【今日のポイント】

 2021年も2週間が経過しました。
残念ながらコロナ禍に収束の気配すら見えていない新年を迎え、
社会情勢も不安定要素が拡大を続けています。

 新年最初のブログが明るい話題で飾れないのは
不本意ですが、昨今のシビアな転職状況についてから
始めたいと思います。

 

 

【データから見える実態】

 総務省の「労働力調査」によりますと、
転職者の数は年々増加の一途を辿っています。

 2010年からは9年連続で前年超えの右肩上がりが続き、
2019年には過去最高の351万人が転職していました。

 コロナ禍の影響で
昨年2020年は安定志向が復活したのか、
転職増加傾向はいったん止まったものの、
大手企業の早期退職勧奨の増加に伴い、
昨年の後半から再び転職者数は微増に転じています。

 次に厚労省の「賃金構造基本統計調査:2019年」
によりますと、従業員1,000人以上の企業では
管理職の構成比は全体の24%
課長級の管理職の70%以上が45~59才
という調査結果が出ています。

 企業としては
人件費の削減と年齢構成の是正(若返り)の両面から
シニアに対しては厳しい判断を下すのは避けられない
という状況と認識しています。

 また社員の側も同じ様に
今後の会社の業績に不安を覚えたり、
新しいワークスタイルに対応出来ない、
または未だに対応しないような会社の行動力のなさ
疑問を覚えたりもしています。

 さらに一律の賞与・給与のカットに不満を持つ
実力(スキルやノウハウ)ある社員(管理職)は
早期退職からの転職を真剣に検討した結果として
転職者数の微増に繋がったと言えるでしょう。

 

 

【転職の動機は】

 コロナ禍によって現在の事業の継続が難しい企業と
なお持続的な成長が見込める企業の差は明確になり、
その選別が転職を意識する最初の要因であることは
大きな特徴のひとつです。

 さらに
今までの転職動機の中で大きな要因だった
自分を評価しない今の会社を
ライバル社に転職して見返してやる!
新しい会社で真の実力を発揮する!
といったいい意味での反発心や向上心からの転職志望よりも、
この時代で安定的・長期的に働ける事業に携わる企業を目指す
という動機もコロナ禍における特徴と言えるでしょう。

 もうひとつの動機としては
回を重ねるごとに下がる早期退職時の割増退職金額です。

 ある企業では3年で割増額が半減以下になった事例もあります。
待てば待つほど、貰えるものも貰えなくなっている。
ならば、少しでも取り分が多いうちに踏み切るという風潮も頷けます。

 

 

【転職の現実は】

 但し、シニア世代の転職は
非常に高く厚い壁であることは間違いなく
転職市場ではほぼ40代半ばまでが対象
というのは残念ながら事実です。

 仮に長期安定を優先するのであれば、
年収はいくらまで減収してもいいのか?
その境界線を事前に確定しておくことは
転職活動前に必ず決めておきたいものです。

 現状、私の調べた範囲では、
求人の多くは「即戦力で」デジタル化や構造改革を実施できる
スキルを持ったシニア世代を対象としていました。

 こう言うと技術・理系のエンジニアだけしか
求められていないように思われがちですが、
これだけではなく、社内各部門の橋渡しや調整役を担えるような
シニア世代を求める企業もあるのです。

 構造改革は何もデジタルスキルだけで出来るものではなく、
業績急伸で、社内体制が追いつかない新興企業等は
早期に社内構造の見直しや構築を担える人材を確保したいのです。

 ただ皮肉なことに、この手の業務に長けたシニア人材は
はなからこの手の新興企業は「肌に合わない」かも
と、自身の思い込みで最初から対象としないケースが多いのです。

 求人側はウチのような新興企業には
経験あるシニア世代は来てくれないかも?

 求職側は自分のようなシニアでは
若い年代とうまくやっていけるか?
特に年下上司に今更仕えるのはどうも…

 このように
双方が勝手にミスマッチを想定し、
せっかくの転職の可能性を自ら断ってしまっているのです。

 先日久しぶりにハローワークに出向いて
現状の求人実態調査を行いました。

 様々な業種で求人が復活していました。

 金融やメーカー、商社と言った
従来型の企業も募集を再開していますが、
求める人材の条件の多くは、
ITに長けた、構造改革のリーダーシップが取れる人材
となっていました。

 従来の管理職のような
実務は部下に、管理は自分というスタイルで
既存の仕組みの中で最適解を導けるだけの人材は
もはやどの職場でも居場所がないということです。

 

 

【転職成功者はどこできっかけをつかんだか?】

 以前別の記事にも書いたのですが、
意外に多いのが知人や友人の伝手、でした。

 それも元の会社内の人脈ではなく、
取引先や趣味のサークル、なかには奥さん同士が仲が良く
その人脈から思わぬ出会いをしたという事例もありました。

 従来は以前に転職・再就職した元上司や
同僚の伝手というのが目立っていましたが、
ここもコロナ禍によって
彼らの転職先も経営不安に陥っていたり、
社内抗争の渦中にあったりと
最近は後輩の転職に手を差し伸べるケースが減少気味です。

 以前の部下、同僚であっても
今は我が身の安全・保身が大事となれば
確かにそれどころではないでしょう。

 最も件数で多いのは
やはりハローワークでした。
ヘッドハンティングは数えるほどで、
ドラマのような転職話は多くの一般人には無縁の話です。

 

 他には専門の求人サイトへの登録や
転職エージェントに仲介を依頼する方法もありますが
一社に全面依存するのではなく、
複数にエントリーする積極的な活動をした方が
よりいい出会いに恵まれることは言うまでもありません。

 中には元の同僚が一足先に転職した
就職(人材)斡旋会社に義理立てし、
他の会社に依頼しないという方がいましたが
自分の将来の為に、義理立てする必要は全くありません。

 自分にベストの出会いを導いてくれる相手を探すなら、
多ければ多いほど確率は高まります。

 

 

【転職の為に必要なものは?】

 ズバリ、在職中の時間の使い方でしょう。

 特に昨年来のコロナ禍によって
一般化したと言えるリモートワークによって
残業や通勤時間の時間枠が無い勤務形態の下で
その時間をどう使うかで大きな差が生じるのです。

 自由になった時間をどう使うか?
とりあえず今までの職務履歴をまとめる?
自己分析(強み、弱み等)を始める?

