【今日のポイント】

 前回に引き続き
相続に関しての「素朴な疑問」
にお答えします!

 

【なぜ税務署は相続発生を知る?】

 前回は
故人が取引していた金融機関を採り上げましたが、
税務署はそれ以上に相続の発生について
完璧に把握しています。

 これは、「相続税法第58条」

~市区町村の戸籍課は
死亡届が提出された場合
その事実を所轄の税務署長に
連絡しなくてはいけない。

 と規定されているからです。

 死亡届は7日以内の提出が決められています。
この手続きをしませんとその後の手続きに
進むことが出来ません。

 戸籍課からの連絡を受けて税務署は
死亡した方の不動産の保有状況、
過去に確定申告があればその内容と実態の確認
過去の相続の有無や相続税発生の有無の確認を開始します。

 その結果、気になる点があれば、
確定申告の申告と相続税の納付の済んだ後に
税務調査の実施に動くことになるのです。

 

【タンス預金も発覚は時間の問題】

 いったん金融機関に預け入れをすれば
その履歴は確実に残ります。

 現在保有する通帳には、引き出しの記録が無くても
過去に遡られればすぐに事実は判明するのです。

 では、開き直って「もう使いました」
と説明(になっていませんが)すれば…

税務署側は「何に、何時使ったのですか?」
「証拠になる購買記録はお持ちですか?」と
畳みかけてみます。

 疑いの目を持たれたら、
自宅への税務調査が実施され
更には天井裏から庭の掘り返し、等など、
容赦ない追及に及ぶこともあるのです。
(無論、悪意ありと見做されたらですが)

 タンス預金でも追及を逃れるのは
ほぼ、不可能と理解しておいた方が賢明でしょう。

 

具体的な税務調査については
以下のリンクを参照して下さい。

税務調査

 

【負債は「法定相続」】

 これは実際の事例がありました。

 遺言で子供への相続の配分が偏っている内容であっても
相続人が了解していればそのまま相続は確定します。

 仮に、3人の子供が相続人とします。
遺言書では長年面倒を見てくれた長男に財産の1/2を
残る2人に同1/4づつを相続させるとあったとします。

 本来の法定相続分であれば各1/3づつのはずですが、
3人が納得したため、相続が確定しました。

 ですが、
相続確定後に父親に借金があったことが発覚しました。

 このような場合、
相続債務(借金、負債)についても
遺言にあった相続の配分で負担するのでしょうか?

 長男が他の2人より多くの財産を相続しているのだから
応分に借金を負うのが当たり前と思えるのですが…

 実は違うのです!

 相続債務(いわゆる借金)は
法定相続分に従って負担するのです。

 この考えは判例によってこの取り扱いが確定されています。
(昭和34年6⽉の最高裁の判例)

※その後の平成21年3月の最高裁の判例では
相続債務についても相続分の指定の効力を承認し、
指定の相続分に応じて権利行使が可能とされてます。

 これによって債権者が承認すれば、
法定相続分でない債務の分割が承認されることもある
という事です。

 この点は今回の改正によって
相続法902条の2として明文化されました。

 ですが、あくまでも基準は
法定相続分での債務負担であることに違いはありません。
債権者が1/3を主張した場合はこれが優先されます。

 事例の場合、長男以外の2人の子供は
1/4の相続であっても、
借金は1/3を負担することになったのです

 事前の相続財産の調査には
念には念を入れなくてはいけない理由の一つは
こういったケースを防ぐ為とも言えます。

 

【自筆証書遺言の要件緩和】

 この1月から、いわゆる財産目録
~不動産登記内容、預貯金の金融機関名、口座番号、自動車の車種、登録番号等
は自筆でなくても構わないことになりました。

 第三者の代筆、パソコンでの作成、
そして上記書類の「コピー」でもOKになります。
但し、全てのページに署名、押印は必要ですが。

 コピーの場合、気になる点がありました。

1)コピーは白黒でも構わないのか、カラーコピーなのか?
2)原寸大でなくてはいけないのか? 
3)コピー紙のサイズに規定は?
4)1枚に2通、または複数の資料の通帳の写しをまとめてもいいか?

 これらは実際に問い合わせもあり、私も即答が
出来なかった質問でした。

 複数の法務局出張所への聞き取りによると
1)カラーである必要はありません、内容が明瞭に視認できれば
2)原則として、原寸大のコピーが望ましい
3)原則はA4ですべて収まるので、A4であれば問題はありません
4)2) 3)の回答から これは再提出を求められる可能性があります

 下線を引いた個所はいかにもな言い回しですね。

 要は、こちら側が大丈夫と判断しても、
最終判断は先方に委ねられているのです。

 1回で済ませたければ、
先方が好ましいという方式での作成が無難ということです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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