでなく、
家族・親族ある方でも用意しておく 価値のあるものなのです。
死後の事務に関する委任契約 ~契約書事例~
(契約の趣旨)
(依頼人○○/以下A)は (行政書士○○/以下B)に対し、
Aの死後の事務(「死後委任事務」という。)を委任しBは受任する。
(委任事務の範囲)
AはBに対し以下の事務を委任し
その事務処理のための代理権を付与する。
(1) 死亡届、葬儀、埋葬に関する事務
及び将来の供養に関する事務一切
(2) 医療費、施設利用費、
公租公課等債務の清算
(3) その他身辺の整理、年金関係等の
各種届に関する事務一切
(費用の負担)
Bが本件死後委任事務を処理するために必要な費用は、
Bの管理するAの遺産からこれを支出するものとする。
(解 除)
A及びBはいつでも本章の契約を解除することができる。
次回は
死後事務契約に深く関係する「 任意後見人契約」
について解説します。
この件について、
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投稿者プロフィール

- (行政書士)
-
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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■ブログ「新・先憂後楽」
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