【今日のポイント】

 人間、時間に余裕が出来ると却って何から手を付けたらいいか
そのことにばかり考えが集中し、実際の進捗はほぼゼロで終わった
といった失敗談は数多く見受けられます。

 夏休みの課題の消化に始まり、
長期連休前の連休中の計画まで、
いざ本番の時は惰性で過ごした経験は誰にもあるでしょう。

 同じ様にこのコロナ禍の中、
早めに手近なところから終活のスタートを始める
いい機会を得たと思うシニア世代の方は少なくないのですが、
いざ計画的に順調に終活を進めているという例は
非常に少ないのが実状でした。

 過去にも何度か身近な終活のスタートのススメを
書いてきましたが、連休前の今、改めて具体的で
ごく基本的な終活の活動について紹介したいと思います。

 

 

 

【1)虚礼の見直し】

 年賀状、中元、歳暮の見直しを始めましょう。
2021年現在で本当に必要なのか、惰性で続けてないかを見極めます。
例えば年賀状の場合であれば、まず2022年の年賀状にその旨を記載し
2023年の年賀状から出すのを止める、
 または年内中に「年賀状取り止め」の連絡を出します。
2022年の年賀状から欠礼する旨を早めに伝えておきます。

⇒ 確認した範囲では、最もやらなくてはいけないと認識されつつも
  最もやっていない項目でした。

  多くの場合きまじめにリスト化しようと構えてしまい
  社会人時代、学生時代、社内、社外の分類などに
  こだわったあげくに挫折するケースが目立ちました。

  今まで続けて来たからな~
  特に書くような内容もないのだが~
  顔が思い出せなくなったが~

  上記の様に続ける理由が積極的な理由でなければ即断で止めるべきです。

※全く皮肉なことに2年目に突入したコロナ禍によって
 却って消息確認で手紙等の連絡を復活させたケースが
 けっこうな数にのぼっていました。
 案外年賀状の見直しが来年あたりは復活するかもしれません。

 

 

 

【2)葬儀の連絡】

 一般的な優先順位としては、以下の分類が考えられます。

・葬儀を出す場合に参列して欲しい人
・参列は求めないが死亡連絡は伝えて欲しい人
・喪中連絡だけでいい人
・喪中連絡も不要な人

 とりあえず相手の住所、氏名、連絡先をまとめておきます。
手っ取り早いのは、最新時点でのやり取りの手紙をベースにすればよく、
今年の年賀状や季節のあいさつ状などが適当と思います。

 そのリストの中から上記の分類で仕分けしておけば終了です。

⇒これは当人にとっては死後の話で
 既に無関係なことにはなりますが、
 遺族への負担を軽減するためには欠かせません。

 ですが先の時候の挨拶と同様に、
 やらなくてはという認識と実行の間に
 大きなギャップがあるもの事実です。

 やはり変に細かいところまで考え出して
 迷路にはまり、中途で放棄という例が目立っていました。

 これも顔が思い出せる、
 今も昔も変わらない距離感を保っている
 といった積極的な理由だけを考えて絞り込みましょう。

 これこそ自分だけの独断で決めていい、
 もしくは自分で決めるべき項目です。

 

 

 

【3)住まいの確認】

 特に建売ではなく、土地を購入して家屋を建てた場合は、
隣接地との境界線の確定をしておくことが必要です。

 今の住まい以外にも、
空き家の実家や別荘などを所有する場合は
いざ売却時の隣家との思わぬトラブルを避けるためにも
特に必要な措置になるのです。

 これも遺される家族の為の備えの一つです。

⇒今は隣家との関係が良好であっても、
 子や孫の代も同じ保証はありません。
 中には既に境界線を挟んで問題があることは
 双方で確認済みでも、仲の良さが却って問題解決を先送りし続け、
 そのツケを子や孫の代で支払う羽目になるケースもあるのです。
 

 

 

【4)終の棲家の目安】

 最後まで自宅に住み続けるならば、
バリアフリーの必要性や介護ベッドなどの設置場所の想定、
耐用年数との関係での水回りや内外装の修繕やリフォーム時期、
費用の概算を想定します。