 別に転職希望の業界研究や
具体的な企業の選定でも構いませんが、
その前にこういった基礎的な行動を始めていれば、
既に転職活動を始めたと言えるでしょう。

 自分自身を客観的に説明できれば
先に挙げたハローワークを始め、
転職サイトやエージェントも
より具体的な転職先を早い段階で
イメージしやすくなります。

 転職先へのアプローチは
問答無用の早い者勝ちですから
事前の準備の良し悪しによって
大きく明暗が分かれることもあり得るのです。

 変化への順応性、適応力はどの程度か? 
人並みか、人並み以下か、人並み以上か? 
差別化出来る専門スキルは持っているか?
培ってきたノウハウは今の時代に通用するか?

 以上のような自己評価とアピールポイントを
明確に打ち出せるようになっていること。

 逆の見方をすれば、
この程度の自己整理や準備が出来ていなければ、
現時点での転職には向いていないと思います。

 より大切なことは、
どの程度の覚悟=真剣味を持っているかです。

 転職花盛りのトレンドに合わせただけ?
知人・同僚の成功例に便乗したいだけ?
無責任な雑誌や書籍の記事に刺激されただけ? 

 当然ですがこのレベルでは挫折は必至です。

 今までが9時から17時までの勤務でも
新しい職場は早朝、又は深夜の時間帯の勤務かもしれません。

 または自宅仕事が基本で
時間管理は自分が決めるような
新しい勤務体系が恒常化するかもしれません。

 更にはデータ検索からコピペ、
文章構成からレポートの完成まで
すべて自宅で自分一人で行うのがスタンダードな
個人事業主的なスタイルかもしれません。

 更には部下や同僚、上司との連絡や報告等は
全てリモートが基本で、対面の機会は月に一度か二度、
極論すれば「引き籠り勤務」通常の勤務体系ということも。

 こういった今までになかった
新業態に応じられるスキルと柔軟性、
迅速な適応力がなければ、
これまた現時点での転職は止めるべきだと思います。

 

 

【2021年以降に求められるもの】

 貴方が今年中の転職を真剣に考えるならば、
以下の動向を正しく認識しなくてはいけません。

 今後5年間は、団塊ジュニア世代が
転職・再就職市場に毎年百万人単位で増加するということ。

 年々退職優遇制度は形骸化、
割増退職金もいつまで支給されるか不透明になること。

 これが2020年代の就職(転職)環境だということを
まずは自覚することです。

 例えば営業職の場合では、
ひとつの業務一筋というよりは
いろいろな営業部門を経験している方が
得られるノウハウやスキルは多くなります。

 一昔前なら、
出世レースから外れたと見なされる出向経験も
今となっては貴重な経験として却って強みになる時代です。

 無論、如何にその場で業績を残せたか、
独自のノウハウやスキルを体得してきたかが
転職時に有利に働くポイントになりますが。

 加えて出向の場合では
今までとは違う社風、仕事の進め方を
経験することが出来ます。

 今までの勤め先なら当たり前の業務や進め方が
出向先の新職場では斬新な提案になることも。

 違う視点、違うアプローチを持った人材は
これからは特に貴重な存在になり得るのです。

 事実、出向ではありませんが
そう長い担当期間でなかったにもかかわらず、
親身になってのサポートと社内にない視点や発想に
担当取引先が当社にとって得難いスキルの持ち主として
熱心に勧誘され、見事転職を叶えた例もありました。

 

 最後になりますが、
2021年以降に新たに求められるスキルがあります。

 コロナ禍の下、中途採用の面接も
リモートでテレビ画面を通して面接官と
やり取りをする形態が常態化しています。

 画面の向こうに複数の面接官がいたとしても
リモート面接では1対1のやり取りになる為、
他の面接官の反応が見えません。
対面式であればその場の空気が読み取れるものの、
それが出来ない中でどう自分をアピールするか?

 自身の強み、差別化出来るポイントを
画面を通してどれだけ訴求出来るか?

 新しい面接の対応について事前に考慮しておかないと、
不完全燃焼のまま面接を終了し、残念な結果を迎えることになり兼ねません。

 もしかすると、
コロナ収束後の社会でも

リモート面接、リモートワークは
一般化し、定着してしまうかもしれないのです。

 これ以外にも、
今はまだ表面化していない
全く新しい仕事のスタイルも
出てくるかもしれないのです。

 全てが初めての取り組みであることに
しり込みしない積極性と好奇心こそ、
転職に向けての第一歩と言えるでしょう。

 

記事が参考になった方はクリック投票お願いします

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へ
にほんブログ村 士業ブログへ

投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
コラム「マイベストプロ東京」
行政書士の寺田淳がマイベストプロ東京で相談受付中
独りで思い悩むより「相談」から始めてみませんか?

まずはお電話で! TEL 03-5157-5027 月~金 10:00~19:00(土日は要事前予約)