【今日のポイント】

 これまでおひとり様の終活をこの場で採り上げてきたり、
起業・開業の際にもおひとり様が意識しておくべきリスク等を
紹介してきました。

 今回は「既存のおひとり様」ではなく、
今は配偶者と生活していることで日常生活を
何の問題もなく過ごしている将来のおひとり様予備軍 
が備えておくべき課題について紹介しています。

 

 

【日常生活の問題】

 これまでも、これからも自分は仕事に専念、
会社員時代は会社の為、独立した現在はより事業の為に
家庭のことは全て奥さん任せというタイプの男性は
まだまだ少なくないと思います。

 特に私の世代でもある60才前後は
多くの場合、これに該当すると思われます。

 子供がいない、
又はすでに独立して遠隔地に居を構えている等
今後は「夫婦二人きりの生活」が続いていく場合に、
諸事情によって、ある日突然、
男性おひとり様の生活を余儀なくされたとしたら?

 おひとり様になる要因としては
連れ合いに先立たれるという死別と、
離婚による生別が考えられます。

 死別の場合でも、病気、事故があります。
病気の場合でもアッというあの最期もあれば
長期入院や治療の果ての別れもあります。

 事故に至っては何時生じてもおかしくはありません。

 特に、ここでは突然の、想定外の別れによって
いきなりおひとり様になったシニア世代が危険なのです。

 

 今は夫婦で暮らしている方で、
以下の内容を全て問題なく対処出来るでしょうか?
貴方なら明日から一人でこなせるでしょうか?

 

1)銀行関連
・生活用のキャッシュカードの在り処を知っている?
・そのカードの暗証番号を知っている?
・印鑑登録してある印鑑、通帳の保管場所を把握している?
・仮に仕送りをしている子供がいた場合に問題なく手続きが出来る?
・公共料金や年契約の会費等の支払方法(引落しか振り込みか)
・どの金融機関でその支払いをしているかを知っている?

2)スーパーで
・自炊用の食材の分量が分かっている?
・そもそも自炊が出来るのか?
・賞味期限、特売日などを意識して買い物が出来る?
・何がどこに陳列されているか把握している?
・レシートを必ず貰って後で検証している?

3)キッチンで
・そもそも米を一人で炊ける?
・米を研ぐことを知っている?、水加減は分かっている?
・炊飯の切り替えや予約炊飯などは出来る? 
・みそ汁の分量(味噌、出汁、水加減)を把握している?
・電子レンジ、オーブンレンジなどの切り替えは出来る?
・グリルで魚が焼ける? 魚を捌ける?

 私が遭遇した「危険なおひとり様予備軍」筆頭は、
生まれてこの方、キッチンのガスを点火したことがない!?
というケースでした。

 彼は大学卒業まで自宅で過ごし、
就職後は寮生活で賄い付きの上げ膳据え膳で過ごし、
そのまま結婚となり、自力でガスを点火する経験を
しないままめでたくも?定年を迎えたのです。

 

 他にもまだまだ課題はあります。

 

 洗濯一つにしても、

・洗濯機を(全自動の場合)使いこなせるか?
・衣類の区分、洗剤の量、保護ネットの使用、
・乾燥の際の衣類の分別など等理解しているか?

 

 ゴミ出しはどうでしょうか?

・可燃物、不燃物、粗大ごみの区分けが出来る?
・それぞれの正しい処分方法と回収日を把握しているか?

 

 掃除もあります。

・住居用や風呂用洗剤等洗剤の違いを理解しているか?
・各洗剤のの注意書きをちゃんと読んで同時使用禁止や
 換気注意等の重要事項を理解しているか?

 

 場合によっては、
ゴミ出しのルール無視として近所に多大な迷惑をかけたり
同時使用禁止の洗剤を使い生命の危険を招くこともあり得るのです!

 

 例えばサラリーマンで単身赴任経験者や
学生時代や独身時代に一人暮らしを経験していれば
自炊や掃除洗濯をやらざるを得ない環境で鍛えられた?
可能性があります。

 このケースは今はやっていなくても
ある程度、昔の記憶で対応が出来ますし、
やっているうちに思い出すこともあります。

 
 やはり要注意なのは、
結婚まで実家暮らしで家事全般未経験のまま
結婚し、今に至るまで家事は全て奥さん任せ、
このような半生を送ってきた面々です。

  

 60を過ぎて
ある日突然一人暮らしの生活となり
食事はコンビニ弁当かデリバリー頼りに、
ゴミ出しが出来ず、部屋はゴミの貯蔵庫に、
掃除もままならず名実ともに「ゴミ屋敷」に

 仕事人間の常で、近所との交際は妻任せ、
愚痴や悩みの相談相手はおらず、話し相手もいない生活・・・

 

 私生活が破綻では、せっかく再就職が叶っても、
起業・開業したビジネスが軌道に乗ったとしても
家庭生活の問題で遠からず挫折するのは目に見えてますね。

 

 

