【今日のポイント】

 念願かなって再就職や転職を果たせたシニアや
予定していたハッピーリタイアメントを果たし、
地域ボランティアや趣味のサークル活動といった
悠々自適な第二の人生を始めることが出来たシニア。

 傍から見れば
「夢を実現した羨ましい成功者」と見えるでしょうが、
中にはセカンドライフで思いがけない事態に遭遇し、
老後の計画に大きく狂いを生じたという事例もあるのです。

 それも、良好な(良好すぎる)新しい人間関係によって…

 

 

【事例:地域ボランティアに参加して】

 定年退職時には既にローンは完済、
さらに老後資金も計画通りの貯えと資産を有しており、
無理に再就職をする必要がない60才になりたての方です。

 既に子どもは独立し、親に似て優秀なのでしょう、
特に援助の必要もなく、夫婦2人だけの生活を堪能出来る
何とも羨ましい限りの第二の人生でした。

 まさに「先憂後楽」の理想形です。

 さらに、後半生も充実した生活をしたいと
前向きに社会との接点を維持、又は拡大したいと思ったそうです。

 そこで関心を向けたのは、今までは希薄だった地域の中で
居場所を見出すことで、ボランティア活動に従事することで
これからは地域に貢献したいと考えたそうです。

 時間の余裕もあったことからじっくりとボランティア団体を調べ
活動内容や適性も検討を重ねた結果、ある団体に参加を決めたのです。

 事前にわかっていたことでしたが、
60才で「最年少」参加者ということから、
「まだ若いのでなんでも言いつけて下さい!体力には自信ありますから!」
と、つい口走ったそうです。

 参加した団体の主な仕事は
地域の文化財の保護や整備、管理、見学者の対応などで
場合によっては屋根に上っての清掃や貴重な文化財の清掃も行うこともあり、
早速自分の言った通り、高所での作業や力仕事が専門分野となってしまい
密かに狙っていた見学者の案内や史跡紹介のパンフの作成といった仕事は
全く無縁なものとなったそうです。

 既に何度か屋根掃除の際に転落の危機に陥ったり、
清掃時に力を入れ過ぎて擦り傷をつけてしまったという
(まだ内緒だそうですが)不手際に暫く自信喪失が続いたそうです。
何度かは役割の見直しを遠回しに口にしたそうですが、
活動後の慰労会に際にメンバーからのねぎらいや称賛の言葉に、
つい言いそびれてしまい、改善は図られませんでした。

 メンバーは皆気のいい「先輩」であり、
何気ない会話も非常に為になる言葉が多く、
集まりに参加することは大好きなのですが、
最近は予想される業務分担にやや意気消沈気味だそうです。

 

 

【事例:地域ボランティアに参加して:その2】

 こちらのケースは
地域の児童や生徒の通学時の交通監視や夏祭りの運営、
または民話の語り部といった主に子供向けのボランティアに参加した65才の方です。

 この場合も、
先と同じく業務内容も事前に納得したものであり、
所属するメンバーとの関係にも何の問題もなく、
非常に居心地のいい活動場所だったそうです。

 その活動内容から、
頻繁に事前の打ち合わせや役割分担の相談等で
メンバーの自宅で集会をすることが多く、
その後はお決まりの「懇親会」に突入というパターンでした。

 この方は現役時代は上場企業の役員まで経験した方で
おまけにかなりの邸宅に暮らしてました。

 当初は新参者ということもあり、
先輩宅に集合し打ち合わせをしていたそうですが、
つい「もしよろしければ次回はウチの使ってない2階の居間でやりませんか?」
と言ったそうです。

 この結果は、皆さんの想像通り、
「次回だけのはずが、それ以降半永久的な打ち合わせ場所
となり、そのまま「半永久的な懇親会会場」と化したのです!

