【今日のポイント】

  前回のブログでは
「45歳のリストラ」を採り上げましたが、
今回はこれに関連するものとして、
「40代での転職」について紹介したいと思います。

 

【40代で転職を意識?】

 前回のブログで述べたように
会社側が(無情な)選別を開始する年代が
40歳半ばという時代になりつつ中、
従業員である40代も今までにないくらい
リアルに転職について考え始めているようです。

 今後の更なる飛躍のために新天地を探すといった
自発的な動機による場合もあれば、
既に危険水域に入ったと言える
現在の勤め先の命運が尽きる前に
脱出を図るといった緊急避難的な動機の場合等、
個々の置かれた状況で動機は異なるでしょうが、
定年まで、定年以降も一つの会社で過ごすという
従来の固定概念は変化を始めてきています。

 会社からリストラ宣告される前に
自らの行動で「納得の転職」を図りたい。
で、あるならば、
現役・即戦力の今(40代)なら
納得の出来る転職が叶うはず。

 その想いは間違ってはいません。

 

 ですが、新たな人生を迎える先として、
多くの転職相談者が口にするのは
やはり現役世代という自負からでしょう、
同一の業種、業界内の上場企業であり、
異業種であれば
安定した経営の大企業への転職希望なのです。

 

【現実とのギャップ】

 では、転職を意識する40代は
具体的にどういう業種を目指すのでしょうか?

 誰もが思い浮かぶような
これまでは国内有数の有力企業が属していた
業種は現状かなり厳しい環境下にあります。

 私も過去に属していた家電業界は
総合家電ですら競合激化の中、
その多くは海外勢に圧倒されています。

 「寄らば大樹」の筆頭だった
金融機関や生保、損保各社も
IT化推進、AIの導入等の推進によって
人手や設備が現時点でも過剰気味となっています。
他社競合の前に社内での競争激化です!

 大規模量販店(デパートやスーパー等)も
今やネット通販の前に劣勢は明らかです。

 不沈艦であった自動車メーカーにしても
止まらない若年層のクルマ離れの増加、
カーシェアリングの普及等で
個人がクルマを所有する意義がこれまでにないほど
薄れてきています。

 ざっと見ただけで、
いわゆる大企業、優良企業と言われて来た分野は
かつてない厳しい向かい風の真っただ中にいるのです。

 同じ程度のスキルの人物だったら
会社としてもあえて「中途採用」に拘ることは無いのです。
自社にいる現有勢力の底上げに注力すればいいのです。

 こうなりますと、
現職と同規模の上場企業や
業界内での有力企業への転職は
かなりの狭き門であり、
相当な覚悟が必要になってきます。

 

【最適な転職先とは?】

 第一線での即戦力化が可能な40代にして、
このような現状下にある訳です。

~これまで私が採り上げてきた50代からの
仕事探しはより厳しい段階に入ったと
思えてきますが、この件についてはまた
別稿で紹介したいと思います。

 では、現時点で「最適」と思われる
転職先にはどういうものがあるでしょうか?

 これもいろいろなサイトで
紹介されている内容と重なりますが、
今からの成長が期待出来る業界や業種であり
その中で成長株と言われるような企業です。

 全てとは言いませんが、
多くの優良中小企業では業務拡大によって
売上の拡大や利益の確保が最優先となっており、
社内組織の整備まで手が回らず、
個人に負荷をかけているケースがあります。

 事務・経理的な手続きや各種の報告書の統一化
ノウハウの共有化、販売手法の提案や成果分析など等、
整備が出来ればかなりの負担軽減につながる業務は
少なくありません。

 成長途上の中小企業や新興企業では、
この手の業務経験が豊富な年代層
(=40代)が特に不足しているようです。

 

【企業側が求めるもの】

 このような業務を託したい40代、中堅世代に対し、
企業側が求めるものは概ね以下の項目です。

 

1)業務・業界に精通した専門的なスキル
2)仕事に対する熱意、やる気
3)社内社外における対人折衝力、コミュニケーション力
4)業界の常識に縛られていない視点、発想
5)行動力
6)中堅世代(=管理職)に必須のマネジメント力やリーダーシップ
7)これまで構築してきた社外人脈

 1)についてはある意味(年の功)とも言えます。
経験を積んできたからこそ体得出来たスキルは
若手はまだまだ不足していますし、50代になれば
多くは現場の一線から退いていますから所有するスキルが
賞味期限切れしているケースがあります。

 2)についてはもろ刃の剣になりやすく
多くは面談時に本人から発する「熱意」「仕事愛」
を企業側はシビアにチェックしてきます。
「とにかく就職さえ出来れば」
「カネさえもらえればどんな仕事でも」
という40代を求める企業は皆無です。

「なぜ、わが社で働きたいのか?」
「具体的にどういう貢献が期待出来るのか?」
が明確になってこその「やる気」「熱意」となるのです。

 3)にある折衝力やコミュニケーション力の有無は
先ず面談時に露見します。

 相手の意向を迅速に正確に把握できるか?
こちらからの意向を正確に伝えることが出来るか?

