【今日のポイント】

 令和元年度もあと一カ月余となりました。
今迄の業務上の経験から、3月中旬以降に再就職や転職
あるいは独立に関しての新規の問合せや相談が増えてきます。

 その大半は企業に勤めるサラリーマンでした。
今日は過去5年を振り返って、50代サラリーマンが
直面する問題から共通する内容を総括してみました。

 

【活況な転職市場?】

 最近の新聞紙上では
40才以上のシニア人材の転職市場が確立され、
活況を呈しているとありました。 

 この裏付けとして、人材大手3社における
41才以上の転職紹介数が昨年初めて1万人を超える見込みとあり、
2018年度の実績が約9,400人に対し、昨年度は4~9月だけで約5,700人、
このままの推移でいけば通期の1万人超えは確実とありました。

 これは6年前の実績約3,500人の約3倍の実績に相当します。

 従来はこの年代、
いわゆる「シニア突入クラス」にとって
転職はほとんど他人事でした。

 当時は年功序列が堅持されていた為、
働き盛り、会社の中核を担う40代での転職は、
ほぼイコール収入減という図式と捉えられていました。

 それがここにきての活況はどういう理由からでしょう?
この一因として言える事として、この世代は
いわゆるバブル世代、団塊ジュニア世代であり、
労働人口に占める人数が特に多い点があります。

 40才以上の世代は、現時点では
約7,800万人で総人口の約6割を占めるのです!

 当然会社にとってこの世代への
人件費(給与面)の負担は大きくなります。

 実際厚労省の調査では、
大企業の50~54才男性の場合で平均給与は51万円、
45~49才で46万円となっており、
25~29才の平均26万円の倍近い額になっています。

 この状況を企業側が率先して変えるようになったのです。

 若手への給与再配分、デジタル人材確保の為の原資として
中高年をリストラし、人件費の適正配分を図り始めたのです。

 大手企業の中には好業績の時に
ここぞとばかり「黒字リストラ」を始めました。

 

 さらにシニア世代の側でも変化が生じており、
中でもまだ若手といえる40代シニアでは
「自分のスキルを活かせる職場」への転職を
望むケースが出てきています。

 業務や待遇に満足であれば、
派遣社員としての再就職でも辞さないという
ケースも少なくないようです。

 実際に、
派遣や業務委託等の非正規雇用を望む登録者の中で
前職が課長以上の管理職だったシニアの
求職者数は、2018年より3割以上増加しているのです。

 このような中高年を積極的に受け入れる側としては
法務や財務、施工管理といった一定の専門知識やスキルのある
人材を求めており、この手の人材不足に悩まされている
中小企業が圧倒的に多いとのことでした。

 いよいよ、真のシニア市場の社会的な認知は
ここまで来たのか?! と思えるのですが…

 

【直面する「厳況」】

 前項でお判りのように、
活況な転職市場の主人公は、40代、
それも価値のあるスキルや専門知識を
有する人材の場合という前提があるのです。

 会社側からは将来の人件費抑制の為、
従業員の年齢構成の是正の為、といった理由で
50代以上のシニア層を狙い撃ちにします。

 

 ここで50代が直面する
シビアな現実を改めてまとめてみます。

先ずは自分に起因する問題として

・職場での地位、年収、やりがいの低下
 ~役職定年による肩書の喪失
  管理職手当等の減額による収入減

・会社の業績悪化からくる早期退職勧奨
 ~リストラの主要対象世代として
 ~さらには会社の業績悪化による倒産危機
 ※前述したように黒字でもリストラ対象となります。

・健康面の問題発症
 ~上記のような環境激変からくるメンタル問題も含め
  加齢からくる諸症状がこの時期に発症し始めます。

・家族の問題の発生
 ~老親の入院、介護の発生(による支出増)
 ~熟年離婚の危機~子の独立を待って?
  妻側からの三行半!?
 ~子供の学費や生活費の継続
  浪人や留年、就職浪人、はては引き籠り等

