【今日のポイント】

 昨年度の調査結果が公表されていたので、採り上げてみました。
世帯に占める「おひとり様」の比率の拡大が止まりません!

 更に気になったのが、夫婦二人世帯の比率でした。
今日は確実に将来のおひとり様予備軍となる
「おふたり様世帯」について紹介したいと思います・
 

 

 

【厚労省の調査結果は】

 2019年厚労省の調査(国民生活基礎調査)によりますと、
65才以上の人がいる世帯でおひとり様世帯が占める割合は約29%、
3割弱にまで拡大していました。

 30年前には約15%だったため、
おひとり様世帯は倍増したことになります。

 さらに私が書劇を受けたのが、
将来のおひとり様予備軍ともいえる
子のいない夫婦のみの世帯は、なんと32%超
既におひとり様世帯を上回るという結果が出ていたのです。

 当然ですが、若年層の世帯であれば新婚早々で
まだまだ子育ての余裕がないことからの夫婦二人世帯も
このデータには含まれているはずです。

 32%の構成世帯の全てが
将来も二人きりとは断言は出来ません。

 ですが昨今の少子高齢化や非婚者の増加を考えると
楽観視も出来ないのもまた事実と思います。

 

 今のおひとり様、将来の予備軍を単純に合算すれば
実に61%超、実に対象世帯の2/3が該当するという結果でした。

 

 

【おひとり様の内訳は?】

 ところで、ひと口におひとり様世帯と言いますが、
私の様に親子で兄弟姉妹のいない一人っ子のような
正真正銘のおひとり様以外にも兄弟姉妹や親族はいるものの
人間関係や住まいが遠隔地同士などの理由で疎遠になった
ケースによる「訳アリのおひとり様」も含まれています。

 後者の様に絶縁とはいえ親族が存在する場合、
おひとり様の貴方が亡くなった場合、
死後の各種手続き(の要請)は疎遠である親戚・親族に必ず回ります。

 下手をすれば、(実例ですが)
6親等血族である「はとこ」にまでその連絡が行くのです。

 生涯一度も逢ったことどころか、
電話での会話すらないような親族の死後手続きを
法律ですからのひと言で引き受けるような
奇特なケースはまずあり得ないでしょう。

 
 皮肉なことですが、親族が存命中のおひとり様は
より自分の死後の事務手続きを始めとする「終活」を
事前に真剣に考えておく必要があるのです。

 
 ここで夫婦二人きり世帯が陥りやすいリスクに
「お互いがパートナーに看取ってもらえる。」
と思い込んでいる点があります。

 特に男性側に危機感の欠如や根拠なき依存心が
見られる点です。

 お互いが一人っ子の場合や、疎遠な親族しかいない
又は相手側の親族と険悪な関係であれば、よけい
第三者に依存するなど考えもしないでしょう。

 ですが、もし想定と異なり、妻に先立たれたら?
二人きり世帯の最大のリスクは「遺された旦那」にあります。

 

【おひとり様の死後の手続き】

 死後引き取り手が現れない、行き場がない場合は
死亡届の提出から火葬、遺骨の寺などへの納骨までは
自治体が行います。というか、行えます。

 ですが、自治体が関与できるのはここまでです。

 残された住まいの整理、
持ち家の売却や賃貸契約の解約、
さらに室内に遺された家財道具等の始末、
公共料金やその他各種の契約の解約手続き等は
自治体では行えません。

 既に何回か紹介してきましたが、
故人名義の預貯金や現金、貴金属などの財産も
最終的に相続人を始めとして引き取り手がいない場合は
全て国庫に納付されます。

 

 高齢になったおひとり様が抱く今後の不安、懸案事項と
自治体では関与出来ない死後の各種手続きは一致しており、
以下のような問題が代表的な事例となります。

・死後の事務手続き
・遺品の整理
・金融機関などへの連絡(と手続き)
・不動産の処分
・葬式(要不要か、喪主の問題など)
・相続(疎遠な相続人がいる場合、全く相続人がいない場合)
・墓(代々の墓の始末、自分の墓について)

 自分で準備するとしても、
他人に委ねるにしても容易なものは一つもありませんね。

 

