【今日のポイント】

 私と同様に、個人事業を営むおひとり様から相談を受けました。
まだ50代になったばかりで健康だけは自慢出来ると言ってた矢先に
軽い脳梗塞を発症したのです。

 幸い後遺症もなく復帰はしたのですが、
事務所や自宅で一人の時に万が一の事態になったら
周囲にどんな迷惑をかけるのか?
それを最小限にするためにはどういう備えが必要かを
相談されました。

 今日はその時の話を基にまとめてみました。

 

 

【各種の契約への備え】

 例えば賃貸物件を利用している個人事業者の場合、
家賃は自動引き落としとしているのであれば、
連絡をしなければ口座に残高がある限り引き落とされます。

 特に相続人のいないおひとり様であれば
何かあった時の行動はどうしても遅れがちになります。

 私の場合ですが、
レンタルオフィスの契約、
ブログやコラム等のSNSの契約、
事務所や自宅でのプロバイダ契約に
通信各社との契約等,

 あっという間に五指に余るほどの
自動引き落としの契約が出てきました。

 この中の何社かに上記の場合(契約者急死)
の対応について問い合わせをしたところ、
相続人からの契約解除についての手続きも
完全なフォーマット化はされていませんでした。
 ましてや相続人のいないおひとり様の場合では
全くの第三者が解約手続きをする際のマニュアルは皆無でした。

 まだまだ契約している個人事業者の年齢が比較的若く
死という前提が考えられていないようでした。

 この中で双方で共通した認識に、
契約の際に「緊急時の連絡先」として親族や
同業者名を記載するものがありました。

 契約者死亡をこの緊急時の連絡先の人物が
代理人として契約先の各社に連絡、相談をすることが
現時点では最もスムースに手続きに入れるということでした。

 やはり事前に確認の取れていない第三者からの電話連絡だけで
即解約、という手続きに入るのはほぼ不可能とされてます。

 例えば悪意のある第三者が勝手になりすまして
事務所契約やプロバイダ契約を解約するリスクを
無視出来ないとのことでした。
容易に応じた場合、契約先の会社の存続にも影響が及ぶというのも
あながち大げさではないからです。

 このような観点からも、
「安易に伝言を頼める程度」の気持ちで連絡先を決めるのではなく
もしもの場合の迅速な手続きを前提とした信頼に足る人物を
選ぶべきと思います。

 契約という範疇で考えれば、
私の仕事の場合、相談者や受任契約の相手に対して責任が生じています。
何かあった場合に速やかにその旨が相談者や契約者に伝わるような
仕組みを講じておくことも欠かせない備えと考えています。

 

 

【自分の介護への備え】

 介護の前に、まずは「かかりつけ医」の確保です。
おひとり様の場合はまず地元の「地域包括支援センター」
を確認することをお薦めします。

 簡単な紹介ですが、全国に5千か所以上あり、
介護や医療を始めそのエリアで受けられるサービスを知る事が出来ます。
介護が必要になった場合もケアマネージャーが常駐している為
介護保険の申請時にも頼ることが出来ます。

 今は健康という場合でも、いざという時の為に、
早めに自分の暮らすエリアの
地域包括支援センターを知っておく
ことは損ではないでしょう。

 他にも「社会福祉協議会」も知っておくべきでしょう。
ここでは食事や入浴、外出時の補助や買い物代行等の生活支援サービスを
依頼することが出来ます。 
案件によって費用は発生しますが自分で無理をしなくても
依頼出来る施設を知っておくことは、これも損ではないはずです。

 既に病気を発症したり怪我などで自宅暮らしに不安があるのであれば
介護施設の目星を付けることも必要になってきます。

 出来るだけ自力で見学が可能なうちに
ある程度の数を実地見学することです。
 
 アクセス面、設備、部屋の広さ、スタッフや入居者の雰囲気など、
自分でなければ判断しようがない条件の選択をすることが
後になって悔やむことがない為の最大のポイントです。

 

 もうひとつ、50代、60代と言えども認知症の可能性はあります。
おひとり様では発症後には自分ではどうにも出来ません
任意後見契約についても検討する必要があります。

 相続人や親族がいないおひとり様であれば、
余計事前に人選を済ませ折を見て任意後見契約を相談することも
忘れてはいけないポイントと言えます。

 

 

【財産目録の作成】

 これは自分の為というよりも、遺された関係者への配慮と言えるでしょう。
相続人や債務者等、財産目録があれば各種の手続きが容易になることで
余計な負担をかけずに済むことが目的となります。

 マイホームを所有しているのであれば
固定資産評価証明書を取得しておくことで自宅の評価額が確認出来ます。
空き家の実家を所有しているのであればその旨を記録しておき、
名義人を特定しておくことも必要です。

 同様に自己所有の預貯金や株式の一覧を用意します。
改めて自分の財産が把握出来ると、どういう使い方が最適かを考えるきっかけにもなります。

 相続人がいないおひとりさんであれば、
例えば賛同するNPOへの寄付や遺贈する相手の検討を始める事も
いざという時に有効な備えと言えます。

 

 

【他人の為だけにあらず】

 「どうせ身内には迷惑をかけないのだから」
「自分の死後のことにそんあ気配りする必要があるの?」

 確かに、いくら万全な備えをしたとして
その結果を見ることは叶いませんし、
「なにもしないまま逝ってしまって」といった
周囲の悪評を聞くこともありません。

 だったら何もしなくてもいいじゃない?

 ですがここに書いたような備えをすることで
今の自分の生活の見直しが図れることも事実なのです。

 各種の契約もよく見れば惰性で続けていたものがあったり
見直しの結果、契約は継続すると再認識したものでも
契約数量が現状にそぐわなくなっていたことに気付くことも
少なくありません。

 死なないまでも病気や事故に遭った際の公的な生活支援の有無や
緊急時の相談先を把握しておくことは何かと心強いものです。

 財産目録を作成することも同様で、
今や自分にとっては不要なものをあぶりだしたり、
意外な「価値ある財産」を再発見したりと
今の生活にメリットとなる効果もあります。

 夫婦や家族が同居している場合は
ある意味「外圧」からの行動開始が期待出来ますが
おひとり様はただただ「自分の決心」に頼らざるを得ません。

 「まだ自分には起こらない」「だから備えなくていい」
ではなくて、
 「まだ起こっていないから」「今のうちに備える」
といった姿勢をとることが「おひとり様のすべきこと」
ではないでしょうか?

 

 

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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