【今日のポイント】

 今やいろいろな分野の企業で行われている
早期退職勧奨と優遇制度。

 その中心年齢は40代となり、
転職者の増大に繋がっているようです。

 今回は、早期退職と転職の現状について
データを基に簡単に紹介したいと思います。

 

【退職勧奨のデータ】

 公表されたデータによれば
この10年間で最も多くの早期退職者数が
記録されたのは、2009年でした。

 この年に私も早期退職に応募しており
当時は「電機メーカー不況」の只中であり、
業界だけの問題と思っていましたが、
実際は上場企業の早期退職勧奨の実施数も
退職した人数も共にこの10年で最高記録だったそうです。
(電機メーカーが牽引役?だったことは間違いないですが)

 

 この10年後の今年、2019年上半期、
上場企業が実施した早期退職に応じた人数は
17社で約8,200人とあります。

 実はこの人数、
既に2018年の1年間の退職人数を上回っています。
わずか半年で、です!!

 多くの企業で
早期退職の対象となる年齢は
「45歳以上」となっているそうです。

なぜ、45歳?

 厚労省の統計(賃金構造基本統計調査)
によりますと、

45~49歳の平均月給は46万円、
50~54歳では51万円とあります。

 年功序列の見直し、実力主義、
成果主義と言われながらも、
年齢が上になればそれに比例して
今でも人件費は高額になっているのです。

 特別に業績快調な企業や業界は別にして、
一般の上場企業にとって45歳以降で46万円、
50代ではさらに高額(負担)になることは
企業経営の観点からは過大な負担であり、
このまま定年まで雇用し続けることは
相当な困難となっているのも事実です。

 

 極論すれば、
シニア世代の人件費を削減し、
その分を新卒者の初任給や
若年世代の給与体系の改善に回せば
優秀な人材の採用や社内活性化が期待出来ます。

 

 今では「役職定年制」も
当たり前の
制度として普及しており、
今の会社で終身雇用を
望むなら
その分大幅な減給と社内の居場所の
大幅な変化を覚悟しなくてはいけません。

 このような
著しいモチベーションの低下や
収入の減少を受け入れ難いのであれば
今の会社を離れ、新しい活躍の場を
他に求めるしかありません。

 

 まだまだ現役として、
第一線での活躍が
期待出来る
ギリギリの分岐点が、
40代半ばという判断なのでしょう。

 

【転職の現状】

 総務省の労働力調査によりますと、
2018年の転職者数は約329万人、
これは8年連続の増加だそうです。

 年齢別に見てみると
45歳以上が124万人となっており、
人数としては5年前よりも3割以上増加しています。

 また、
民間の人材紹介会社による調査でも
41才以上の転職者数は
世代別でみると
最も伸び率が大きい
との報告がありました。

 上場企業で40代で課長になるのは
10年前に比べ2割減だそうです。

 社内でのゴールが
ある程度見えてくるのが40代
という現実からも、この年代での早期転職は
会社にも本人にとっても共にメリットありと
見えなくもありませんね。

 早期退職を促す側は
大幅なコスト削減の実現と
頭がつかえている社内環境で
モチベーションが低下している
中堅、若手社員の登用や待遇改善が
図れるのです。

 また、中途採用する側から見ても
40代(半ば)であるならば即戦力、
または早期戦力化が期待出来るという
判断が下しやすいと言えます。

 このブログでも
何度も紹介してきましたが、
新興企業や伸び盛りの分野ほど、
中堅社員の人材不足は深刻な問題と
なっており、経験豊富で業界のスキルや
ノウハウを有しているシニアであれば、
(世間体や見栄をクリア出来れば)
新しい活躍の場は十分あると言えます。

 

 データ上だけでの判断は安易ですが、
40代転職が活発な要因のひとつとして
上記のような仕事に関して柔軟な対応が
浸透してきた結果であれば、転職という
選択が今以上に市民権を得て、柔軟かつ
活発な労働力の移動が期待出来そうです。

 

【残る課題は50代以上の…】

 さて、ここまで書いてきたように
40代での退職、転職に抵抗が無くなり、
活発な転職市場が形成されたとして、
残される問題としては、
50代以上で早期退職する中高年です。

 私自身の経験からも、
50代以上になると、会社への帰属意識は
かなり「強固」なものとなっています。

 それなりの役職にも就いていますし、
家族構成も「出費額がピーク」になる
年齢構成になっていることが多いのです。
(子供の学資、親の介護発生等)

 高齢になればなるほど
突出したノウハウやスキルが
求められるのも事実です。

 50代以上で比較的スムースに
転職を果たしているケースの多くは
技術系の業務で差別化出来るほどの
ノウハウやスキルを有していました。

 リアルな話ですが、
50代以上で即戦力、と判断されるのは
技術畑の方が圧倒的でした。

 営業職や事務職では
なかなか差別化が難しく、
とはいえ管理職での求人は
ごく限られた件数しかありません。
どちらにしてもかなりの「狭き門」です。

 

 10年のハンデ(40代に対し)を
どうやって埋めていくか?

 10年分多く培ってきた「社内外の人脈」?
40代以上に積極的な情報収集の為の具体的行動力?
40代以上に自分の強みを把握し、訴求できる表現力?

 これらの能力を今からどうやって構築していくのか?

 50代以上の問題については
ここで続けて触れるにはボリュームが大きすぎるので
いずれ機会を見て別のブログで改めて紹介したいと思います。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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