 実際に私が対面した相談者の方のほぼ全員が
いざ具体的にどういう備え、行動をすればいいかと考えても
その時点で足踏み状態に陥るということでした。

 とはいえ、現時点でおひとり様の場合は、
なんだかんだ言っても上記の問題を自分の問題として
捉えることは出来ているのです。

 これに比べ、残念ながら夫婦二人きり世帯の場合、
上記した将来直面する問題自体を認識していませんでした。

 もしも配偶者の親族と険悪な絶縁状態のまま
万が一の事態に遭遇したら、子のいない夫婦ですと
その険悪な配偶者側の親族にも相続権は発生するのです!
死後の手続き云々よりも遺産分割の争いに忙殺されるのは必至です。

 

 

【最低限用意すべきの2つとは?】

 以下は私の個人的な見解からのアドナイスです。

 ・死後事務委任契約
 ・遺言書の作成と遺言執行人の選任

 おひとり様を自覚している場合は当人が、
そして子のいない二人きり世帯の場合は夫婦が別々に
この2つの手続き(の備え)だけは欠かせないと思います。

 死後事務委任契約については
以前からこの場で紹介してきましたが
改めて要点だけを紹介します。

 ・葬儀、納骨に希望があればその旨を記載し、履行を委任する
 ・関係する役所への届け出を委任する
 ・公共料金の精算と解約手続き等を委任する
 ・入院、入所の場合は未払い費用の清算を委任する
 ・遺品の整理(内密の処分など含む)を委任する
 ・住まいの清掃等を委任する

 このような事項は
死後事務委任契約を結ぶことで対応が認められています。

 夫婦の場合でも高齢であれば、体力面で上記手続きが
困難な場合も想定出来ます、既に双方が、または片方が
病身であったり長期入院の場合等も十分想定出来ます。

 ウチは相方がいるから安心、ではなく
お互いが意思疎通出来る間に検討する必要があります。

 

 財産の処分方法については
遺言書で予め指定しておく必要があります。
換言すれば遺言書でしか当人の意思による指定は出来ません。

 特に遺贈や寄付などの相続以外の希望や要望があるならば
(おひとり様ですから相続はあり得ませんが)
その旨を遺言書で記載しておきませんと先に述べたように
最後は国庫に没収されます。

 夫婦二人きり世帯の場合は、
遺言書で全財産を配偶者に相続させると明記しておかなければ、
先に書いたような配偶者と自分側の親族との
いつ果てるとも知れぬ「争続」発生となります。

 

 

【より確実な備えを考えるなら】

 さらに、金銭的な面で支障がないのであれば、
上記の2つに加えて以下の契約を推奨します。

 任意後見契約、財産管理契約、見守り契約と言った
当人の心身の変化に対応する各種の契約です。

 見守り契約では、
おひとり様の場合は特に顕著な社会的孤立を防ぐ、
孤独死や死後放置のリスクの軽減に有効です。

 財産管理契約では
判断能力はあっても運動機能に支障が出た場合に
銀行等金融機関からの入出金の代行や口座の管理に有効です。

 そしていよいよ判断能力に不安が出た場合に
自分の判断で信頼出来る人物に後見を託すための
任意後見契約を結ぶのです。

 とはいえ、これらの契約は当然費用が発生します。
厄介なのはこれらの契約は一括で支払うというジャンルではない点です。

 契約開始から費用が発生はしますが、
終了期限は個々の事情で異なります。

 契約当初には費用総額が定まらないものと考える必要があります。
そうなりますと、各自の費用負担面の問題とも関係してきます。

 特に後事を託せる親族がいないおひとり様であれば、
よけい本人の判断でこれらの備えを決めていかなくてはいけません。

  どうせ死んだらあとは関係ない

 おひとり様であれば、それはその通りです。
ですが、周囲から迷惑な存在と蔑まれるのは
死後でも気持ちのいいものではないでしょう。

 

 二人きり世帯の場合でも
上記の契約の必要性は同等にあります。
片や身体に支障があり、片や認知症となれば、
通常の日常生活を送ることは難しくなります。

 今の自分の健康面、生活面、資金面から何が出来るか、
何をしておくべきかを見極めることだけでもいいのです。 

 繰り返しますが、
後腐れのない正真正銘のおひとり様以上に
遺されるパートナーがいるお二人さま世帯は
自分以上に相手の為に十分な備えをしなくてはいけません。

 

 独力ではどうにもというのであれば、
身近な専門家へ相談することで不安の解消を図りましょう。

 

 子のいないお二人様世帯 32%超!!
 

 予想外の事実を前に、このブログを作成しました。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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