【今日のポイント】

 高齢者(の親)を子が虐待!?

いきなりショッキングなタイトルですが、
高齢者虐待とはどういう行為を指すものか、
詳細を知る人は意外に少ないのです。

 つい無意識に、
つい安易な考えから…
でも、場合によっては
立派な虐待に当たる行為を
貴方はしているかもしれません!?

 

【高齢者への虐待】

 この法律の正式名称は
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」
といい、2006年4月1日に施行されています。

 国と地方公共団体、国民の責務、
被虐待高齢者の保護措置、
養護者への相談・指導・助言などの
支援措置を定め、
施策の促進と権利擁護を目的としています。

 ここで規定する「高齢者」とは
65歳以上(介護を要しない者も含めて)で、
「養護者」とは家族など高齢者を
現に養護する者と定義されます。

 具体的な「高齢者虐待」事例としては、
養護者や養介護施設・養介護事業等の従事者などによる、

(1)身体的虐待
(2)ネグレクト(著しい減食・放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置)
(3)心理的虐待
(4)性的虐待
(5)経済的虐待(高齢者の財産を不当に処分したり、不当に財産上の利益を得ることで、親族による行為も該当)

この5つを規定しています。

 

【無意識?の虐待】

 上記5つの中で、
家族が意図しないまま
「虐待」に繋がる行為としてしがちなのが
(5)の経済的虐待です。

 高齢者名義の預貯金口座から、
本人の承諾なしに家族の生活費の一部として引き出す。

 高齢者に頼まれた以上の額を引き出し、
その旨を事後承諾で「うやむやにする」

 同様に高齢者の保有する
不動産や有価証券類を
本人の承諾なしに売買する。

 同居中の場合は、
特に親の資産管理の名目で
印鑑やキャッシュカードを
子や孫が管理することが多く
自由に利用可能な状態が
常態化しているので、
より発生確率は高まります。

 実際にやりとりした実例の中には
「親が施設の入所したら
自動車で送迎やお見舞い等にいくことになる、
だから新車に買い替えなければ?」

このケース、
親はまだ心身共に健康だったのですが…?

「親に元気になってもらいたいから、
親孝行に豪華な温泉旅行に連れ出す。」
但し、費用は親の財布に全面依存する予定…?

 確かに、
親の方から申し出があった場合もあるでしょう、
ですが残念ながら概ね事後承諾や、
孫を使っての「泣き落とし」といった
「追い込み」によって、
親の意思に反して出費を強いていたのです。

 より甚だしいのは
自分たちの生計費を全額親の財産に
依存しているケースです。

 特に、50代、60代で
退職後の仕事がうまくいかなくて、
つい親の財布から追加費用を捻出させたり、
生活費の一部、又はほとんどを依存したり、
年金収入にまで手を伸ばすケースが目立つのです。

 親が施設に入所中であったり、
判断能力が不十分になっていた場合等は
まさに独壇場と化すのです。

このケースでは、
弁解の余地はないとみていいでしょう。

 

【虐待は露見するもの】

 家庭内のことだから、外部には知られない。
 ATMで引き出す分には怪しまれることはない。

 これが意外に多くの事例で外部に発覚するのです。

 先に紹介した
「高齢者虐待防止法」の後段には
「虐待を発見した者」は
「市町村に速やかに通報する努力義務があり」
と明記されています。

 入所中であれば
養介護施設、病院のスタッフとの会話の中から、

 病院での検査中に
保健所のスタッフや、医師、保健師等に
「愚痴や不満」として親から話を聞かされていたら?

同法では、
前述した彼らには虐待の早期発見に
努めなければならないとも記載されています。

 高齢者の様子や言動から
経済的虐待の疑いを持った場合、
市町村へ通報され、
事実確認として市町村は
安全確認の為の立ち入り調査も
視野に入れてきます。

 他にも親の友人や知人が
「ここ数年、着た切り雀ではないか?」
「最近浮かない顔をしている」
といった外観からの変化から
異状を察知して通報というケースもあります。

 自分たちだけが
口を閉ざしても実態は漏れるのです。

 

 さらに親の口封じとして、
身体的、心理的虐待を行えば
より深刻な事態を招くことは
言うまでもありません。

 別居中の兄弟姉妹がいれば、
親の資産の状況を知ることも可能です。

 彼らが親と同居中の親族に
不信感を持てば、そこからも通報の可能性が生じます。

 この様な場合、
哀しいことに親の生前に
「子供同士の財産争い」
醜態を晒すことになります。

 下手をすれば、
相続人の廃除の恐れも出てきます。

廃除とは、
親(被相続人)の意思に基づき
家庭裁判所が相続人の相続権を
失わせることが出来るというものです。

 
相続人の廃除をできる場合は3つの場合です。

 ①推定相続人が被相続人に対し虐待をしたとき
 ②推定相続人が被相続人に重大な侮辱を加えたとき
 ③推定相続人にその他著しい非行があったとき

 ①に該当すると判断される可能性は十分にあるのです。

 シニアになって、
安易な(第二の仕事の)選択で
生活苦に陥った挙句、
親の財産の相続権まで
喪うことになっては
何のための第二の仕事だったのでしょうか?

 親子といえども、財布は他人。
一家を構えたシニア世代であれば、
この常識だけは肝に銘じておくべきです!

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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