【今日のポイント】

 貴方の強み、自慢出来るスキルや経験は何ですか?

 こう真正面から尋ねられて動じることなく堂々と披露出来る、
羨ましい限りですが、自信がある経験やスキルは貴方だけが
そう判断しているのではないですか?

 会社員時代の自己評価と人事評価のギャップ、
採用面接時の面接官のシビアな判断など、
自分に自信があるときほど、陥り易い事例を紹介しました。

 

 

【輝かしい武勇伝の講釈】

 前回のリモート面談の注意点でも
このチェックポイントについて触れていますが、
対面でも同じで思ったほどの「評価」に繋がっていない事が
少なくありません。

 特にシニア世代の方の「往年の武勇伝」は要注意です。

「簡単に履歴をお話下さい」と念押ししているにもかかわらず、
若い頃にいかに自分は会社の為に滅私奉公してきたか、
どれだけの利益を出してきたかからスタートし、
その結果として今の地位に就けたと。

 ですが面接官が知りたいのは
「だから、今何をしたいのか?」
「その経験をわが社でどう活かせるのか?」
「具体的な貢献は出来るのか?」

 面接官は
「武勇伝のその次」
「過去ではなく今のあなた」
を知りたいのです。

 まだ20代、30代の第一線でバリバリ働ける現役世代なら
まだしも、既に50代であればその経験を次のステップアップに
どう活かしているか?活かしたいと思っているかを
続けて話せる方は少数派だそうです。

 

 

【すべてはキミのことを思って】

 この事例は前職の会社の人事担当者の話です。

 定期的に実施されていた管理職面談の際に、
部下への指導についての面接で出た話です。

「これはキミの為になることだから言っているんだ」
「君を評価しているからこその苦言なんだ」
「君だから、あえて親身になって指導しているんだ」

 他にも類似例として、今の部下や同僚が
「絶対に為になる、有益な私の経験談を聞きたがらない」

 自分は指導役の管理職として
時に耳が痛い話をあえて口にする、
それが部下の成長の一助と考えてのものであり、  
愛のある指導」が出来る管理職という自負が見て取れたそうです。

 ただ反面調査で部下との面談時に出た言葉は、
相手が誰であろうと毎回同じ「訓示」を繰り返すだけ、
結局は「自分の成功体験の押し売り」という捉え方だったそうです。

 時代も違い、相手も全く異なるという事実を知ってか知らずか
判で押したような「硬直化したアドバイス」では指導とは言えません。

 残念ながらこの方の評価としては
「話が通じるように具体的にどう努力・改善を図ったかの話が出てこない。」
 最終的には
「現状を正確に把握していないままの指導ではないか?」
「言えば言うほど指導力の無さをさらけ出している。」

 自分では十分務めを果たしていると思っても
第三者から常に同じように見てもらえるわけではないのです。

 

 

【風通しのいい職場作り】

 これも前項と同じく管理職面談での話です。

「ウチの職場では上下関係なくワイワイガヤガヤ
活気あふれる職場でした。
私が着任して以降率先して雰囲気改善に努めた結果です。」

「チームリーダーとして欠かせないスキルと、
自信をもって言えます。」

 これは部門を問わず、よく聞かれた言葉で
「貴方が管理職として自慢出来るスキルは?」という
問い掛けに対しての回答です。

 ですが、これまた残念ながら人事や労働組合の調査の結果では
そういった声があがることはごく稀だったそうです。

 時間に関係なく一方的に雑談に巻き込んだり、
ノッている部下の仕事の腰を折るタイミングで
どうでもいい話を持ちかける等など、
自分にとって風通しがいい職場に「改悪」しただけのようです。

 例えば具体的に前任者の時と比べて、
就任後の部署の実績はどう向上したか、
労組の調査等で部下(組合員)から明らかな
職場の環境向上になったという高評価は出たのか?

 ここまで徹底した結果としての(自慢の)スキルという
回答はほぼなかったとのことでした。

 

 

 

【部下の功は指導の賜物】

「あのプロジェクトの成功も私の指示をよく守ってくれたから」
「私のバックアップ無くして成功は考えられなかった」

 これも面談時に管理職としての実績を話してもらう際に
多く出てくる回答だそうです。

 ですがこれもよく話を聞くと、
業績を上げたのはひとえに部下の創意工夫、努力と粘りの結果であり、
管理職として具体的な指示をしたわけではなく
一本調子の叱咤激励に終始していただけ
というのが実態というのです。

 それどころか第三者からの証言では、
部下への指示が二転三転していた。
いきなり前言撤回したことが何度かあった。
余計な干渉をしなければもっと早く達成出来たはず。
といった対極の評価のケースというもあったようです。

 

 ここまで来ると滑稽にさえ見えてきますが
本人は固く信じているので、その場では相槌を打つしかなかった。
という面接官の声が強く印象に残っています。

 

 

 