 40代で転職となれば、
社内の部門間の調整で陣頭に立つことが
多くなりますし、部下への指導や指示も相手によって
アプローチを変える必要がある場合が出てきます。

 この能力は営業職以外でも欠かせないスキルと言えます。

 4)については1)以上に重要なポイントかもしれません。
専門的なスキルは長年の経験から導かれることが多く
そうなると今までの視点を捨ててゼロから始めることに
躊躇する、拒否するケースが出てきます。

 ですが、
今日の必勝パターンが明日には通用しなくなる。
これが今の時代の現実です。

「これは絶対」と固執するのではなく
「これ以外に最適はないか?」という姿勢は
40代に限らず全世代において不可欠な要素です。

 5)は年代不問で不可欠なスキルです。
どんなに立派な内容でも口先だけでは
人はついていきませんし、納得もしません。
フットワークに自信があるのであれば
まさに「行動力」で証拠を示すことです。

 6)も当初から管理職としての求人であれば
年代に関係なく欠かせないスキルです。
さらに言えば40代のプレーイングマネージャー
として求められているのであれば、
先の5)と併せて求められるものとなります。

 7)についても40代の場合、
有力なセールスポイントになります。
急成長の企業であれば社外ネットワークも
十分とは言えないケースがあります。

 ここでも若手の持つネットワークを凌ぎ、
50代以上の「過去の」ネットワークにはない
即活用可能な「活きたネットワーク」を駆使出来る
40代の強みが発揮できます。

 

 説明が長くなりましたが、
これらを兼ね備えた
「大企業に勤務してきた人物」を
「中小企業・新興企業」は求めています。

 もう3年近くも前の話ですが、
ある中小企業の採用担当役員の方との雑談時に
「我々のような中小や新興企業の場合、
内部体制の整備はどうしても二の次になり易い。
先ずは実績造り、売上拡大、利益確保が最優先で
ここに来てようやく体制の充実に時間と費用を
かけられるようになりました。」

「ですが、新入社員を一から育てるほどの
余裕はまだありません、出来れば経験を積んだ
中堅クラスの方に任せることが出来ればと
思うのですが、なかなかウチの規模の会社に
来てくれるような方が少なくて・・・」

という話が出ていました。

 今にして、あの言葉は今の時代の到来を
予言していたのだと思った次第です。

 

 ビジネスの基礎基本を理解、体得している40代と
基礎の基礎から、下手をすれば社会人の最低限のマナーから
指導しなくてはいけない「若さだけが取り柄」の新卒者。

 今の会社にとって「戦力化」「貢献度」が
最も期待出来るのはどちらかは明白でしょう。

 先の話では、あのあとに
「何も同じ業界出身者でなければ採用対象としないとは
思っていません、真のスキルがあれば、
異業種や無関係な業界の方でも大いに歓迎です。」
と続きました。

 結局はその人が(たまたま)背負っている
会社という看板ではなく、
本人に付随しているスキルがマッチすれば
本人が思っている以上に転職の可能性は拡大するのです。

 

【40代ならでは?の注意点】

 40代と言えば、
何と言っても社内では働き盛り、
中堅どころの立ち位置であり、
自負があればあるほど、
「全て自分が」「全て自分で」
という気概を持っています。

 逆に言えば
「この歳でヒトから助けられる」
「この歳でヒトに教えを乞う」ことを
「恥だ」という考えを持つことも多いのです。

 その意気やよし!
と言えなくもないのですが、
こういうタイプの方に限って
特に第三者とも言える行政や
我々のような専門家へ相談するという経験は
殆どありません。

 転職情報の収集も全て個人で、
転職先の検討も全て個人の考えで決めていく…

 所詮一人で得られる機会や情報には限りがあります。
偏った情報だけでの判断や、個人の思い込みからの
行動(食わず嫌い)ではむざむざ可能性を狭めてしまいます。

 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
孫子の言葉は今に通用する金言です。

 実力も自信もある40代こそ、
より慎重な事前準備に時間をかけて
転職の方向性と行動方針を決めて下さい。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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