【今日のポイント】

 ~目ぼしい遺産はありませんので、
使いみちのない田舎の土地を相続放棄したいのですが?

 ~亡き父親の借金が発覚しました!
早急に相続放棄したのですが?

 今回のテーマは
いざ、相続放棄の手続きを始める際に
必要な情報についてです。

 

【相続放棄の手続き】

 手続き=申述先は、
被相続人の最後の住所地を管轄する家裁となります。

 手続きに必要な書類等は以下の通りです。

1)相続放棄申述書(後述します)
2)収入印紙(申述人1人につき800円)
3)郵便切手
4)添付書類

 

 まず3)の郵便切手ですが、
裁判所のHPでは「申述先の家裁に確認して下さい」とあり
地域によって金額、枚数に差異があるようなので、
具体的な必要金額や枚数は当該の家裁に直接確認する必要があります。

 

 4)については、
「誰が申述人なのか?」で
必要書類が変わりますので、
以下に分類の上、紹介します。

ケース1: 配偶者・子供の場合

・申述人の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
・被相続人(故人)の住民票の除票(又は戸籍の附票)1通
・被相続人(故人)の死亡の旨記載のある戸籍謄本1通
※代襲相続人の場合(孫など)は本来の相続人である
 被代襲者(子)死亡の旨記載のある戸籍謄本1通

ケース2: 父母。祖父母(直系尊属)の場合

・申述人の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
・被相続人(故人)の住民票の除票(又は戸籍の附票)1通
・被相続人の(故人)の出生時に初めて載った戸籍謄本から
 死亡の旨記載のある戸籍謄本まで、連続した全ての戸籍謄本 1通

ケース3: 兄弟姉妹の場合

・申述人の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
・被相続人(故人)の住民票の除票(又は戸籍の附票)1通
・被相続人の(故人)の出生時に初めて載った戸籍謄本から
 死亡の旨記載のある戸籍謄本まで、連続した全ての戸籍謄本 1通
・上記直系尊属が全て亡くなっている場合は、
 その死亡の旨が記載されている戸籍謄本 1通
※代襲相続人の場合は本来の相続人である
 被代襲者死亡の旨記載のある戸籍謄本1通

 

 通常は以上の書類で十分なのですが、
審理が必要になった場合には、
別途資料の提出が求められることがあるようです。

 

 参考までに裁判所のサイトにリンクを貼りましたので
詳細はこちらから参照して下さい。
⇒ 相続放棄の手続き

 

【相続放棄申述書】

 上記1)の申述書については
以下のサイトから確認して下さい。
⇒ 相続放棄申述書

 相続人によっていくつかのパターンが
あります、以下は20才以上の相続人の
申述書の記載例となります。
⇒ 記述例(相続人が20才以上の場合)

 

【記載項目】

 改めて前述した「相続放棄申述書」の主な記載項目を紹介します。

「放棄の理由」としては

・生前贈与を受けている
・生活が安定している
・遺産が少ない
・遺産を分散させたくない
・債務超過の為
・その他

 と分類されており、該当する項目を選択します。

生前贈与を受けたから、
生活が安定している(=余裕がある)

を選択すると、うがった見方をすれば
税務署から別の意味でマークされるのではと
私などは身構えてしまうような項目です。

遺産が少ないから、
分散させたくないから

については兄弟想いを連想しますし
もしかすると遺言の付言事項等で
親から他の兄弟の為にと託されたのではと
勝手に推量してしまいます。

 個人的には、
債務超過の為、
これ以外での相続放棄は少数、
ごく稀な例ではと考えます。

「相続財産の概略」は文字通り
相続資産の中身を記載していき、
「負債額」を記載しますが、
詳細額が不明な場合は単に「不明」
とだけ記載すればいいのでその旨を記載します。

 

【補足:相続放棄が認められないケース】

 最後に、肝心の相続放棄が認められない
と言うケースについて紹介していきます。

 まず一般的に知られているケースとしては
「自分に相続の発生を知ってから3ヶ月以内」
に相続する、放棄するの意思を表明しなくてはいけない。

 つまり相続放棄の猶予期限3カ月を過ぎたら
単純承認と見做され、相続が成立するという点です。

 期限を過ぎてからの申述は、認められません。

 このケース以外にも認められないケースはあります。
3カ月以内に申述をした場合でも、

1)相続財産の全部、又は一部を「処分」していた場合
 
財産の一部でも「売却」「贈与」した場合、
 相続財産である家屋を取り壊した場合、
 遺産分割協議を完了させた場合
 財産価値のある品を形見分けした場合
 

  以上のケースが「処分」と見做され、
 家裁の判断によっては相続の承認と見做されて
 申述書の受け取りを拒否されます。

  特に最後の形見分けについては判断が微妙で
 そこに故意、善意の区別も絡んできます。

  この規定を知らなかった!
 では済まないのが法律ですので、相続放棄を
 考える場合はうかつな財産の処分は厳禁と心得て下さい。

2)故意に財産を隠匿、又は目録から外していた場合
 
説明する必要もない「悪意ある行為」ですから
 発覚すれば相続放棄が認められるわけがありません

 

 相続放棄は、ただ単純に
3カ月以内に申告すれば済むというものではない事、
ここまでの解説で少しはお判り頂けたでしょうか?

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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