【今日のポイント】

 最近はコロナ禍のせいでしょうか、めっきり減った就職相談。
今まで主流を占めてきた50代半ば以降のシニア世代は見事なまでに影を潜め、
まだ、少ないながら40代からの相談者が目立つようになってきました。

 そこで今回は、今までの相談事例の中から、
私の記憶に残った相談事例について紹介したいと思います。

 とりあえず、第一弾ということで、
今後も時機を見て随時紹介したいと思います。

 

 

【同伴者付きの相談】

 これには2つのパターンがありました。

 奥さんが同伴しての相談例と、親が付き添っての相談です。

1)婦唱夫随の相談者

 別に誤変換ではありません。

 旦那さんの再就職の相談でしたが、
終始奥さんが相談話の主導権を握っていました。

 振り返ってみれば、最初の問合せから、面談日の決定まで
全て奥さんとのやりとりでした。

 詳細は書けませんが、いわゆる「鬼嫁」ではなく、
旦那さんの能力に全幅の信頼を寄せて、やさしく背中を押すような印象でした。

 ただ、私から質問をすると、間髪を入れずに奥さんが答えるのは参りました。
旦那さんの経歴、職歴の説明も全て奥さんのワンマンショーで、
旦那さんは「その通りです」で、次の質問に移るといった状態でした。

 その反動でしょうか、経歴書には見事なまでに文字で埋め尽くされ、
補足の説明だけで4枚ものファイルが添付されたものでした。

 元が研究開発職だったからでもないと思いますが、
どちらかと言うと口が重いタイプの旦那さんで、
書いたものを見てもらう方が早いというスタンスでした。

 ただ、何名、何十名と中途採用の面接を行う担当者からすれば
このタイプはたまったものではありません。

 記載された業務内容や関連する実績などは申し分ないのですが、
そこに行き着くまでに何枚も資料を読まないといけないのでは、
まず、面接官は途中でリタイアし、言葉でのプレゼンを求めます。

 今回の相談のメインは、まさにこの点でした。
ここでも奥さんが賢明で「ここまで書き込んでも読んでくれない。」
「この書き方をまず矯正したいのですが、どうすれば?」というのが
奥さんの本音であり、私から見ても「正解」でした。

 なんでも言いなりに見えた旦那さんも意外に頑固で、
「仕事に関しては、自分の思うとおりにする!」という一面があったのです。

 ただ、過去の業績全てを並べても、肝心の再就職を希望する会社にとって
有益なものかどうかを見極めておきませんと、その効果は半減以下になります。

 「このように、何でも出来ます、言われれば、成果を見せます。」
というのは必ずしも効果的なPRではありません。

 「御社の業務にも密接に関係するこの分野でこういう実績を挙げてます。」
 「このノウハウとスキルは御社の事業計画にも貢献出来ると確信してます。」

一つでいいので、
相手側の琴線に触れるような実績紹介を冒頭に挙げておくことです。

 その為には、
企業側がどういう人材を求めているかを事前に把握しておく必要があります。

 時間はかかりましたが、
旦那さんも今までの経緯(不採用の連続)から見ても
自分が引き下がらざるを得ないと納得してくれました。

 その後は「文書添削」からの「推敲」を継続し、大幅な縮小と、
多少盛った実績のプレゼンを冒頭に記載した経歴書を完成させました。

 具体的には、
再就職候補の3社向けに3種類の経歴書を作成し、それぞれを使い分けられるよう
自宅で奥さんを面接官に見立てての「自主練」も推奨しました。

 結果として、
年末の挨拶状の中で無事再就職を果たしての新年を迎えられましたとありました。

 

 

