【今日のポイント】

 最近、雑誌社からの要望で会社の早期退職勧奨に応じた中での成功・失敗事例を紹介する記事を何度か執筆し、掲載されてきました。 成功、失敗どちらにも予想以上の反応があり、記事を見て相談に来られた方も少なくありませんでした。

 相談~お客様の声のサイトでは何例か簡単な事例を掲載していますが、本文ではまだ採り上げていなかったこともあり、また雑誌記事を見逃した方への紹介事例として、今日は未公開の相談事例の中からひとつの事例を紹介したいと思います。

 

【同じ職場の上司と部下の明暗】

1)部下のAさんの場合
  一部上場企業の営業職だった2人、同じ職場で上司と部下の関係でした。
 部下のAさんは、2011年に早期退職に応じ、退職時は55才でした。
 上司のBさんは1年後の2012年の早期退職勧奨で退職、当時は58才でした。

  Aさんは退職後は翌月から足繁くハローワークや
 今は無き有楽町にあった人材バンクを訪問し、
 毎回積極的に窓口で再就職の相談を重ねたそうです。

  再就職活動を始めて2か月後に、
 何と相談先だった人材バンクから「ウチで働きませんか?」と
 逆オファーされるという事になったのです。

  偶然でしたが、ちょうど面接担当者が定年退職のタイミングで
 あったことから人員の補充を考えていたところに前向きな姿勢で
 就職相談の際の言葉使いや真摯な態度が面接官に向いているのではと
 評価されたとのことでした。

  無論本人に異存などあろうはずもなく、
 翌月から新職場での勤務となったのです。
 早期退職後、わずか3か月で再就職を果たしたのです。

 

2)上司のBさんの場合
  さて、上司だったBさんは1年後に早期退職に応じて、
   半年後から再就職活動を開始しました。

   前職の時のBさんは良く言えば即断即決、
 一気呵成といった営業スタイルで実績を残し、
 常に成績トップを争うことが生きがいといったタイプで
 自身のやり方に絶対の自信を持ってました。

   さすがに華々しい経歴は伊達ではなく
 退職後数か月で営業職での再就職を果たしたそうです。

  ですが再就職先とは、この営業スタイルが社風に合わなかったようで
  早々に見切りをつけて自分から辞表を叩きつけて来た(本人談)そうです。

  その後暫くは充電期間を置き、改めて再就職活動を始めたそうですが、
  年齢的な問題や短期間での退職という事実が影響したのでしょうか
  二度目の再就職は暗礁に乗り上げたそうです。

 

3)3年ぶりの再会の結果
  Aさんも風の便りでBさんも早期退職し、
 再就職したまでは聞いていたのですがその後の経緯は知らずにいたところ、
 なんとそのBさんが相談窓口にやってきたのです。

  さらには、幸か不幸かAさんが担当相談員となってしまい、
 Bさんとは約3年ぶりの再会となったのです

  過去はともかく、
 今は相談員と相談者の立場ですが、Bさんにとっては今でもAさんは元部下、
 以前と同じ立場にあるがごとく「いい会社を早急に紹介しろ!」的な
 上から目線で接したきたようです。

  そんな中でも聞き役に徹した結果、
 Aさんは「今迄のスタイルを変えること、
 根拠のない執着(役職・給与等)をやめる事」を
 遠まわしに伝えたようです。

  ですが元の部下からの言葉に素直に耳を傾ける事はなく、
 依然として高望みの条件に固執したそうです。

  結局、その後ほぼ半年間、
 平行線のまま無為に時間は過ぎ、当初は自信の塊だったBさん、
 最後には「なぜおまえがこんないいところに再就職出来たんだ?」
 「俺もここで働けばもっといい仕事が出来る!」
 「お前からも上司に自分のことを取り次いでくれないか?」という始末でした。

  さすがにAさんもいくら元部下とはいえ、
 「再」社会人では先輩である自分に向かって言う言葉ではないと
 注意したところ、その後ぷっつりと来訪しなくなったのです。

  それまでも年に2度ほどは時候の挨拶は続けていたようですが、
 この後は先方からの連絡は途絶え2年後には転居先不明で返送され、
 音信不通になったのです。

 

4)Aさんの回顧と私見
  
Aさんはこれまでのこの一件について、
 「出来の良くなかった元部下の私が、偶然担当相談者になってしまった.
 これでBさんを必要以上に身構えさせてしまい、
 その結果、最後まで裃を脱げないまま相談することになり、
 それが耐えられなかったのではと思うようになりました。」と話しました。

  結局Bさんは、
 昔の上下関係や過去の成功事例に最後まで固執したことが命取りでした。

  確かに、
 相談者が赤の他人であれば、もう少し胸襟を開いて相談出来たかもしれません。
 ですが、たら・ればでは後から何とでも言えます。

  最後までAさんは言葉を濁しましたが、
 以前の職場はあまりいい雰囲気ではなかったようで
 部下は自分の功績の為に奉仕するのが当たり前、的な態度のBさんには
 温厚なAさんにしても思うところはあったようです。

  ここからは第三者の立場にある私の勝手な推測ですが,
 Bさんとの面談時にAさんにもある意味「上から目線」は
 あったのではないかと私は思いました。

  結局、過去の行いは善いことにせよ、悪いことにせよ、
 ブーメランのようにいつか必ず自分の前に姿を現す。

  その結果を素直に受け止められるか否かで
 局面はどんどん変わっていくのだと、確信した次第です。

 

※補足としての余談
  
ちなみに、実はBさんとも私は今も連絡が取れる仲です。
 彼が都心のマンションを売却後、暫くして関西の地方都市に移り住み、
 今では介護職員として働いていることは知っています。

  いろいろ苦労はしたようですが、
 角が取れて、漸く身の丈に合った仕事に巡りあったのでは?
 と、私は解釈しています。

  またAさんも65才の定年前に相談員の職を辞し、
 地元の自治体で契約職員として仕事に就き、
 今も多くの人に囲まれて忙しく働いています。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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