 実際に見積もりを出すのが最適ではありますが、
今ではネット上にリフォームの事例紹介などで費用概算が
掲載されている場合もありますし、施工業者のホームページで
見積もりを出せるサイトを用意しているケースもあります。
 まずは情報の入手からスタートするのも手でしょう。 

⇒今の健康状態が夫婦ともにいつまでも続くとは、
 だれも思ってはいないでしょうが、
 かといって具体的に将来像を考えているかと言われれば、
 これも覚束無いのが実情でした。

 

 

 

【5)特にひとり暮らしの場合は】

 まずは非常用の持ち出しセットを用意しておくことです。
入院時に備えて着替えや既往症のメモや常用薬とそのリスト、
保険証やかかりつけの病院の診察券、担当医の氏名など、
また加入している各種保険の内容(契約書や一覧表など)もまとめておきます。

 この他にも
保存水や携帯食、交換用のマスク、除菌スプレーなども
コロナ禍の現状では必須のアイテムになるでしょう。

 災害時を想定するならば、
他にもラジオや充電器、懐中電灯、断熱シート、
毛布、タオル、スリッパ、簡易トイレや包帯や消毒液、
目薬や胃腸薬などの市販薬も欠かせないアイテムです。

⇒阪神淡路、東日本大震災の直後は一気に認知度が高まり
 かなりの家庭で備えたようですが、その後中身のメンテナンスを
 継続しているという家庭はかなり少ないのが実状です。

 長期保存が可能と言っても水や携帯食料の賞味期限が切れたまま、
 薬品類も10数年放置のままでは効能は怪しくなってきます。
 ラジオは無傷でも乾電池はどうでしょうか?

 備えとは常に最適な状態の備品を常備しておくことです。

 

 

 

【6)保険の見直し】

 特にがん保険などは最新の治療は対象外
という契約内容の場合が多いので事前に解約、新たな加入を検討します。

 終身保険の場合は自動引き落としの場合が多いので
先の持ち出しセットに加入している保険の内容、支払い方法等も記載しておきます。

⇒中には加入していたこと自体を失念しているというケースもありました。
 これまで健康に過ごしてきたことの裏返しではあり、めでたいことなのですが
 いざという時に有効な保障が期待出来なければ無駄金です。

 これも緊急時の持ち出しセットと同じく
 今の自分に必要な内容なのかを常に意識しておく必要があります。

 

 

 

【7)保有口座の削減】

 個人的には最大でも2つの口座に集約し、
自動引き落としの契約をそれぞれの口座ごとにまとめます。
~公共料金、通販、会費、その他等
 
 年金の振込口座と公共料金の引き落とし口座は
出来れば統一しておくほうが確認も容易になりますし、
万が一口座の残高不足からの引落し不可でトラブルになる
といったリスクも避けられます。

⇒これは異動先で開設した口座を異動後もそのまま放置とか
 友人に頼まれて開設したままとか、
 口座を持つ積極的な理由がないまま復数口座を所有している
 ケースが目立っています。

 解約しても問題はないものの、
 引き落とし等で利用している相手先への連絡や
 新しい取引口座への変更が面倒と言った
 時間がとれないことを理由にしがちです。

 とはいえ、実際に今何の取引をどの口座で行っているかを
 質したところ、すべて把握していた方は皆無でした。

 自分ですらこれですから
 遺される家族が把握するのはより負担がかかります。

 自分の為にも、家族の為にも集約を図る事を検討すべきものです。

 

 

 

【8)銀行等の通帳を保管しておく】

 正確には
繰り越しした記帳済みの過去の通帳を保管するということです。
過去5年間の入出金履歴は取引実態の証拠となりますので、
相続手続きの際に確認を求められる場合があります。
最低5年分の繰り越し済みの通帳はまとめて保管しておきましょう。

⇒先に述べた口座の集約ともつながる話ですが、
 概ね5年間の履歴となれば少なくとも一行につき2~3冊にはなるはずです。
 保存の手間と紛失リスク軽減のためにも口座の集約化は必要でしょう。

 

 

 
 今回ここで採り上げた項目は
自分ひとりで今から取り掛かることが出来る事ばかりです。

 書斎に行って年賀状の整理から始めますか?
引き出しに入れっぱなしの保険証券を引っ張り出しますか?
何でも構わないので、まずは最初の行動を起こしてみませんか?

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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