【未だトップセールス】

 前記した例と重なる部分もありますが、
「今でも自分が最後は出て行かないと話がまとまらない」
「まだまだ若い連中に全ては任せられない、こまったものです」

 まだまだ自分は現役(以上?)であり、苦労が絶えないと
苦労自慢なのか未だ現役というアピールをしたいのか、
特に管理職になりたて、またはまだ就任して日が浅いケースに
目立つ特徴のようでした。

 これは管理職面談でも再就職の採用面接でも、
共通して出てくる自己PRだそうです。

 よく啓発本で言われることに
「課長になったら部長の視点を持って仕事するように」がありますが
ここに挙げた事例は真逆のパターンで、
「課長なのにスーパー係長の視点でしか仕事が出来ない」のです。

 当人は「管理と営業の二刀流」と自負しているようですが、
実際は「課長の任を理解していない」と見做されるのでは
却って口にしない方が得策、ということになります。

 自分ひとりが出張るよりも
2人、3人、4人の部下を育成・指導して一人前にする方が
会社にとってもより利益を生む結果に繋がります。
それが自分ひとりで挙げる目先の実績よりも高い評価に繋がること。

「過去の実績が華々しい人ほどその立場から抜けられない。
次のステップで一から始めることに腰が引けてるのか?」

 ここでも双方の視点の違いに驚くばかりです。

 

 

 

【詰めが甘い?自己評価】

 ここではあえて部課長クラスの
管理職経験者の事例に絞りました。

 正直な話、
私でもつい言ってしまいそうな実績や履歴の紹介だったのですが、
ベテランの人事担当から見れば、言葉のやり取りの中で
こういった見方をされるのかと衝撃を受けました。

 ここに挙げた事例の注意ポイントは
「甘い自己評価」は控えるべし!です。

 言葉にすれば誰にでもわかることなのですが、
なぜか肝心の場でその戒めはすっかり抜け落ちるようです。

 今や50代、いや40代でも
再就職の門は狭き門、高き門となってきています。

 同様に社内での人事評価の際にも、
人員構成比の高いシニア世代は評価の良し悪しの理由を
それこそ重箱の隅をつつくように見出そうとします。

 特に、
即仕事に通用するようなスキルや資格を保有している訳でもなく
自身を客観的に評価も出来ない自己陶酔型のままでは
社内での評価は無論のこと、より厳しい選別が行なわれる
採用面接の場では容易に見透かされます。

 

 ブログタイトルにも書いたように自信家ほど
過去の実績や成功ノウハウに過剰な自信を持ち、
どこでも通用すると思いがちです。

 ここに挙げた自己評価が全て役に立たないとは言いませんが、
万能の切り札ではないという事、相手によって、状況によって
同じ経歴や実績を紹介する際に見せ方や見せる順番を臨機応変に対応出来るような
一歩進んだ自己評価の方法を体得してもらいたいものです。

 

 現役の採用担当者や人事評価の責任者との対話の中で
私の結論は上記のようになりましたが、貴方はどう感じられたでしょうか?

 

 

 

【番外編:職歴や年収が最優先?】

 最後は今までの事例とは一線を画しますし、
ブログのタイトルとも連動しないものです。

 どちらかと言えば
さほど自信のない方が口にすることが多いようです。

 脱サラ~独立開業の際でも目にすることが多い
NG事例です。ここでは私の経験事例から紹介します。

 既に在職中に複数の資格を取得しており、
士業として起業・独立を目指す方でしたが、
相談の第一声が「この仕事で年収はどのくらいになりますか?」
「会社員時代並み収入を得るにはどういった業務をしたらいいでしょうか?」
でした。

 なぜそんなに収入に拘るのかと問い質したところ、
「住宅ローンがあと15年残って」
「大学生の子が2人いるから」とのことでした。

 まず収入ありきでの起業として士業を選択すること自体が
情報不足、ほぼ無計画ということが分かりました。

 次の質問も更に迷走したものでした。
たまたま私が脱サラ開業の先輩ということで相談したようですが
「なぜ独立をしたのか?」「どんな経歴の持ち主でしたか?」といった
自分の起業にはほぼ無関係の内容に終始し、自分の考えや意思については
何も話さずじまいで終了となりました。

 職歴が同じなら成功するとでも思ったのでしょうか?
最後まで的外れな質問に終始したため、こちらも対応に苦心しましたし
実のある時間を与えられなかった徒労感だけが残りました。

 後日、他県の知り合いの他士業の事務所にも同じような相談者が
出向いていたことを知りましたが、どうも同一人物だったようです。

 再就職の面談の場でも
このような質問を最初にしてくる「強者」もいるようですが
殆どこの時点で面接官は「×」からのスタートとするようでした。

 あえて理由をここで説明する気もありませんが、
なぜこれがダメなのかは十分認識出来ると思います。

 

 今回の事例、他人毎と思わず、
自分にもこのような要素がありはしないかを
改めて確認することを強くお奨めします。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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