【今日のポイント】

 新聞紙上でご存知の方も多いでしょうが、
不動産の評価基準の解釈が争点となった裁判、
その判断は不動産を所有する方にとっては
衝撃的なものでした!

 

【発端となった案件】

 発端は2019年8月の東京高裁の判決でした。
詳細は省きますが、相続人は
財産評価基本通達に基づいて
不動産の評価額を算定し、
その結果相続税の課税対象には
ならないと判断したものの、

国税庁側が基本通達の第6項を適用することで
相続税の課税が適当とし、相続税の課税と共に
過少申告加算税も課税したというものです。

 

 

【財産評価基本通達とは?】

 今回の判断の基となった法律は、
国税庁「財産評価基本通達」になります。

 もともと
相続財産の評価方法の原則は「時価」としてはいますが、
その具体的な評価方法は規定されていないのです。

 そこで、時価評価の判断の拠り所となっているのが
この「基本通達」なのです。

 この基本通達の第一章、総則の第6項にある
「この総則の評価により難い場合の評価」が今回のポイントになります。

 国税庁内では「評価により難い」条件として、
① 基本通達の評価方法を形式的に適用する合理性の欠如
② 基本通達に定めた評価方法の他に合理的な評価方法がある

③ 基本通達の評価方式による評価額と
  他の合理的な評価方法による評価額に著しいかい離がある
④ 著しいかい離が生じたことに納税者の行為が介在している

 の4項目を挙げています。

 

【第6項の解釈への懸念】

 この項目について、
貴方はすんなりと納得し、受け入れられますか?
私個人としては、以下の点で疑問を持ちました。

 ②の「基本通達以上に合理的評価方法の有無」
とありますが、そのような評価方法があるならば、
そもそも基本通達自体を見直すことを
優先すべきではないでしょうか?

 ③についても
「著しいかい離」が具体的に示されていません。
穿った見方をすれば、国税が著しいと言えばそれが
そのまま適用される=適用し放題が懸念されます。

 ④にしても、
著しい評価額の差異が生じた場合、
その原因の究明との原因とそこに納税者の意思が
存在したかどうかの判断も国税の判断ひとつ
委ねられているようです。

 国税がクロと言えば、クロになる?

 まさに、この基本通達第6項は
「天下御免の葵の御紋」と感じられました。

 

 

【年末の御挨拶】

  早いもので今年も残すところ1週間となりました。
この1年、「新・先憂後楽」にお付き合い頂いた皆様には
大変お世話になりました。

 年内はこのブログが最終となります。
事務所の営業も今年は26日までとさせて頂き、
年明けは6日からの営業を予定しております。

 来年もまた、宜しくお付き合いの程、
お願い申し上げます。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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