【今日のポイント】

 「最近物忘れがひどくて…」

 哀しいかな、とうとうこういった会話が日常的になってきた
今日この頃です。

 手前味噌ながら同年代の中ではまだ「軽症」と自認している私ですが、
同年代の中ではやや「?」な症状を見せ始めたケースも・・・

 今日は、もの忘れとひとくくりにしがちな症状について
気になるチェックポイントを紹介したいと思います。

 

 

【もの忘れと認知症の違いは】

 よくもの忘れと認知症を混同する方がいます。

 おもしろいもので、自分は「ちょっとしたもの忘れ」と言うと
周囲からは「もう認知症でもおかしくないぞ」と脅され、
自分が「もしかして認知症になったかも?」と言うと
周囲は「ただのもの忘れ、誰にでもあること」と慰められる。

 自他ともに同じ見解になることは稀というのが一般的なようです。

 基本的に、
もの忘れは、忘れたという事実は覚えているわけで、
買い物をした後に買い物袋を店に置き忘れても
その後に置き忘れたことは思い出します。

 例えば、
2軒で買い物を予定していたのに最初の一つを購入後、
知人と会って立ち話をしているうちに二つ目の買い物を
忘れ2軒目に寄らないまま帰宅し、その後に忘れたことに気付く。

 または何かをしようと部屋に入ったとたんに何しに来たんだっけ?
と用件を忘れるケースがもの忘れの典型例と言えるでしょう。

 後者の場合、部屋に入る瞬間にキッチンのお湯が沸いた合図が
鳴り響いたとか、入った瞬間に他のものに関心が移ってしまい
肝心の要件の方がかき消されるなどです(部屋のドアを開けたら
壁のポスターが剥がれ落ちていた等、想定外の光景に遭うなど)

 先の2軒目の店に行くことを忘れたケースの他にも、
2軒目の店に行ったのはいいものの、何のために来たのかを
忘れてしまうケースもこれに該当すると言えます。

 

 これらに共通する特徴は
「何かをしようとしたことは明確に覚えている」
という点で、何らかのヒントやきっかけで
明瞭に思い出せるのが「もの忘れ・ど忘れ」と言えるでしょう。

 

 これに対し、
認知症では買い物に出たこと自体を覚えていない、
なぜ自分は外出しているんだろう? 
という行動自体を忘れてしまう症状です。

 とはいえ、
もの忘れが続くことは決していい傾向ではありません。

 以前にもこのコラムで紹介していますが、
最近の研究では「軽度認知症」という分類がされています。
もの忘れと認知症の中間状態の位置付けですが、その境界線は
非常に曖昧なものとなっています。

 ただのもの忘れなのか、軽度認知症なのかを知ることも
今後の対応に重要な意味を持つものと言えるでしょう。

 参考までに以前のコラムをリンクしておきました。

MCI(軽度認知症)

 

 

【チェックポイント】

 50代の方なら、(40代でもおかしくありませんが)
既に一度か二度は経験したかもしれない
うっかりもの忘れ、の代表例を紹介します。

 1)同じ相手に同じ話を何度も話す、
 2)同様に同じ話を何度も聞く
 3)置き忘れや保管した場所を忘れる
 4)同じ品物を繰り返し買ってきた
 5)今日の日付、曜日を瞬時に思い出せない
 6)朝に話した内容を午後には思い出せない
 7)知人等との約束や待ち合わせの時間を間違える、忘れる
 8)我が子や孫の名前が出てこない、子と孫の名前を間違える
 9)自炊のメニューがほぼ固定化してきた
10)外食時も毎回同じメニューを頼む、それに気付いていない
11)趣味が減った、以前ほど関心が無くなった
12)置いた覚えのない場所にあるはずの無い物を保管していた

 上記でも無視できない項目ですが、
よりシビアな症状としては以下のものがあります。

 1)調理中なのにそれを忘れて外出した
 2)同じく調理していることを忘れ鍋を焦がした
 3)水を出しっぱなしにしていた
 4)洗濯が終わったのに洗濯物をそのまま終日、又は数日放置していた
 5)冷蔵庫に文房具、机の引き出しに食料品を入れていた
 6)昼に朝食、夜に昼食に何を食べたか思い出せない

 正直なところ、
50代、いえ40代でも上記の経験が一つもなかったという方は
いないのではないでしょうか?

