【今日のポイント】

 高齢の親の場合、今までの慣れ親しんだ生活を
今になって修正するということには概ね消極的です。

 やれ、今更変更するのは面倒くさい。
 今のままで不自由は感じないから。
 手続きが煩雑でよくわからない。
 どこで申請すればいいのか? 調べられない。

 など等、腰はかなり重いようです。
 

 ですが、日々の積み重ねが思いがけない高額の
無駄な出費になっていることもあるのです。

 少しの手間をかけることで大切な資産の減少が防げるのなら
子供世帯にとっても色々な意味で行動を起こすべき課題といえるでしょう。

 今回はその中からおカネに関するものを採り上げてみました。

 

 

 

【料金プランの見直し】

 例えば携帯電話の料金のプランです。

 子供である自分たちが親に勧めて携帯を持たせたものの
その後の料金プランの改定については無頓着だった。
その結果、未だに契約当時のままの条件で契約していたというケースです。

 実際、封書で郵送される案内の中に最新のプランの紹介や
過去の実績からより適したプランのお勧めが掲載されていても
肝心の親はほぼスルーして請求書のみを保管するというケースは
意外に少なくありませんでした。

 割安料金への乗り換えのチャンスを見逃しているだけでなく、
下手をすれば契約当初から全く使用していない複数のオプション契約が
放置され続けており、無駄な高額料金を支払い続けているかもしれません。

 若い世代でも、長々とした契約プランの説明に疲弊した後に、
結局よく考えずに契約しているケースは多いのです。
(ある意味、先方の思惑でしょうか?)
高齢の親だけに任せるのではなく、親に届く「料金明細内訳書」
契約プランを確認し、全く使用実績のないオプション契約の有無を
双方で確認して下さい。

 無駄と思うオプションを解約し、適正なプランに切替えるだけで
月額3千円台の使用料金で済む場合もあるのです。

 
 同様に、最近は電気やガスを一括して契約することで
割安料金に切替えるのは当たり前のことです。

 東京で言えば東電がガスを、東ガスが電気をセットにした
格安パックプランを用意するほどメジャーなものになっています。

 これも独居や夫婦だけで暮らす高齢世帯には情報を入手しにくい、
あるいは内容についてピンと来ていないケースが多いのです。

 もし、今もそれぞれ別々の料金契約しているならば、
まずは検針票から月々の料金を把握しましょう。

 次に、電気会社やガス会社が宣伝しているセット割のプランについて
検討をすることをお薦めします。

 ひと月単位で見れば細かな金額ではあるものの、
これは毎月、毎日使用し、常に費用が発生しているものです。
長期になればなるほど、馬鹿に出来ない節約に繋がります。

 本当ならば、これらの見直しはすぐにでも実行出来るものですが、
残念なことに、コロナ禍で親子が別居している場合はすぐに実行とは
言えないのが歯がゆいところです。

 

 

【各種の控除】

 この他、万が一に備えて実家をバリアフリーに改修した場合も要注意です。

 「増改築等工事証明書」を用意して
「住宅特定改修特別税額控除」を申請しますと、
費用の10%を所得税から控除されます。

 さらにローンを組まなくとも
自己資金だけでの改修時も適用されるので
この制度は大いに活用すべきです。

 他にも耐震補強改修の場合でも
「住宅耐震改修証明書」を発行で
「住宅耐震改修特別控除」の適用となれば
費用の10%を所得税から控除されます。

 

 無論、親の実家だけでなく
自分が暮らす我が家でも適用されますから同時に利用を検討すべき制度です。

 他にもレアケースと思いますが、借金の過払い金の見直しも欠かせません。

 消費者金融やカード会社との「金銭消費賃借契約書」を精査して
過払いを確認出来たら「過払い金請求」で返金が可能になります。

 無論、完済後でも請求は可能ですが、
完済後10年以内の過払い金であることが条件となります。

 

