【今日のポイント】

 今回も引き続き相続関連の相談事例の中から
思わず即答を避けた内容について紹介します。

 主に手続き上の相談内容から
ピックアップしました。
 

【委任状の必要性】

 父が亡くなった、
母はまだ健在だが高齢で
場合によっては入院中…

 こういった場合には
子供たちが母に代わって
各種の手続きを代行するケースが殆どです。

 相続の手続きの第一歩として
亡くなった父の出生から亡くなるまでの戸籍謄本と
母の戸籍謄本を取得する必要があります。

 この時、
まだ健在な母の戸籍謄本を取得の際には、
子供とはいえ、母からの委任状が必要でしょうか?

 この場合に関しての回答として、
「戸籍法第10条第一項」で、

~両親の戸籍謄本取得の際には、
子は委任状を用意しなくてもいい~
とあります。

 但し、別の手続きが発生します。

 手続きを行う自分が
間違いなく両親の子であるという証明
は必要になります。

 ですから「子の戸籍謄本」は必要になります。

 これによって
両親の氏名と本籍地が確認(証明)出来るのです。

 

【自筆証書遺言の場合】

「民法第1004条」に 

~遺言書の保管者は相続の開始を知った後、
遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、
その検認を請求しなければならない

~遺言書の保管者がない場合において、
相続人が遺言書を発見した後も、同様とする~

 とあります。

2 前項の規定は、
 公正証書による遺言については適用しない。

3 封印のある遺言書は、
 「家庭裁判所において」
  相続人又はその代理人の立会いがなければ
  開封することができない。

 

 ご存知の方は多いと思いますが、
自筆証書遺言の場合、家裁での検認が不可欠とされています。

 加えて、勝手に封を開けてしまえば
罰則規定(過料)に抵触するという事は
かなり認知されるようになりました。

 では、
むき出しの自筆証書遺言
無造作に引き出しにあったら?

封筒には入れてあるものの、
封印がされていなかったら?

 相続人であろうとなかろうと、
見ようと思えば中身を見ることは容易です。

 このような状態の自筆証書遺言は
果たして(自筆)遺言書としての効力はあるのでしょうか?

 

 先に紹介した民法の条文では
「封印のある遺言書」とだけしか記載されていません。

 封印されていなければ
どうこうという文言は書かれていません。

 

 ここから分かることは、
自筆証書遺言の定義に
封印は不可欠要件ではないという事です。

 間違いなく被相続人の自筆であり、
内容が全ての要件を満たしているのであれば
遺言書の法的効力は問題ありません。

 ただ、早合点(勝手な解釈?)で
「封印を解くには家裁による検認が必要だが、
既に中身が公になっているに等しい状態なのだから 
封印されていない遺言書は家裁に届け出なくて構わない?」
と思うのは大きな過ちです。

 封印の有無に関係なく、
自筆証書遺言であれば
必ずそのままの状態で家裁に届出て、
検認を受けなくてはいけません。

 

【年金受給者権者死亡届】

 高齢の親が死亡した場合、特に注意が必要です。

 年金を受給していた親が亡くなった場合、
年金事務所や年金相談センターに表題にある届出をします。

 手続きには死亡した親の年金証書と
死亡診断書の写し等、本人死亡が証明出来る資料
用意する必要があります。

 この際、意外に混同されているのが、
年金によって手続きの期限が異なる点です。

国民年金は 死亡日から14日以内、
厚生年金は 死亡日から10日以内
となっていることは意外に知られていません!

 各種の手続きに忙殺され、
確か年金関連の届出は(全て)14日以内と
勘違い?思い込み?をしている方がいました。

 なぜか、年金支給に関しては
金融機関の口座凍結とは異なり、
相続人からの届出が無ければ
支給され続けるという
(性善説の)「システム」です。

 この点を悪用して
死亡した親の年金依存で生活していた家族が
摘発されるケースは少なくありませんね。

 珍しく税務署などとの
情報の共有化が出来ていないのでしょうか?

 とはいえ、
故意であれ、不可抗力であれ、結果的に
受給資格を喪失後に支給された年金に関しては
返還請求がされることとなりますので
十分気を付けなくてはいけません。

 

【口座の有無の確認】

 生前聞いていた金融機関の通帳がない!

 間違いなく公共料金などの引き落しに
使っていたはずの通帳が無い!

 このようなケースも
少なくありません。

 こういった場合は、
該当する金融機関支店に

故人の除籍謄本
故人との続柄を示す戸籍謄本
自分の印鑑証明と実印
本人確認書類(免許証やパスポート等)

を用意して申請手続きをすることで
過去の取引履歴明細を発行してもらえます。
但し、有料サービスとはなります。

 手数料は各金融機関で異なるので直接確認して下さい。

 聞き取りをした範囲ですが、
概ね2週間前後で「履歴明細」が発行されるようです。

 乱暴な話ですが、
支店統廃合や合併などで当時取引のあった支店が
今現在はどこの支店になったのかが分からない場合等は、
本店に問い合わせをするか、手当たり次第に、
それらしい支店に問合せすることです。

 手間はかかるものの、
本当に口座を開設していたかどうか?
それすらあやふやな場合でも
この手続きをすることで、
口座の有無の確認は可能になります。

 金融機関側からすれば、
余計な事務作業、となるかもしれませんが
こちらの事情を考えれば最終手段として
行使することもやむを得ないでしょう。

 このような事態を招かない為にも
この手の情報については親子間で
適当な時期に共有化しておくこと。

 これが何よりの予防策なのです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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