【今日のポイント】

 最近は80代から90代の親の暮らす家の片付けについて
60代前後の子供世代が、苦慮しているという話をよく耳にします。

 子供とは言え既に還暦を迎える世代です。
体力・気力も若い頃のようにはいきません。
自分たちの家庭もそれなりの問題や悩みを抱えていれば
時間のやりくりにも苦労します。

 特にこの2年にわたるコロナ禍のせいで、
実家に帰ることが出来ず、現時点での実家の様子が分からない。
親に問い質しても要領を得ない等、心配が絶えません。

 さらには、相続の発生で実家の空き家問題も絡んでくると、
より深刻な事態に直面することとなります。

 今回は空き家になる前段階の実家に関する課題として、
「実家の片付け」について紹介します。

 

 

【片付けをするきっかけは?】

 長年足を運ばなかった実家に出向く理由としては、
やはり相続の発生がトップでした。
 その次が、実家の売却が決定した為の家財の搬出で、
3番目が居住していた親が病気や事故で施設や病院へ入所、入院し
ほぼ実家に戻ることが困難とされた時という結果でした。

 ごく少数ですが、
まだ元気な親からの依頼で
片付けを手伝ったというケースもありました。

 相続の場合では、引き継いだ実家に暮らすというケースはまれで、
特に遠隔地に実家があった場合は、片付けの次に
より深刻な空き家問題のリスクも生じます。

 さらに相続財産としての問題もあり、
相続人である子供が複数の場合は処分するにしても、
全員の合意が求められるので、
下手をすれば争族の要因にもなり兼ねません。

 親が施設へ入所、病院へ入院等の場合、
一時的なものであれば別ですが、施設がそのまま終の棲家になる場合、
実家はほぼ空き家となる確率が高いです。

 ですが、入院、入所中とは言え、
親が健在の間は子どの判断だけでは、
なかなか片付けが出来ない事が多いのです。

 

 同様に、親が元気で自らも片付けを行うような場合でも
子供から見れば保管する意味が分からないような品でも
親からすれば、他に代えがたい思い出の品という事があります。
(これは夫婦間での断捨離の場合も同様のようです。)

 せっかく親がその気になり、子も時間をやりくりして
実家の片付けに臨んだはずが、却って親子喧嘩を招いてしまっては
何のための片付けの手伝いだったかという事になります。

 
 仮に、親が健在なうちに売却が成立した場合には、
物件を譲渡する期日が定められますから、否応なく
家財の取捨選択を即断即決せざるを得ないというケースもあります。

 

 

 【費用はどのくらいかかった?】

 不用品と決定した家財などの処分は、
ほぼ専門業者に依頼して処分してもらう事になります。
当然そこには処理費用が発生します。

 粗大ごみであれば応分の処理費用を前払いして引き取ってもらいますし、
自分で家具などを指定の処理場迄運搬し、搬入するとなればクルマが必要です。

 自家用車で搬送出来ればいいですが、
そうでなければ軽トラを借りることになり、
当然ガソリン代や、場所によっては高速代等の費用が別途発生します。

 遠隔地の実家であれば、
交通費に加えて、場合によっては宿泊費も費用として発生します。

 処分する家財の種類や、その分量にもよりますが、
概ね10万円前後が片付け費用としての目安と言えそうです。

 

 

【処分を迷った品は?】

 親が既に亡くなっている場合ですと、
仏壇や仏具、遺影といった品や古い家族写真のアルバム、
が筆頭でした。

 やはり親の意向を聴いていなかったことで
どうしても躊躇してしまうとのことです。

 子の本音として、
出来れば一族の歴史とも言える品なので
持ち帰りたいのはやまやまですが、
実家の広間には適したサイズの仏壇は子の家では過大な存在で、
アルバムにしても総数で数十冊ともなれば、
これも置き場所の問題で全てを引き取ることが困難という事になります。

 他にもまだまだ劣化していない大型の家具、
大家族だったころの痕跡とも言える多数の食器類、
趣味関係の品々(書籍、ゴルフ用品、書道道具等)

 時間があれば、鑑定に出して評価額を出してもらい、
価値のあるものは売却や保存とし、無価値な品を処分と
切り分ける事が可能ですが、地元には適当な鑑定士がいない、
分量が多すぎて鑑定代がいくらになるかが不安等の問題もあり、
なかなか思うようにいかないのが実状のようです。

 特に注意すべき点としては、
実は親の友人や知人等、他人からの預かり物だった
というケースです。

 明らかにこれまでの親の趣味・嗜好とは
異なる分野の書籍や絵画や書などの骨董品、
アンティーク時計やレアもののブリキのおもちゃなど、
女性であれば、着物や帯、付随する飾り物等々が出てきた場合は
安易な処分は危険です。

 

 

【片付けで判明した問題は?】

 あるはずの土地や家屋の購入契約書が見当たらない、
又は親から来た場所に保管されていなかった。

 同じ様に実印、登記簿、通帳類などが
見当たらない、聞いていた場所、記録されていた保管場所にない。

 より深刻なものとして、
今まで聞いたことがなかった連帯保証人契約書が出てきた。
親が黙って進めていた売却契約書が出てきた。

 親が正常な判断力を持ている場合であれば、
その場で事態を報告し、再確認を依頼することが出来ますが、
既に亡くなった、あるいは認知症発症で回答は困難となれば
自分たちの力で何とかしなくてはいけません。

 

 極端な例ですが、
片付けの最中に仏壇裏や衣裳タンスの奥から相当額の「現金」が出てきた。
無論、そんな話は全く聞いておらず、どういう種類のおカネかも不明。
その為、全ての調度品を隅々まで確認する羽目となったという事例もあります。

 
 依頼人から処分を依頼された粗大ごみを処理業者が持ち帰り、
中身の点検をしたところ、その中から大金や貴金属類を発見、
そのままポケットに入れてしまい、警察沙汰というケース等は
よく新聞ネタとして採り上げられています。

 

 最近は「スムースに進む実家の整理整頓」を謳った書籍や
ネット上でのノウハウの紹介などが盛んになっています。

 ですが、まずは親が存命中に親子で共通の認識を持つようにしておけば、
我が家の場合、どこに問題点があるのかが事前に把握出来るはずです。

 実家に暮らす親が既に死亡、または認知症の発症等で、
全ての作業と手続きを子供だけで遂行した時の苦労話
ネットの記事などで見受けられます。
 
 そうならない為にも、事前の備えが欠かせないのです。

 

 緊急事態宣言も解除された今、
久しぶりに実家を訪問するのであれば、
このような課題について話し合う機会を是非持って欲しいものです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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