 税金関連では
仮にふるさと納税をしている場合、
「寄付金受領証明書」によってふるさと納税をした年の所得税が
寄付金額で2千円を超えた分を目安に控除されます。

 意外に子が知らないうちに
地元や故郷へのふるさと納税を始めていたという話も耳にします。

 ですが、寄付金受領証明書の保管に関しては
案外無頓着なケースが少なくないという話も聞きます。
これも長期に渡れば馬鹿に出来ない節約になるはずです。

 

 

【固定資産税の見直し】

 また実家や郷里の土地等の固定資産税が
間違った評価のまま課税されているというケースもあります。

この場合、まずは
「固定資産税納税通知書」の内容を精査します。

 その結果、地目や地積に実態と異なる評価がされていた場合、
固定資産価格審査の申出で、払い過ぎの固定資産税分を取り戻せます。

 これは実際に私自身が経験しました。
私が父の依頼で愛知県内にある父親名義の不動産調査をした際に、
地目が明らかに間違っていることを発見し、父に伝えました。

 すぐに父も当該自治体に連絡し、調査を依頼しました。
その結果、自治体は早々に評価ミスは認め、次回の評価替えの際に
修正する確約を得ました。

 先に書いたように本来は過去に遡って過払い分請求は可能だったのですが、
父にとって愛着のある故郷ということもあり、請求はしないこととなりました 

 ちなみに、請求の場合は最長で過去5年分の過払い金が取り戻せます。

 参考までに、固定資産の評価変えはちょうど今年、令和3年度ですので、
最新の納税通知書を今一度確認し、疑問点があれば速やかに当該自治体に
問い合わせをしましょう。

 

 

【株式取引の場合】

 親と言わず子の世代でも活用すべきものとして留意したいのが
株や投信を売却した場合、「損益通算」を適用可能かどうかを確認すべきです。

 最長で3年間、過去の損失分を繰り越すことが可能になるので、
損益を相殺することで売却年の所得税が控除されます。

 以前は定期的に証券会社から「取引報告書」が郵送されていましたが、
最近は全てネット上での掲示になり、その都度メールで連絡が来るので
利用者自身がアクセスしてダウンロード又はプリントアウトします。

 この点も高齢でネット利用に疎い老親の場合、
情報入手が不十分になる恐れが十分ありますから
親子で情報の共有を図ることも大切になってきます。

 

 

【その他の注意事項】

 最後の項目としては、相続関連の際の注意事項があります。

 まず葬儀費用に関しては、
葬儀の領収書を用意して各自治体に提出すれば
「葬祭費」として自治体によっては最高で7万円前後が支給されます。

 これは葬儀の翌日から2年以内に提出するという期限付きですが、
長年連れ添ってきた配偶者を亡くした後の老親に全て任せるのは
酷というものですから、子が遺された親の代わりに主導すべきでしょう。

 相続税の納付に関しても、
実は高すぎる相続税を納めたというケースがあります。

 多くは不動産、土地の評価のミスで、
がけ地や旗竿地である土地を一般の土地と判断してしまうのです。

 原因は実地検分を行わないまま過去の地図資料で判断した場合や、
最近の土地の形状変化を見落としての旧来通りの評価を継続した場合で
本来割安になるはずの固定資産評価額が高額評価で計算されてしまったケースです。

 どうも自分が相続した土地の評価が高すぎるのでは?
という想いがあるならば、まずは「地積測量図」を用意し、
それを税務署に提出し「相続税の更生の請求」を行います。

 但し、これには「故人の死亡から5年10か月以内」
という期限が定められているので、怪しいち思ったら
早めの行動が欠かせません。

 

 以上、細かない金額のものから
バカに出来ない金額になるものまでざっと紹介しましたが
ひとつでも該当するものがあれば、まずは確認行動をしてみて下さい。

 

記事が参考になった方はクリック投票お願いします

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村 士業ブログへ

投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
コラム「マイベストプロ東京」
行政書士の寺田淳がマイベストプロ東京で相談受付中
独りで思い悩むより「相談」から始めてみませんか?

まずはお電話で! TEL 03-5157-5027 月~金 10:00~19:00(土日は要事前予約)