2)父親付き添いの相談者

 相談者は40代半ば、父親は70代に達してました。

 こちらの場合は、感覚で動くやや軽い感じの息子に
非常に冷静で醒めた目で子供を評価できる父親でした。

 相談者は、「資格起業」を目指すといい、
今現在はサラリーマン生活ですが、早期退職して士業で
第二の人生を迎えたいというものでした。

 ですが、具体的な行動は皆無で、どの士業で独立するかも
絞り込んでもいませんでした。

 ですが、先の紹介事例とは真逆で、口は達者でした。
メーカー営業という私と同じ経歴だったこともあり、
プレゼン力は認めざるを得ませんでしたが、内容は…

 その点を老父はしっかりと把握しており、
話の途中に、非常にタイミングよく会話に入り込み、
息子の考えの甘さ、不十分な立証個所をズバリと指摘してました。

 実際、最後まで相談者の言い分を聞きましたが、
私も父親と全く同意見の感想でした。

 実は今回のきっかけも、父親の方が私のブログを読み、
息子を半ば強制的に相談に向かわせたとのことでした。
さらに念のために、同席することも父親が決めたのでした。

 実際に質問を重ねたところ、今の職場にこれといった不満はなく
先輩か知人が独立を目指して早期退職したことに「あこがれ」を
持ったのが発端で、「自営業」「個人事業主」というイメージに
あこがれたという「今時信じられない動機」でした。

 ここは下手に理解を示すような言動は却って本人のためにはなりませんから
過去の失敗、挫折事例の数々を伝えました。

 結果は父親の思惑通り? 自分の甘さを自覚してくれたようで
父親に促されて相談を終了しました。

 後日、父親の方から「おかげさまで独立熱は引いたようで、感謝してます。」
という手紙と過分な御礼の品を頂きました。

 

 

 以上の2つの事例に共通するのは、
いい奥さん、いい父親に巡り会えていたという点でしょう。

 見事に対照的な視点の持ち主の親族がいることは
こういう問題に遭遇した時に思いがけない効果が期待出来ます。

 無条件で賛同せず、頭から否定もしない、
自分で気が付くようなアプローチが出来る。

 おそらくですが、後日あの日の相談に関して、
共に感謝の言葉を(妻に、父親に)口にすると確信しています。

 

 

 

【善意からの相談】

 このケースは褒められたものではないものです。

 少なくないものとしては、
おとなしい夫に代わって、妻が夫の実家の総則問題の相談に来る。
なかには自分の相続問題と確信犯的な「なりすまし」で来るのです。

 殆どが少しでも有利な遺産相続を目指すといった不純な動機ですが、
中には本当に善意から「代理人」として相談に来られるケースもありました。

 詳細は書けませんが、
当人が他の相続人にいいように利用され、無理難題を押し付けられている。
でも本人は、あまり苦にもせずに従っているのが腹立たしい。

 取り分を多くという気持ちは毛頭ないのですが、
正当な取り分は絶対に譲れない、今のままではどんどん侵害されてしまう!

 大いに同情はしますが、肝心の本人が動かなければ、こちらも動けません。

 善意からのなりすましと言いましたが、
本来は本人自らが相談に赴くように促すことが本当の善意なのです。

 穿った見方といえますが、少なからず
善意の陰に「我欲を満たしたい」という本音が見え隠れしています。
特に、親族関係にこの傾向は多いようです。

 反対に学生時代からの親友や趣味の仲間といった第三者の方が
最初から自分以外の人物の相談ですと冒頭に明言してくれます。

 当事者にも事前に相談することを伝える、
または相談後のアドバイスを正確に伝えるのは
第三者の「善意」によるものの方が圧倒的に多いのです。

 

 自分勝手な善意を振りかざしても、却って悪影響を与える。

 この点は、特に肝に銘じておいてほしいものですね。

 

記事が参考になった方はクリック投票お願いします

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村 士業ブログへ

投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
コラム「マイベストプロ東京」
行政書士の寺田淳がマイベストプロ東京で相談受付中
独りで思い悩むより「相談」から始めてみませんか?

まずはお電話で! TEL 03-5157-5027 月~金 10:00~19:00(土日は要事前予約)