【今日のポイント】

「お金の管理は全て旦那任せでして」
「家庭に関することは妻に一任で」

 令和の世の中でまさかまだこういった声を聴くことになるとは
大いに面食らいましたが、ここ最近の相談事例の現実の話です。

 コロナの影響でいざという時にという危機意識が高まったことは
喜ばしいことですが、さて何が重要な情報なのか、どこまで共有すればいいか
といった肝心の基礎についての知識は、未だお寒い状態であることも発覚したのです。

 

【夫婦、親子で共有すべき情報】

 基本は夫婦ですが、既に先立たれている場合には
子供との共有を検討しましょう。

 特に親が80代、子が60代の様に
高齢になった親子の場合、逆順は十分考慮すべき課題です。

 先ずは生々しい「おカネ絡み」の情報です。

・預貯金口座の情報
・定期預金口座の情報
・証券口座の情報
 →金融機関や証券会社の支店名、担当者名や連絡先を控えておきます。
  残高については変動が生じる為、口座の有無だけでもいいでしょう。
  あとは主な使用目的(生活費の口座、投資目的など)も明記しておきます。
・ATMカード
 →保管場所と暗証番号を控えておきます。
・貸金庫の有無
 →家族にも明かせない金庫の場合でも別途記録だけは残しておくべきです。
  最低限遺言書やエンディングノート等には記しておきましょう。
・生命保険の契約状況
 →放置期間が長い場合は、内容の見直しや解約を検討します。
  相続対策の為の受取人の変更等も視野に入れて検討します。
  当然ながら各保険証券原本の保管と管理は必須です。
・年金額 
 →受給前であればねんきん定期便の情報の共有をしておきます。
・へそくりの有無 
 →理想は共有ですが、これは個々の判断を優先したいと思います。
・借金、連帯保証人契約の有無
 →言うは一時の恥、言わぬはひたすら迷惑をかけること肝に銘じて!
・自分名義の不動産
 →登記済権利証の確認と保管は無論ですが、
  まだ名義変更前の親の不動産も忘れない事です。
  この場合将来の相続不動産になる可能性がある為、
  兄弟姉妹がいれば誰が相続するかを早期に話し合う必要もあります。

 

 金融資産、不動産資産の場合は必要となる書類が決まってます。

・金融資産の場合
 預金通帳類 
 キャッシュカード
 証券会社からの取引報告書

 →最近は金融機関の通帳のオンライン化、ペーパーレス化、
  証券会社からの取引報告書もサイト内での通知のみという
  ケースが主流となってきた為、物証としてプリントアウトしておく、
  又はサイトのアドレスやID、パスワードを共有しておきます。

・不動産の場合
 登記済権利証
 不動産売買契約書
 確定測量図

 権利証は無論ですが、
 売買契約書は譲渡所得税計算時の基準となるので確実に保管しておきます。

 確定測量図は特に郷里の一戸建ての場合、隣家との境界線の確定時
 必須になります。もしなければ念のために事前に測量の実施をお薦めします。

 

 次は個人情報に関するものです。

・マイナンバーカード
 →保管場所とカードナンバーは共有しておきます。

・免許証やパスポート、健康保険証の被保険者証
 →これも保管場所の共有が必須です。
  片方だけが管理ではなく、共同管理をしましょう。

 医療関係については、

・かかりつけの医院、医者名
・常用薬の有無
・持病や既往症、アレルギーの有無
・加入している健康保険の種類
・介護の希望等

 これらの情報に関しては同居家族がいれば確認はある程度用意ですが、
要注意なのは別居、独居の場合です。

 最近発症した持病やアレルギー情報などは別居家族には把握出来ません。
常に現時点での状態についての情報は共有すべきです

 生活関連の項目については
 
・公共料金の契約内容、連絡先
・所有するクレジットカードの種類と連絡先、暗証番号
・インターネット契約の内容
・電話関連(固定、携帯)の契約内容、連絡先
・定期的な購入物の有無(新聞、雑誌、栄養食品、サプリ等)
・サークルや習い事(月謝・会費の発生するものは必須)

