【今日のポイント】

 漸く今までの生活が戻ってきたことは(正確には戻りつつあること)
嬉しい限りですが、それだけで解消しない様々な問題があります。

各業種それぞれが直面している問題とは何か?
今回は私が身近に感じた2つの事例について紹介します。

 

 

【寺や霊園関係】

 この2年間、毎月の法要や、施餓鬼会、
毎朝の座禅会や趣味の教室など、多彩な行事で年中人の出入りが
絶えることのなかったような寺や霊園での話でした。

 ある寺での話ですが、
毎年12月に開催してきた厄落としを兼ねた年末餅つき大会は
何とか2年ぶりに開催出来ると思ったようです。

 これまでも檀家衆の集まりがいい人気の行事で、
さらに檀家が友人や知人を誘ってくるため、「新規顧客」
獲得にも効果的な一大イベントでもあったのです。

 生臭い話ですが、
参加する檀家からはお布施や喜捨が、
新規入会となれば、それなりの収入が別途見込めるものでした。

 他にも、お寺本来のお務めである
1周忌、3回忌、7回忌、13回忌といった年季法要を執り行うことでも
一定の収入を維持してきたのです。

 ですが、緊急事態が解除になったらなったで、
新たな判断を求められる事態に苦慮しているとのことでした。

 
 まず、年季法要の場合ですが、
昨年末まではコロナ禍で泣く泣く1周忌が、3回忌が出来なかった。
1年遅れであっても今年こそは開催したい、昨年のうっ憤を晴らすためにも
親族一同うち揃って参列する法要を催したいという声があるそうです。

 同様に、事実上最後の集まりとなろう13回忌や、
今では稀有な事例となる33回忌を年内に済ませておきたいといった
檀家衆の「熱望」をどう扱うかで悩んでいるそうです。

 仮にこの要望をストレートに受け入れ、
本山から僧侶の応援派遣を打診し、法要にふさわしい場を拵えたあげくに
再び三度の「緊急事態発令」となってしまったら、大損失必至だそうです。

 かと言って、現スタッフだけでの法要では
いかにもうら寂しいものにしかならず、檀家衆の反感を買う恐れもあります。

 更に、年末の恒例行事の餅つき大会はより悩ましい問題で、
屋外行事の為、レンタルでテントやテーブル、イス等の用意があります。
特に、臼と杵は数量自体が限られており、早めの予約をしませんと
他の行事からの予約が入り、「在庫なし」で実施不能の恐れがあります。

 他にも用意する餅やお茶の分量、皿や箸の数量の見込みから、
毎年用意して配布している来年のカレンダーや縁起物のお菓子など、
相応な費用をかけて事前準備する必要があるのです。

 無事に開催までこぎつけても、
参加者側が用心して例年を大幅に下回る恐れがあります。
用心して用意する品々を半減したら、例年通りの参加人数だった場合は
これまた目も当てられません。

 緊急事態宣言再発令となれば、すべてが無駄と化します。

 

 余談ですが、私自身も提携している寺で開催していた
「終活」「改葬」等のセミナーの再開に関しても
今の時点では動くに動けずといった状態が続いています。

 何分、軒下を拝借してのセミナーですので
こちらからは口を挟めず、原稿だけを用意する日々を送っています。

 

 

 

【アルコール提供店舗】

 早ければ11月中旬から始まる忘年会、
12月にはピークを迎えます。

 ここに今まで延期に延期を繰り返してきた
新人の歓迎会や周年祭といった大人数が集まるイベントが
集中するのが12月です。

 トリを飾るのは「クリスマスパーティー」でしょう。

 2年越しの開催ともなれば、恐らく「大盤振る舞い」
「大人数の参加」が見込まれるもの当然です。

 既に事務所のある新橋界隈では
先週後半あたりから満を持しての通常営業再開=解禁ということで
ランチタイムから全てのアルコールを提供開始としている店が多くなりました。

 お客側も、店の想いに応えるように、
昼間からスーツ姿の2人連れや女子会のようなグループがグラス片手の
語らいを始めていました。

 ただ、この「業界」でも客足の見込みが今は読めない
という悩みを持っていました。

 2年前と同じメニューで、食材を用意したものの、
思ったほど常連さんが帰ってこない、新規客が来ない。

 通常時と同じ人数確保のため、先手を打ってバイト学生等の
スタッフは確保したものの、それに見合う来客数になっていない!

