【今日のポイント】

 このブログでは今までシニアの再就職や転職について
その時々の背景や業界の推移などを紹介してきましたが、
昨年から続くコロナ禍で大きく事態は変わりました。

 その中で私自身が定期的に行ってきた
ハローワークでの求人・求職の動向について
コロナ禍になって初めて紹介したいと思います。 

 但し、以下に紹介した内容は今年の11月時点のもので、
12月から1月にかけて、さらに状況が変わっていく可能性があります。
 その点はついてはご了承願いたくお願いします。

 

【担当者の言葉から】

 複数の窓口の担当者から聞けたのが、
「相談者は概ね3つのパターンに分類出来ます。」
という言葉でした。

 まず1番目は、
履歴もスキルも十分現役で通用するほどのレベルで、
まさに即戦力タイプ、逆に言えばなんでこんな方が
わざわざここにに来るの?というほどのケースです。

 「そういう方ほど、
より慎重に募集要項等、不明点について
的確な質問をしてきます。」

 さらに、このタイプの場合、
窓口に出向いてくるのは殆どが1回限り。
当然、一発で即採用決定ということなんででしょう。

 2番目のケースは、
対極の立ち位置のケースです。

 とにかく明日からどころか今からでも働きたい!
でもスキルはこれと言ってない、それも自覚していて
単純労働や肉体労働の仕事も厭わないといったタイプです。

 「意欲というか熱意はすごいですね
こういう方もその手の会社からは引く手あまたで
けっこう高齢の方でも早々に再就職が叶ってます。」

 3番目のケースが、
一番の問題ケースでした。

 多くの方が、以前はそれなりの会社や
上場企業に勤めており、さらに多くは管理職経験者です。

 今まで会社の看板で仕事して、実績を上げていたのに
自分の能力と思い込んでいる、勘違いしている、
あるいはそう信じたいといった人です。

 当然プライドは高いがスキルは低く、
単純労働(の求人)は完全スルーですし、
高望みの募集にしか興味を持ちません。

 おまけにフルタイムの正社員であることが絶対条件です…

 この手の場合は多い人だと
月に10回は相談に来るとのことでした。
週一以上のハイペースです!

 

 以上の聞き取りは、
実は昨年の11月前後から定期的に聞き取りを始めていたもので
ほぼ1年が経過した今年の時点でも大差がない状態でした。

 多少の差異が生じてはいましたが、
1番目の優秀グループは全体の10%未満、
3番目のグループが全体の10%超でした。
そして残りの80%近くが問題ありの2番目でした。

 担当者の話では
コロナ以前もこの比率はさほど変化しておらず、
コロナ禍による影響はそう感じてはいないとのことでした。

 但し、大きく変わったのは
求人する企業の数や業種であり、

求人者に求めるスキルだったそうです。

 

 さて、私の事務所に相談に来られる方は
これまたコロナの影響に関係なく、ほぼこの2番目のグループです。

 

【コロナ禍の変化】

 以前の相談者の多くは、
やりがいや生きがいを優先すると答える方と
自分のポテンシャルを活かせる分野で今の会社を見返したい
といった想いを抱く方が多かったのですが、
最近は、まずは収入の確保を優先するという要望が増えてきました。

 とはいえ、現実はシビアです。
東京都の調査ですが「高年齢者の継続雇用に関する実態調査」では
一般的に以前と比べ70%前後の給与にダウンしています。

 さらに言えば
このうちの約35%は50%前後の収入=半減になっているのです。

 仮にフルタイム勤務の正社員で採用されても、
収入の面では当初の希望とは大きな乖離が出てしまいます。

 では収入を優先するのであれば、
正社員よりは業務委託で複数の会社と仕事をするという選択があります。
無論、それにこたえられるスキルやノウハウがあればの話ですが。

 

 また、多数派を占める第二のタイプに
共通して言えることの一つに
「与えられた仕事は全力で取り組みます。」があります。

 ベテランのシニア再就職者に
わざわざ会社が指示を出すほど今の会社は余裕がありません。
 それどころか自社の足らざるを見出してくれて、
その課題の解決には自分のこういった経験が活かせる、
このスキルで処理が出来る、提案が出来るといった
自己プロデュース力が求められることになります。