【第二の人生は常在戦場】

 上記の事例は、
主に配偶者と死別した場合に早々に直面する問題でしたが、
もう一つの問題としては配偶者から「熟年離婚」を切り出されるケースです。

 長かったサラリーマン生活も無事定年を迎えた。
当面は自宅で暫くはのんびり骨休めをと考える・・・

 ですが、貴方は骨休めでも、
今までと違い24時間の在宅生活となれば
最も生活リズムを破壊されるのは奥さんです。
貴方には定年(という小休止)があっても奥さんにはありません。

 それどころか、毎日3食を用意するなど
奥さんには今まで以上の負荷を課せられるのです。

 それに加えて事例に挙げたように
あれもこれも一人では何も出来ない、
やればやったで失敗の連続で、
結局何もしなくなる・・・

「熟年離婚」に繋がるストレスを倍増させていくのです。

 他にも定年後の第二の仕事について、
何ら相談もせずに独断で、特に起業や開業を決めた場合は
ほぼ奥さんの協力無くして滑り出しが順調には行きません。

 納得もしないまま協力させられた結果、
これまた日常生活の激変を強いられたとしたら、
ここにも熟年離婚の起爆剤が生じてしまうのです。

 

 その結果、
60過ぎて全く考えもしなかった
突然のおひとり様生活に突入してしまうのです。

 

 

 さて、このパートのタイトルである
「常在戦場」という言葉はご存じだったでしょうか?

 通常は、男子たるもの、
24時間常に戦場にあるという緊張感と注意力を
維持しなくては戦闘で(仕事で)成果を上げる事は叶わない。

 といった解釈ですが、
戦場では元来食事の用意も武具の修理も全て自分自身でやります。

 「常在戦場」の意味には、自分のことは全て自分でやる(出来る)
そうでなくては戦場では誰も手を貸してはくれないし、期待してもいけない。
出来なければ結果が伴わなくて当然、という意味が含まれていると私は思います。

 

目指して欲しいのは、

最低限の身の回りのことは、自分でこなせるおひとり様です。

おひとり様では何一つできない、残念なおひとり様では未来はありません。

 

 シニアに限った話ではありませんが、
転職や再就職の際、根拠なき志望職種や肩書を求める
身の程知らずな事例は少なくありません。

 言い古された言葉ですが、
「そんな仕事は若手や女性スタッフに任せれば済む。」
「指導や管理が私の能力に見合っている。」

 ですが、極端な事例ですが、
メール一つ返信出来ない、㏄メールが何かわからない、
両面コピーが取れないなどでは却って組織の足手まといです。

 雑務全てを一人で難なくこなせて、なおかつ
組織の管理運営が任せられる人材であること、
60代では今やこのレベルが最低限のハードルです。

~部長なら出来ます~は 今や笑い話にもなりません。

 

 このケースを家庭生活に当てはめてみますと、

たかが買い出し、
たかが自炊、
たかが洗濯、掃除、家事、
となります。

「こんなことは妻がやればいいことだ。」
「妻にさせることが夫の役割。」

 自分も完ぺきに出来ることだが、今は妻に任せてあるのと
自分には到底出来ないし、今更手習いする気もなくて任せるのでは
その意味合いは全く異なります。

  
 
 もしも貴方が明日急に、
職場で、家庭でおひとり様になったら
それでも今まで通りの生活を送れますか?

 念押しになりますが、
ここで紹介している事例は、すべて私が遭遇してきた事実です。

 

 

【ライフプランノート】

 ここの話は
私が実際にある相談者にアドバイスした事例です。

 市販のエンディングノートをベースに
オリジナルのライフプラン、定年後のセカンドライフを
迎えるにあたっての「セカンドライフプランノート」
用意するのです。

 
 設定は、まさに一人で生活できるための
サバイバルノートでも構いません。 

 これまで紹介してきた日常欠かせない家事の
手順や注意点を箇条書きにまとめていきます。
米を炊くときの用意するもの、具体的か手順のまとめ
洗濯するときの注意点、洗いとすすぎ、脱水の手順、

 別扱いで、会社での雑務をまとめてもいいでしょう。
コピーの仕方、FAXの送信方法、メールの送受信方法など等、

 なんでもいいので、公私にわたって
今現在ひとりでは出来ないこと、出来なかったことを網羅し、
その解決法を記載するのです。

 

 まさに「60からの手習い」になりますが、
作成にあたって奥さんに「教えを乞う」ことや
会社の部下に「頭を下げる」ことで
新しいコミュニケーションの創出にも繋がるのです。

 

 典型的な「飯、風呂、寝る」の亭主関白だった相談者は
半年かけてオリジナルのライフプランノートを完成させ、
いかにこれまで知らなかった多種多様な情報があることを痛感し、
結婚以来初めて奥さんに感謝の言葉を告げたところ、
まさに熟年離婚を切り出す寸前だったと奥様から爆弾発言が
あったそうです。(最悪の事態は避けられたそうです)

 

 こんなはずじゃなかったという思いで
60才からの人生を歩むのはだれも望まないでしょう。
そうならないためにも、突然のシニアおひとり様リスクへの備えは
今のうちから始めるべきと思います。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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