【今日のポイント】

 今年もあと今日を入れて5日になりました。
2021年のラストの投稿は、マイナンバーカードについてです。

 まず、この制度は2015年10月以降に「マイナンバーの通知」から始まり、
翌2016年1月から制度がスタートしました。

 制度開始から約6年を経過したこの12月1日現在
総務省発表の交付状況を見るに、未だ40%に届かない39,9%でした。

 今年も色々な雑誌や専門誌で普及率拡大のための新規導入のサービスの紹介や
将来のカード利用による各種手続きの効率化の記事が掲載されました。

 今日はそのような中から、
特に我々の日常生活に直結するサービスについて
簡単に紹介したいと思います。

 

 

【保険証とのひも付け】

 これによって、今後はカード情報を読み取ることで
過去の病歴や既往症、服用中の薬が把握出来るようになります。

 例えば、
意識不明な状態で搬送されたような場合でも
カード情報を確認することで、当人のアレルギー情報等が把握出来、
リスクを避けて投薬や治療を始める事が出来るようになります。
(無論、カードを携行していたらの話です)

 現行の保険証はけっこう財布に忍ばせていたり常時携帯する方も多いですが、
保険証には上記のような個人の病歴や既往症は即時に把握は出来ません。

 理想的には保険証と「おくすり手帳」を常時携行すればクリア出来ますが、
現在通院中の方以外では、まずおくすり手帳は持ち歩かないでしょう。

 

 さて、私は現在定期的に
歯科(定期クリーニング)内科(降圧剤)整形外科(半月板損傷の経過観察)
に通院し、診療を受けています。

 最近この全てに出向く機会があったので
マイナンバーカードとのひも付けに関しての対応を問い質してみました。

 残念ながら全て未だマイナンバー保険証未対応です。
加えて導入自体を現時点では想定していないというケースもありました。

 やはり導入に関する初期用投資や普及率の推移を見極めてからと言った
自重論が大勢を占めているようでした。

 これでは仮にひも付けをしても、その恩益を受けることはない、
ならば普及が進んでからマイナンバーカードを交付すればいい?
と、患者側も考えて不思議はありません。

 所謂、「鶏が先か卵が先か?」の状態になり兼ねません。

 

 

【預貯金口座とのひも付け】

 私の周囲に聞き取りをした際に、最も過敏な反応が出たのがこれです。
はたして利用者側に明確なメリットがあるのか?
ただただ個人情報の最たるものである資産内容がガラス張りになるだけではないか?

 拭い難い不安と抵抗感に対して、国側からの明快かつ納得の出来る通告は
今のところ、ないようです。

 

 

【コンビニで住民票や印鑑証明が取得出来る】

 わざわざ遠くにある役場に出向かなくても
最寄りのコンビ二で自分の都合に合わせて楽々取得出来る。

 このサービスは従来の手続きからすれば明確な差別化であり、
一般人にも分かりやすいメリットのひとつでしょう。

 仕事の勤務時間の制約で平日の手続きが出来ない、
サラリーマンでも自営業でも時間の制約は同じでした。
さらに窓口のある自治体の出先機関の所在地によっては
より面倒なことになったものでした。

 この煩わしさの解消は大きなメリットでしょう。
ですが、表記したような証明書類を必要とする頻度はどうでしょう?
少なくとも毎月、毎週、これらの書類を取得するようなケースはありません。

 せいぜいサラリーマンが転勤等で転居した場合の手続きや
それこそ生涯に一度か二度の相続の手続きの時くらいでしょう。

 その程度の頻度ならば、
別に1日使って役場に出向いても別に苦にはならない。
という考えを持ったとしても納得出来るものです。

 便利は便利ですが、使用頻度を考えると、
この為だけで積極的な取得の拡大が図れるとは考え難いと思います。

 

 

【ひとつのバスケットに複数の卵は入れない】

 一見すると、一つのツールで全てに対応出来る、
オールインワンという考えは全く正しいものと思います。

 管理が簡単で万能のツールという面は確かに魅力あるものに映ります。

 ですがその反面、
その一つを失えば全てが機能不全になるリスクも内包しています。

 胸ポケットに入るくらいの大きさです。
うっかり置き忘れた、いつの間にか紛失した、
不注意で破損させてしまった、明らかに盗難に遭ったなど等、
様々な原因で使用不能になるリスクは常に存在してます。

 紛失や破損の場合でも、手続きを踏めば再発行は可能です。
ですがその間は機能は停止状態になります。

 例えば冒頭に述べた保険証をひも付けしていた場合は、
再発行までの期間は保険証無しの状態になる訳です。
うっかり病気も怪我も出来ませんね。

 

 膨大なデータの保管と管理については、
パソコンの場合も同様のリスクが発生します。

 例えばUSBでその都度バックアップを取っておけば
万が一パソコンが使用不能やデータが破壊、消失したとしても
データの早期復旧は容易です。

 仮にマイナンバーカードが使用不能になった場合でも
こういったバックアップ手段や救済措置があればまだしも、
個々の責任で別途データ保存を行うことを推奨するだけでは
二度手間、二重の保管・管理を強いられるといったイメージに
なりやすく、カードの取得を躊躇するのではないでしょうか?

