【今日のポイント】

 先月23日の日経朝刊で紹介されていました。
政府主導による「サラリーマンの副業促進」とは? 
これによって役職定年制や雇用延長に伴う大幅な収入減を
補う救いの手になるのでしょうか?

 

【背景にあるものは?】

 ここからは画像に使用した記事の内容をそのまま紹介しますが、
昨年の生産年齢人口(15~64歳のいわゆる現役労働力の担い手)は
約7,545万人で、総人口に占める割合は59,7%と60%割れとなり、
1950年の調査以来最低水準となったとあります。

 深刻な事態になった人手不足という現状を受けて、
効率的に人材を活用する一策として、
副業や兼業と言った多様化した働き方を
政府が音頭を取って推進することになったようです。

 とはいえ総務省の調査に拠りますと、
2017年に副業を希望する人数が424万人と、
10年前の調査時に比べて「100万人近い増加」であったものの、
実際に副業を行っている人数は、この10年で60万人近い「減少」なのです。

 

【副業促進のために】

 副業希望者は増えているのに、実質は減少傾向になる?
この最大の理由としては「企業の就業規則」にあると言えます。 

 多くの会社では
「副業を禁止する」旨が明記された就業規則
長年にわたって適用し続けてきました。 

 最近では
本業に差しつかえない時間帯
(夜間・あるいは会社の設定した休日、暦上の祝祭日など)なら
認める場合があるといった部分的解除もありますが、
自社の業務に抵触するような業務に就くことは
(競合会社に関係する企業での副業等)禁止としています。

 「業務に差し支えない」の解釈と判断は
あくまでも会社側にあるため、
従業員側としては後難を気にして
なかなか副業希望を言い出せないというのが現状でしょう。 

 理想と現実はなかなか一致しない事例とも言えます。

 これを打開するため、
今回の動きの中では、経団連などの団体とも連携して
副業や兼業を容認するような内容の就業規則への改訂
普及を図るとしており、モデル就業規則
ガイドラインを作成するともありました。

 また既に副業や兼業を認め、
積極的に推進している企業については
そのリスト公表することも検討しているようです。

 

【残る課題】

 副業促進プランの中には、
人手不足に悩む地方の会社に出向いての副業や兼業といった
マッチングを行うともありました。

 優良企業でありながら
人手不足で経営が思わしくない地方の企業の悩みと、
ノウハウやスキル、やる気を持ちながらリストラや高齢化等で
現場から退いた人材が存在する都市圏の悩みを
一石二鳥で解決出来る策として紹介されていました。

 ですが、現実問題として
兼業で、又は副業として自宅と職場を往復することが
可能な会社がすんなり見つかるでしょうか? 

 距離にもよりますが、
平日の両立はまず難しいでしょうし
土日だけ出向くとしても
今度は「1週間休みなし」状態になっては元も子もありません。

 このプランは副業というよりも、
第二の仕事選択の為のプランと見る方が
しっくりくると私は考えます。

 また、現状の問題としては労務管理の問題があります。 
現状では勤務中や通勤途上に発生した災害補償については
勤務先で得ている賃金が補償対象であり、
副業先(または主業務)の賃金の補償は対象外とされています。

 例えば、
運悪く副業時(=安い賃金水準の方)に事故に遭った場合、
主業務の賃金については泣き寝入りになるのです。

 プランでは複数の勤務先の賃金分を合算して
補償の対象とするような労災保険の見直しが謳われており、
総労働時間の管理が可能なような仕組みも
当時者のセーフティネットとして策定を予定されています。 

 労災認定に関しては法整備が欠かせませんし、
労務管理に関しては企業側に課せられる問題です。 
果たして後者の場合どこまで積極的に取り組むかは現時点では何とも言えません。

 実際に私企業がこの制度改革に取り組むようになるには、
より具体的で実現性の高い法整備などが行われて以降になると思います。

 目的自体は非常に興味深いものですから、
是非ともこのまま改定が順調に進むことを期待したいものです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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