【今日のポイント】

 ごく少数ですが、コロナ禍によって失業、廃業を余儀なくされたシニア世代から
年金の受給開始時期についての相談が始まっています。

 今までも繰り上げ、繰り下げのそれぞれのメリット・デメリットが紹介されていますが、ここで改めて制度の概要とそれぞれの選択による結果を簡単に紹介したいと思います。

 

 

【老齢年金の受給開始時期について】

 まず基本的なことですが、老齢年金の受給は基本は現在65才からです。
ですから繰り上げとは、60~64才で受給することで、
繰り下げとは、66~70才で受給することとなります。~2022年4月以降は上限年齢は75才になります。

 繰り上げの場合は、基礎年金である国民年金や厚生年金があれば同時期からの受給が可能です。
繰り上げの時期は1か月単位で選ぶことが出来、手続きは年金事務所で行うこととなります。

 ですが、ご存じのように繰り上げを選択した場合は、受給額は減額されます。
1か月ごとに0,5%ずつ減額されます、これも2022年4月以降は0,4%の減額に変更されます。

 ちなみに繰り下げの場合は、当然ですが増額されます。
これは1か月ごとに0,7%ずつの増額になります。

 さて、繰り上げの場合、仮に64才から受給の場合は、6%の減額となり、
60才からの繰り上げ受給の場合ですと、なんと30%の減額になるのです。

 注意すべきは、65才の当初の受給開始年齢になっても一度繰り上げを選択したならば、
この減額はその後もずっと続くという点で、生涯減額ベースの受給になるということです。

 繰り上げを選択した場合、早くから一定額の年金を受給は出来ますが、
長生きすればするほど生涯で受け取ることが出来る年金額は減ることになります。

 厚労省が例示している夫婦2人世帯の場合を例にすると、
年金の受給時期による月額支給額の変化は以下の様になっています。

原則)  65才から受給開始の場合=月額155,583円
繰り上げ)60才から   〃   =月額108,908円
繰り下げ)70才から   〃   =月額220,928円

これが一生涯続きます。

 確かに繰り下げを選択しても長生きする保証はありません、
下手をすれば繰り下げの結果、70才(受給前)で死亡するケースもあり得ます。

 この逆に減額を承知で60才から受給を開始しておけば、
同じく70才で死亡としても10年間は年金を受給していることになります。

 どちらが絶対のお得ということは決して断言は出来ないのです。

 

 

【補足として】

 今、このコロナ禍によって経済的にかなり厳しい!
再就職も、転職も見込み薄だし、起業なんて自殺行為?
他にも健康面に不安があって今後も仕事を続けられるかが不透明、

 明日の生活の為には減額覚悟で早めの(繰り上げ)受給開始は
たむをえない選択となる。

 他には(まだ)少数派でしたが、いつまで従来の年金制度が保つかが不安だから
といった「見切り発車」で繰り上げを選択するケースもありました。

 他にもいろいろな理由はあるものの、昨年行った厚労省の調査では
繰り上げ志望は 26%、繰り下げ志望は僅か、5%だったそうです。

 このコロナ禍が長引けば長引くほど、
繰り上げ受給選択がより増加するのは間違いないことでしょうね。

 

 最後に、
繰り上げの場合には減額以外にも別の注意点があります。
詳細は省きますが、以下のようなデメリットが生じることも認識しておくべきでしょう。

・障害年金や遺族年金、寡婦年金が受け取れなくなる(又は支給が制限される)
・国民年金を増額する任意加入や保険料追納が出来なくなる。
・老齢基礎年金に上乗せする付加年金も減額される。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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