 せっかく待望の深夜営業を再開したのに、
なぜか健康的な客ばかりで22時には退店してしまい、
0時前後は閑古鳥というケースもありました。

 ここでも先の寺のケースと同様、
稼ぎ時の12月を控えていながらも、
強気にイベント開催や、食材確保に奔れないジレンマがあるようでした。

 

 サラリーマン、特に大企業の場合は
「会社指示」で未だ社員同士での飲み会や4人以上での宴席は禁止、
得意先の接待は「ランチ」のみといった自衛策・独自規定が
まだまだ継続中と言うケースが多いようです。

 社員レベルでは、
行きつけのお店で思い切り飲みたいと思ってはいるものの、
悪夢再びは絶対に避ける、といった会社上層部の意思は
未だ、今の時点での全面解除には懸念を持っているとのことでした。

 新橋界隈には特定の企業御用達で成り立ってきた飲食関係の店が
非常に多く、社内の集まりや接待利用の一日も早い復活を切望する
飲食店オーナーは、最後の忍従を強いられています。

 

 

【新しい流れの発生】

 ここでは、お客、お店双方に見られた
新しい生活習慣の流れについて紹介します。

 まずお客側の変化ですが、
2年に及ぶ健全な時間帯での飲食の生活が
身に沁み込んでしまい、二次会、三次会が苦痛になった。

 シビアな理由としては、
業績悪化で減収となり、今までのようには飲めなくなった。

 といった理由で、夜の宴席からの「自主退場」となったケースです。

 中には、退場はしていないものの、
緊急事態宣言中でも営業継続していた店の常連となり、
店離れしたというケースもちらほら…

 こうなると、「正直者がバカを見る」
ルールに従った店ほど原状復帰が難しいというのは
何ともやるせない想いです。

 

 今度は店側の変化です。

 私の行きつけでもあったある店では、
窮余の一策で始めたランチ営業やテイクアウト、デリバリーが
予想以上の人気となり、無視出来ない売り上げを今も継続中だそうです。

 それなら今までの柱であった夜から深夜にかけての売り上げに加算で
左うちわかと思いきや、ここでも「昼営業の体質」が心地よくなり、
売上倍増よりも「健全な生活習慣の確保」を優先するとなり、
深夜の営業を止めてしまいました。

 この結果、最大の被害者は常連客の方でした。

 長年、〆の一杯を飲むために訪れていた常連客は
今でもオーナー店長に翻意を促しているようです。

 2年という時間は、生活習慣や固定観念を変えるには
十分すぎたようです。

 

 従来通りの営業を再開した店には、また別の問題がありました。

 緊急事態の解除直後から、常連客が戻ってきたのですが、
それが一定の時間帯に集中するという事態に苦慮しています。

 新橋という場所柄、サラリーマンの常連が多く、
最低でも3人、多ければ5,6人のグループで来店する為
カウンターでは肩が触れ合うような状態になってしまうのです。

 客同士は気にもせずに交流を深めているようですが、
店側から見れば「完璧な密」が「長時間継続」しているのですから
気が気ではないとのことでした。

 来なければ来ないで、来てくれれば来てくれたで、
コロナ禍の不安要素はなかなか払拭出来ないのが現状のようです。

 

 

 【12月は存続にかかわる重大な分岐点】 

 多くの飲食・サービス業関連の店が口をそろえて言うことは、

「ともかく、何が何でも12月の緊急事態宣言発令だけは勘弁してほしい。」

 これに尽きるようです。

「忘年会やパーティーの予約を取ったあげくにまた自粛では致命傷になる。」
「かと言って、用心過ぎては他店との競争に負けてイメージダウンに繋がる。」

 宣言再発はないと強気の読みで、先手必勝とばかり大口の予約を取りまくり、
それに伴って早めに大量の食材他の確保も出来た。
そのあげくにまた休業要請になれば今度こそ一巻の終わり。

 用心に越したことはないと、例年以下の用意で様子見を決めたら
コロナ禍が終息となり、他店の繁盛ぶりを横目にするのも耐え難いし、
そのまま店の人気が急落して、結局は閉店に追い込まれるのでは?

 それぞれのジレンマはどの飲食・サービス業で抱えているようでした。

 
 10月末のハロウィンも終わり、衆院選挙も終わりました。
今月15日は七五三が控えていますし、そろそろ一足早い忘年会や
延期してきた歓迎会も開催されるでしょう。

 まだまだ感染拡大のリスクが控えています。
肝心の12月を台無ししない為にも、お店もお客も
共に感染防止の意識を強く持って生活したいものです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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