 
 これは同居の場合では夫側が妻に全面的に依存し、
夫は全く詳細を知らないままのケースが目立ちます。

 逆に別居の場合は(単身赴任等)は妻が把握していないケースが多く
さらに夫も積極的に伝えようとしない傾向が多いようです。

 

 趣味の関係については、

・自動車
・美術品や骨董品(鑑定書と一緒に保管)
・貴金属類(鑑定書と一緒に保管)
・書籍関連(仕事用、趣味用)
・写真やアルバム
・趣味の品々(DVDやCD類、漫画、模型、食器類等)

 ものによっては、実は他人から一時的に預かったものや
長期に借り受けているものもあるので、その区別を伝えておきます。

 実はドライに割り切って処分することに最も抵抗があり、
処理までに最も時間がかかるのがこのジャンルです。

 仮に処分を全面委任するという考えであれば、
その旨を相手に伝えておくことも必要です。

 以上の項目については
極端に言えば結婚したらすぐ用意してもいいものです。

 それは幾らなんでもというもであれば、
最低でも子供が独立した時や60才の定年を迎えるといった
節目の時に上記の情報の共有の為の行動を起こして欲しいものです。

 

 「その次」の共有情報としては、葬儀関連の情報があります。

・各自の相続人の一覧(存命中の親族一覧や家系図など)
  特に子のいない夫婦の場合は、法定相続人になる可能性のある親族の存在は
 事前に把握しておかないと相続発生後に「争族」と化す恐れあります。

・葬儀に呼ぶ人、連絡だけでいい人、連絡無用な人のリスト
  遺族が最も悩む問題のひとつです。

・喪主を頼みたい人、弔辞を頼みたい人
  配偶者や子供が病気他で役に堪えられないケースを想定し、
 次善の候補者を想定し、場合によっては打診しておきます。

・戒名の希望
  世間体を気にして言いなりにならないよう希望を伝えておきます。

・肝心な自分の宗派と菩提寺の有無
  実は自分の菩提寺を知らないというケースも少なくありません、
 さらに、夫婦がお互いの宗派や菩提寺を知らないケースはかなり多いです。

・葬儀の形式の希望(密葬、家族葬、一般葬など)
・遺影の用意、既存写真の指定
・費用上限の確認~高額なのは一般葬で参列者50人規模で、概ね200万円から
  上記3つは事前に把握していれば予め費用を用意しておくことが出来ます。

・埋葬の希望~代々の墓、新たな墓を用意、樹木葬、散骨等
  場所の選定、手続きの為の時間は意外に手間取るものです。
 これも事前に確定していれば迅速な行動が可能になります。

 

【遺言書に関しての注意】

 最後になりますが、遺言書の用意での勘違いは絶対に避けたいものです。

 基本中の基本は、
遺言書は各自で用意しなくてはいけないものということです。

 夫が必要事項をもれなく記載し、署名した遺言書と、
妻が同様の手続きを経て作成し、署名した遺言書、

夫婦であれば必ず2通用意するものです。

 夫婦連名の遺言書や、共作の遺言書には全く法的効力はありません。

 但し、保管については別々に保管する必要はありません。
例えば、一つの封筒に2通の遺言書を入れる事には何ら問題はありません。

 ただ、自宅での保管を選択した場合には
盗難、紛失、破損の発生時には、一挙に同時に効力を失うというリスクはあります。

 自宅内で別々の場所に保管したとしても、
今度は肝心の当事者が保管場所を忘れるというリスクもあります。 

 確実な保管という面では、
公証役場に原本が保管される公正証書遺言が最適ですが、
自筆証書遺言を望む場合であれば、自宅での保管は避けて、
貸金庫での保管や新制度である法務局での保管制度を利用することが
確実な保管方法と思えます。

この点はあくまでも個々の判断に委ねたいと思います。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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