 
 今の50代までは、程度の違いこそあれ、
年功序列の恩恵を享受出来た最後の世代です。

 終身雇用、年功序列は
少なくとも自分たちの在職中は
揺るぎなく続くものと疑いもしませんでした。
(かくいう私もその一人でした)
 
 その結果、
実際は自分の能力以上、実績以上の
待遇が続いてきたのです。
(かくいう私もその一人でした)

 前述した4つの問題のうち、
最初の2項目はこれまで「想定外」
の問題だったわけです。

 さらに最近は
新聞でも取り上げられるように
国は高年齢者雇用安定法で
70歳定年制を会社に義務付る
姿勢を打ち出してきました。

 これに対して会社側も行動を起こします。
70才迄面倒を見るに値する人材の棚卸を
50代ではなく40代から開始しました。

 さらに、業績不振ではなく、業績好調の今だから
組織の見直し、人員再編、スリム化が図れるとの考えから
40代半ばから見直し要員の対象として
積極的な早期退職勧奨を推進しているようです。
これが冒頭で触れた「黒字リストラ」です。

 
ここにきて今までなかった変革の最前線にさらされる

 これが、今の50代の置かれた立ち位置と言えるでしょう。

 

 大企業に安住してきた方ほど
在職中の転職や、ましてや起業・独立を
考えたことはなく、何の行動も起こさないまま
終焉を迎えるケースが少なくありません。

 中には、何とか転職を図ったものの
大半は収入減となり、役職面や企業風土の違いに
不満を抱えたまま悶々と日々を過ごす方や
起業・独立を目指したものの、収入は不安定で
かつ大幅な減収となったり、安易な起業で
却って貯蓄を無為に費やすようなケースも
見受けられました。

 レアケースではありますが、
一発逆転を目指したのでしょうか、
なけなしの退職金を各種の投資に賭けたものの
見事に失敗し悲惨な結果を招いたケースも
なくはないのです。

 

【壁を高くするも低くするも、自分次第】

 相談者のほぼ全員の方が口をそろえて言う事は
まさか自分がこんな目に合うとは!でした。

 ですが、同時に以下のような不安要因を
認識、把握している50代の方も存在したのです。

・今のままでは老後資金が圧倒的に足りない!
・定年後、又は60才を過ぎてからの健康面や気力に不安を抱えている
・夫婦の老親の面倒の不安(一人っ子同士の夫婦はWの負担に)
・子の面倒をいつまでみれるかの不安
・熟年離婚を言い出されそう ~カネの切れ目が縁の切れ目?

 といった家庭に起因する問題と

・実は、今の会社がいつまで保つか不安を感じている
・会社自体は安泰だろうが、自分の処遇には不安あり
(役定、年下上司との関係、再雇用、契約社員などの身分の変化)
・起業・独立を目指したいが何をしたいかが分からない、決めきれない

 といった仕事に関する問題です。

 
 こういった悩みや不安を初めて感じ始めたのは
50になった時点から50代半ばという方が大半で、
その時点で行動を起こさなかった理由として挙げられたのは、

 ~(何か行動しなくては)、薄々感じてはいましたが・・・
 ~まだ行動に移すには早いかなと・・・
 ~周囲の様子を見てからでもいいかなと・・・

  残念ながらここにひとつの共通する点がありました。
 上記のような問題を認識しつつも、正面から向き合っていないという事実でした。

 

 50代の相談者の多くは
「世間では50代転職は当たり前になる」
「70歳まで現役で働く環境は転職市場にあり」といった
耳障りの良い言葉に促されて重い腰を上げたようですが、
残念ながら自分の市場価値を事前に確認されてきた方は
皆無と言っていいでしょう。

 70代まで働くとして、今後20年間の生活を支える仕事、
いつ、どこで見出せるかは、いち早く問題を把握し、
情報を集めるなり、相談するなり、具体的な行動に移す事です。

 今はまだ40代の方も同じことで、
遠くない将来に必ず直面する「公私にわたる壁」
これをいかにして突破するか?
早くから行動すればするほど、50代で直面する壁は
小さく、低いものになるのです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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