 

 

【悪用されないか?】

 前項の様に紛失や破損以上に問題化し易いのは第三者による悪用です。

 たまたま拾った、意図して盗んだ、理由はともかくとして
カードを入手した第三者によって個人情報が全て把握されるのではないか?
大切な資産状況や隠しておきたい健康状態などが晒されはしないか?

 ただこの問題については
カード本体だけでは情報入手はまず無理で、暗証番号さえ把握されなければ
情報の漏洩はまず心配はありません。

 ですが、特に高齢者の方に多いのが
「暗証番号が覚えきれないのでメモをカードと一緒に持ち歩いている。」
 と言う場合は、防ぎようがありません。

 せめて、同封のメモには「子供の誕生日」とか「配偶者の誕生日」
「結婚記念日」と記載するに留め、番号は記載しないようにすることです。

 これならば、よほど親しい知人や家族以外の第三者によって
暗証番号を突破するリスクをかなり低く抑えることが可能になります。

 

 第三者の悪用ではありませんが、
実際に聞いた事例では、カードは交付してもらったものの、
現時点では自分に適した使い道がなかったということから、
今は「銀行の貸金庫に大切に保管中」というケースもありました。

 これではデータ上の取得率はあがっても
利用率向上には全く寄与しませんね。

 

 ここからは余談ですが、
マイナンバーカード以上に個人情報を集中保存、管理しているのが
携帯電話(スマホ)です。

 友人知人、会社関係の住所録と電話番号、
各種のパスワードの一覧、ATMの暗証番号等など。

 なかにはスマホで毎日株取引をしているなど、
ある意味「生活費の確保」という重要な仕事のツールという
使い方も少なくありません。

 これを置き忘れ、紛失、盗難、破損した場合のダメージは
当事者にすれば「致命傷中の致命傷」にもなり兼ねません!

 事実友人の中で1日だけ手元になかっただけで
誰にも連絡が出来ず、約束の日時を確認も出来ずで
仕事上で大失敗をしたという話を聞いています。

 一極集中のメリットとデメリットは表裏一体です。

 

 

【ニワトリが先か卵が先か?】

 マイナンバーカードをテーマにする場合、
毎回最後はこの問題に行き着きます。

 国の側は
「先にみんなで参加してくれたら」
「こんな便利なサービスを迅速に用意しますよ。」
というスタンスです。

 対してユーザーの側である国民は
「先に完成されたサービスや仕組みがあれば」
「参加はやぶさかではありません。」
というスタンスのまま、膠着状態にあるように
私には思えてなりません。

 さらに加えて、
「情報の一極集中によるトラブル時への対処法が不明瞭」
「関連してセキュリティに関しての不安と不信」

 という根強い負の感情に対して
今までは納得のいく具体的な対策を
明示出来ていなかったのではないでしょうか?

 
 話題になったマイナポイント2万円分付与と言っても、
その使い道が今一つ認識不足(告知不十分?)ですし、
そもそもポイント付与の為の申請手続きが
それぞれ必要になる等、手間がかかることで及び腰になりがちです。

 
 ポイントの付与よりも地域限定の商品券やクーポンを
特典として用意すればと言う意見も耳にしましたが、
その為の経費(印刷代や人件費)を考えると即採用とも行かないでしょう。

 個人的には、制度を普及させたい国側が、
まずはそれに値する「サービスやメリットという器」
を用意すべきと思います。

 今の言葉で言うならば、

「ユーザーファースト」の視点で
年齢や男女を問わずに、
都市でも村落でも共通して
利便性を感じられるサービスを軸として、

理解と賛同を得ることが結局は普及拡大の早道なのではないでしょうか? 

 

記事が参考になった方はクリック投票お願いします

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村 士業ブログへ

投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
コラム「マイベストプロ東京」
行政書士の寺田淳がマイベストプロ東京で相談受付中
独りで思い悩むより「相談」から始めてみませんか?

まずはお電話で! TEL 03-5157-5027 月~金 10:00~19:00(土日は要事前予約)