 地域内では
「役員の過去をひけらかさずに腰の低い方ですね。」
「いつまでも仲間でいて下さい。」
など等、一気に街の名士?とはなったようですが、
奥さんとの関係はいつ火薬庫に引火するかといった
非常事態に陥ったそうです。

 

 

【地域ボランティアに参加して:その3】

 こちらのケースは、より深刻です。
ボランティアで知り合った新たな友人に誘われて
始めてしまった趣味が大きく人生を狂わせたケースです。

 ボランティアで知り合った
同年代のメンバーと最初から意気投合し
その後はボランティア活動の有無にかかわらず、
週1回は顔を合わせるほどの仲になったのですが、
そこで相手の趣味である「釣り」に関心を持ったのが運の尽きでした。

 その友人も
趣味の仲間が増える、さらに弟子が出来る
ということから熱心に指導し、
やれ、釣り竿はこれ、
道具は最低でもこれとこれは揃えなくては始まらない。
これからはファッションも重要と、
一気にアイテムを揃えさせたのです!

 結果として、
ン10万円の出費が2~3か月継続し、
その後は土日は早朝から、
または前夜のうちからクルマで出発を繰り返すことになり、
家族サービスは根絶され、交通費や諸経費の出費は
毎週のように続くという「放蕩おやじ」になってしまったのです。

 本人曰く、
「現役のころは無趣味で酒だけが息抜きでしたが、
こんなに楽しい生活があったんですね、
今までの分取り返しても罰は当たらないでしょう?」と
一向に気にしてない様子でした。

 これと似たようなケースで、
より深刻なのが、こちらは趣味のサークルで出会った方に誘われ
60過ぎて麻雀を覚えたことで毎晩雀荘通いが日課となった例もありました。

 この方の場合、
最初のきっかけとなったサークル仲間はあまりの変貌にあきれてしまい
とっくに縁を切ったそうです。今ではサークルからも遠ざかり、
一人で雀荘に通い詰めているとか…

 

 

【原因はまさかの奥さんにも?】

 以上、紹介した事例全てとは言いませんが、
多くの場合、この事態を招いた一因は奥さんからの一言だったのです。

 「会社を辞めても終日家にいるのは止めてね」
 「ボランティアでもしてボケ防止したら?」
 「いい加減何か趣味をもってね」

 こういう発言に押されて(怯えて?)
最初は腰が引けていたボランティアやサークル活動だったものが
上記のようなきっかけで一気に激変したという例は少なくありませんでした。

 こうなりますと、奥さんも一方的に責めることも出来ず
怒り半ば、後悔半ばといった中でストレスを溜めているようです。

 

 

 老後は夫婦2人で穏やかに生活を楽しむつもりが
思いがけない事態に遭遇し、貴重な老後資産に加えて
貴重な夫婦の時間にも悪影響が及ぶようになるようでは
ボランティア活動とはいえ、注意が必要です。

 

 

【再就職でも同じリスクが】

 これと同じことが再就職や転職先でも起こり得るのです。

 こちらの場合は、やはり新参者ということもあり
上司、部下、同僚との関係を考えれば自分の意志を通すことは
かなり難しいでしょう。 

 終業後の飲み会や付き合いゴルフ、麻雀の誘いは
職場の人間関係にも大きく影響します。

 早く打ち解けた人間関係の構築、
居心地のいい職場環境をと思えば
自分の意志だけで解決できるものではありませんね。

 

 さらにそこに得意先が絡めば、
より神経を使うことになります。

 営業職の場合は接待や交際費などで
下手をすると持ち出しが増えるケースもあるでしょう。

 せっかく希望が叶った再就職や転職であっても
実質の手取り額が減少では意味がありません。

 せっかく再就職や転職が叶っても、
希望するボランティアに参加出来ても
人間関係がうまくいかずに苦労するケースはザラにあります。
むしろこの悩みの方が圧倒的に多いのが実状です。

 これに対して、
若いうちからの人生設計を恙なく遂行した結果、
望み通りの再就職や転職が出来た、

 老後資金に不安のない生活を確保し、
何の制約も受けずに自分に合ったボランティア活動を精査し、
参加を果たし、おまけに人間関係でも全く問題なしという
理想的な職場環境だった!

 それでもなお、思わぬ落とし穴は存在するのです!

 

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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