 ただ一度だけのもの忘れであればいいのですが、
深刻な問題になるのは、1度ではなく、2度3度と繰り返したり
その事実をくりかえし家族から指摘されるような場合です。

 

 突発的に上記のような症状を引き起こすものとしては、

・突然のリストラや会社の倒産による失職、失業
・これまた唐突に熟年離婚を切り出された
・家人の急逝

 といった予想だにしなかった劇的な日常の変化によっては
一時的に事例のような症状を発症することがあるようですが、
特にこれといった変化のない日常の中で、事例のような症状が
次第に回数が増えるのであれば、早期に認知症の検査を考えるべきでしょう。

 

 

【自分で出来るチェック方法と予防策】

 本来は専門医による精緻なチェックが不可欠ですが、
ここではまずは自分で出来る主なチェック項目を紹介します。

昨日一日の3食の食事のメニューを全て思い出す
 主食、おかず、汁物、さらに飲み物や間食も全てです。
 メニューは書き出せても、いつ何を食べたかまで
 正確に思い出せるかも要チェックポイントです。

・おとといの出来事を全て時系列に紙に書きだす
 これも正しい時系列で書き出せるかどうかがポイントです。

・今日の出費の内訳を書き出す
 正確な金額も大切ではありますが、それ以上に出費した項目、
 食事なら何をどこで、交通費はどういう経路で発生したかまで
 雑誌などの購入は何時にどこで購入と言う範囲までがポイントです。

・買い物前に買うものを書き出し、帰宅後に全てを買ってきたかをチェック
 買い物の際、メモを見ながらだったか記憶だけに頼って購入したかも重要、
 メモを見ていて買い漏らしがあれば要注意。

 

  上記のチェックで自己判断ながら、
まだそこまで物忘れがひどくない(と判断できる)となれば、
現状維持のためにも「ながら行動」を習慣づけるのも一手です

・歩きながら人と会話をする
・室内であれば電話しながら掃除する
・洗濯しながら同時に風呂掃除をする
・英会話のレッスンをしながら体操する

 

 ステイホームの今なら、
却って「ながら行動」はやりやすい環境です。

 異なる動作、考えを同時にすることは
注意力を複数に向けることになるので、
認知機能に一定の刺激を与えることになり、
自然と認知機能の維持に繋がるのです。

 さらに一歩進めるならば、

・1週間の行動計画を立てる
・外出時の交通機関、経路などを事前に選択する
・この場合いつもとは異なる交通機関や経路で行くよう計画する
・今迄行ったことがない街にとりあえず出向く(下町散歩、寺巡り等)

 やはり、計画を立てる、その為に情報を収集する、分析し選別する、
そして実行に移すという行為を繰り返すことで認知機能は刺激を受け続け、
活性化に繋がるようです。

 いつもと同じ行動パターンを繰り返す、
面倒だからと同じ服、同じ食事、同じテレビしか観ない…
より注意すべきはスマホやネット依存に陥ることでしょう。
この場合は認知機能の衰えに加え、依存症の発症のリスクが
喚起されています。

 

 特に長引くコロナ禍の影響で
なかなか新しい行動を起こしにくい環境ではありますが、
シニア世代の男性ならば、今まで未経験のボードゲームや
カードゲームに手に出してみる、俳句やイラスト、模型作りでもいいでしょう。

 無趣味なんですというならば、
自炊を試みる、洗濯や掃除に挑戦する、自分で衣装ケースの衣替えを
してみる等、家庭内でも気分転換や新しい刺激を受けるきっかけは
多々ありますから、まずは行動をするという気持ちを持つことから
始めてみては如何でしょう?

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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