 偶然の一致でしょうか?
先に挙げた担当者との話の中でも
自分のこのスキルを活かせる仕事は何でしょうか?
どこか募集している会社はないでしょうか?
という能動的な姿勢の方はコチラとしても
具体的に紹介出来る情報が決めやすく、
結果的に話は早く進むとのことでした。

 
 今回の話は
どちらかと言えばもはや50代ではなく、
40代の方に特に意識して欲しいものです。

 40代のうちから
週末起業や、会社が許す範囲での副業を経験することで
安定収入を確保している間に別のスキルを磨き、
経験値をあげておく機会を得ることになるのです。

 この差はその後迎える定年の時に
大きく出てくることは間違いないことと思います。

 

【具体的な事例】

 ここでは聞き取りや私が遭遇した実例を
何件か紹介したいと思います。

 

ケース1)
 長年営業職を経験、退職時は統括部長。

 会社の規模には固執せずに、
小規模な新興企業の営業職に絞っての相談。

 自身の強みとしてアピールしたのは、
営業職の頃に培った営業の適性の判断力。
~どの部下にどの取引先を任せたらいいか?
~よりプレゼンに適した人材は誰かなど。

 最適な組み合わせを判別するスキルを買われて
イケイケ営業からの脱却がうまくいかず
壁にぶち当たって試行錯誤していた新進の成長企業と
出会うことになりました。

 結果としては彼の経験則を人事に活かすことを
会社側が希望し、営業人事、社員教育の部門での再就職となりました。
第一希望ではなかったものの却って適職に就けたことになりました。

ケース2)
 入社以来ほぼスタッフ業務、総務経理に従事してきた課長職。

 前職に固執せずに以前より小規模な同業社の
さらに一般営業の募集に応募。

 その会社も成長途上の段階で
予想以上の業務拡大、急成長に社内組織が追い付かず
未だに就業規則も未整備に等しく、
福利厚生なども不十分なまま放置されてきてました。

 営業として再就職を果たしたものの、
入社後に自分の経験を紹介し、お手伝いのつもりで
いっとき営業見習い兼就業規則作成支援の二足の草鞋に。
 その後も人事考課表の策定等、社内体制の整備が続き
その結果、最終的には元の業務と同じ事務職専任になったそうです。

ケース3)
 メーカーで総務系の業務を長年経験の中堅社員。

 積極的な求人を行っていたデイケアセンターに再就職。
ここもまた発展途上の新興企業で成長に追いつけずに
人事マネジメントに問題を抱えていました。

 当初は先の事例同様に営業職での再就職だったものの
入社後の自己アピールが功を奏して
1年後には営業管理部門に異動し、人事評価システム等を構築、
その結果、僅か3年で施設長代理にまで昇進しました。

ケース4)
 元はメーカーで新人教育や研修業務を担当。
趣味も兼ねてWeb研修などの開発にも従事していたことで
従来は対面での研修会を任せられていたものの
リモートワークに対応する社内体制の構築を任せられることに。

 その成功によってリモートワーク運営の責任者となり
定年後はその業務を請け負う新設の子会社のトップに就任し、
系列会社から取引先でのシステム構築を請け負っています。

 このケースは趣味(特技)が成功の要因となった珍しい事例でした。

 

 言うまでもなく、
このような成功事例はレアケースの部類です。
コロナ禍の中、再就職の為にはWebスキルが欠かせない、
この手の資格保有者は引く手あまたといった情報が
各種のメディアで採り上げられています。
~ケース4はまさにこれでした。

 とはいえ、残りの3ケースでは
自身の源である業務経験から身に着けたスキルやノウハウを
活かせる場を新しい会社や職場で見出し、成功を手繰り寄せてます。
必ずしもWebのスキルが必須というわけではなかったのです。

 個々の事情によって、中途採用の優先順位は異なります。
どうか世間の噂や情報だけを鵜呑みにせずに地道に情報収集を続けることで
ここに挙げたような貴重な出会いが貴方にも訪れるかもしれません。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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