【今日のポイント】

 人生100年、生涯現役の掛け声を裏付けるように
シニアを対象にした起業支援策が注目されています。

 知らないよりは知っていたほうがいい各種の支援策について
簡単に紹介すると共に、安易な起業の決断の問題についても
触れてみたいと思います。

 

 

【シニア起業の実態】

 以下のデータは2019年度に
「日本政策金融公庫」からの融資を受けて起業した人
を対象としたものですが、
これによると50才以上で起業した人の比率は、25,7%を占め、
起業時の平均年齢は43,5才となっていました。

 これに自前資金だけで起業した人や
他の支援策を受けて起業した人を加えれば、
もう少し年齢は高まると思われます。

 平均の開業資金は1,055万円で、
ここ数年は年齢とは反比例で、減少傾向が続いています。

 初期費用が減少傾向にある理由のひとつとしては
ネットビジネスの普及やIT化の進化によって
職種によっては事務所を借りる必要もなく、
過剰な在庫を抱えなくてもいいケースがあり、
以前の様に初期投資に多額な費用を必要とすることのない
起業事例が増えてきたことが挙げられています。

 

 

【起業支援策】

 肝心の日本政策金融公庫から融資を受けた方が利用した
支援策とは「35才未満と55才以上の人が対象」となる
「女性・若者・シニア起業化支援資金」という融資制度です。

 年齢以外の条件としては

・新たに事業を始める、又は事業開始後7年以内の人であること。
・融資の限度額は7,200万円で、運転資金の場合は4,800万円。

 

 この他にも、例えば東京都の支援策として、
「女性・若者・シニア起業サポート事業」があります。

 こちらの対象も、シニアの場合は55才以上
融資額は最大で1,500万円となっています。

 この場合は融資だけでなく、
資金計画の相談や開業後の販路開拓などの助言も受けられます。
資金繰り以外にも起業後の経営のアドバイスが必要と思われるなら
一度相談してみてもいいでしょう。

 

 さらに厚労省では
「中途採用者支援助成金・生涯現役起業支援コース」が用意されてます。

 こちらは融資ではなく、返済の必要がない助成金で、
40才以上で起業して、中高年者を採用する場合
採用に関する費用の一部を支援するもので他と比べやや内容は異なります。

 

 この他補助金制度の場合は、
一般的には後払いが原則なので
事前に申請し、審査を受けて認可されることが前提で、
当初は自前の資金で運営しなくてはいけません。
この点は注意が必要です。

 

 

【起業に向けて】

 残念ながら起業後の採算、収支で
「赤字基調」はシニア起業の方が高く
50才以上で平均40%台、これに対して
40代以下では高くても30%台以下となっています。

 普通に考えれば、
人生経験が豊富で、勤務年数が長いシニアの方が現実に即した
堅実な経営をするため、赤字も短期で収拾できると思いがちです。

 ですがこの結果から見ると、
シニアの場合、この起業で第二の人生を全て託すというよりは、
子供は独立し、ローンも完済で、起業の理由が小遣い稼ぎであったり、
社会とのつながりの確保を優先するといった生活に支障のない範囲で
運営しているという、余力を残しての起業の為というのが実態のようです。

 いわゆる「週末起業」タイプが多数を占めるのではないでしょうか?

 

 これに対して、40代以下の若い世代では
未だ子供の教育費や生活費、住宅ローン等の
切迫した事情を抱えての起業であることが多く、
一刻も早い黒字化を目指しているからと言えます。

 

 ですが、上記のデータはこのコロナ禍以前のデータです。
今の時代にシニア起業でこのような余裕を続けられるケースは
かなり限られてくるでしょう。

 事実今の状況では飲食や物販の開業はとてもお薦め出来ませんし、
士業での独立でも顧客獲得には逆風のタイミングです。

 上記のような支援策は支援策として、
今が起業のタイミングなのかどうかを従来以上に厳しく検討し、
慎重な行動を心掛けることです。

 

 一度起業・独立を果たせばその後は全て自己責任となります。
諺で言えば「天の時」が欠けた状態なのが令和2年の世界です。

 

 起業促進の風潮、支援策の充実と言った一面だけで
安易な選択と行動を起こさないことも、重要な選択肢であることを
思い起こして下さい。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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