【今日のポイント】

 仕事をする大前提は心身共に健康であること、
特に個人事業者にとっては死活問題になるのです!

 今日は、私自身が実際に味わった
個人事業、特におひとり様の事務所ならではの
リスクについて綴ってみました。

 これからひとり起業を目指す方は
参考にしてもらいたいと思います。

 

【起業・独立で大切な事】

 起業や独立で大切な事、
このサイトでも何度も書いてきました。

事業計画の具体性、
資金計画の正確性と安全性、
事業内容と市場ニーズの適否

等など、
自営業、個人事業主を目指す場合の
外骨格の部分について手を変え品を変え
その重要性について紹介してきました。

 これらの重要性(リスクを含め)は
無論言うまでもないことですが、
もう一つ、
起業前に向き合っておくべきことについて
今迄指摘していませんでした。

それは、

 「心身の健康問題」です。

 

【悲惨な体験】

 今更改めて、それ?
と思う方も多いことと思いますが、
こればかりは体験しなければ
その危険性、重要性については
認識出来ないと思います。

 実際、私は
開業以降大病にも事故や怪我にも
遭遇せずに昨年8年目を迎えました。

 そして、想定外の事態に陥りました。

 春先にふと感じた膝の違和感を
多忙を理由に放置したままにし、
あろうことか自己流の屈伸運動を
続けながらだましだまし業務を進めていました。

 そうしたところ、
夏季休暇を目前にしていたお盆前の
ある朝に床から起き上がることも出来ない程の
激痛に襲われました。

 トイレに行くにも難航するほどで
その日は保有していた湿布薬を貼ったり、
包帯を引っ張り出して膝を固めるなどして
安静を保ち、翌日に這うようにして整形外科へ出向きました。
(実際はドアトゥドアでタクシーでしたが)

 レントゲンからMRI検査まで
一通りの検査の結果は「半月板損傷」
とそれに伴う筋肉の炎症でした。

 この時点で
「全治まで1年は覚悟」と言われました。
初期の時点では炎症で留まっていたようで
累積した負荷が最終的に修復困難な状態に
なったようだと伝えられました。

 まさに 後悔先に立たず! でした。

 医師からは
「最低限の歩行以外歩行禁止」
自宅安静で通院も自動車移動を推奨します
とのことでした。

 まずこの結果、
出張面談が不可能になりました。
私のひとつの「営業の売り」だったのが、
先方の都合最優先でこちらから出向く
「フットワークの良さ」でした。

 何件かその線で進めていた相談業務を
「取り止め」せざるを得なくなり、
定期的に開催してきたミニ講演会や
セミナーも立ち仕事であることから
自動的に開催不可となりました。

 辛うじて、
事務所での対面相談だけは可能でしたが、
改葬や相続財産調査と言った
現地調査が絡む新規の相談業務については
相当な時間的猶予を承認して頂くか、
他の士業の方を紹介するかを迫られました。

 

【重なる試練】

 更に、悪いことは重なるもので
先の見えない治療を続けているうちに
秋口からは咳が止まらなくなりました。

 ここでもせいぜい風邪、と甘く見て
市販薬と喉スプレーで対応していたところ、
肺が痛むほどの咳になり、
会話が出来なくなるほど
重症化させてしまいました。

 ここまで重症化してから
漸く内科へ出向きました。
全く学習しない対処です・・・

 医師の診断は「重度の気管支炎」でした。
おまけに微熱ではありますが発熱も始まり
完治に努めないと免疫力低下から
最後はインフルに感染しますよ!?
と脅され、ついに覚悟を決める事になりました。

 流行性感冒(風邪)
といっても軽視出来ません。
相談業務の最中に咳き込みだしたら?
私の極小の事務所では一発で菌が充満するでしょう。
そんな中に相談者を招くことなど論外です。

 マスク程度で抑えられるような咳でもない為
事ここに至って、事務所閉鎖を余儀なくされました。

 膝のせいで気管支炎になったとは思えませんが
今思えば整形外科の外来患者の多くは咳き込んでましたし
熱っぽい顔つきの患者も少なくありませんでした。

 結局、初期対応の拙さが
連鎖反応的な負のスパイラルを招いたのです。

 

 自己を過信し、健康管理を甘く見た結果は、
トータルで「4か月間の休業=無収入」
を余儀なくされました。

 

【今思う事】

 膝に関しては、
ほぼ1年を経過した今でも通院中です。
症状も一歩前進半歩後退
のような状態が続いています。

 気管支炎と風邪が完全に治癒するには
予想外の3ヵ月を要しました。

 今年に入って、
ようやくここまで業務延期を承諾して頂けた
相談者への対応が再開できるようになり、
1月はお詫び行脚と「初回相談」の実施に追われました。

 この業務、受任して業務を遂行することで
初めて業務報酬を請求し、領収するものですから
1月時点でも無収入が続きました。

 開業以来初の、
そして恐らく生涯最大の前年実績大幅割れです。

 今回の確定申告では、
月別の収入欄に「0」を重ね
初めて「特段の事情」と言う項目に
昨年の窮状を説明する文章を記述する
「屈辱」を味わったものです。

 少なくとも
常時人と接するような仕事の場合、
伝染病罹患は
絶対的にあってはならないアクシデントです。

 それに加えて、
特に物販や飲食に携わる場合は、
立ち仕事が主となります。

 私のように膝や下半身の故障は
これまた致命傷になるのです。

 会社組織に属していれば
例えば休業補償や有給休暇といった
セーフティネットがあります。

 ですが個人事業、自営業には
それはありません。

 体調管理も自己責任100%の世界なのです。

 

 また、何とか通常歩行までは復帰した
今だからここに書くことが出来るのですが、
さすがに12月の繁忙期にも関わらず、
自宅でぼんやりするしかなかったある時期に、
初めて焦燥感とある種の恐怖感を覚えました。

 肉体的なダメージから
精神的な不安定感に襲われました。

 ひとり起業なら、(こんな事態も)起こって当然!

 口では言ってきた事だった。
 頭では分かっていると思っていた。

 ですが実際に我が身に降りかかった時、
そんな生半可な認識は簡単に掻き消えました。

 このまま歩けなくなるのでは?
 喉が潰れるのでは?
 こんな状態で天災が起こったら?

 どうにも落ち込むような、滅入るような
想像だけしか浮かんでこなくなったのです。

 

 起業・独立を目指すなら覚悟が必要と
常々言ってきた自分自身が情けなく
たかが、怪我と病気でここまで追い込まれるのかと
身をもって痛感しました。

 

【改めてわかったこと】

 起業、独立で第二の仕事を考える場合、
心身の健康状態は大きな比重を占める。

 私の経験も、ポジティブに考えてみれば
「待っていただける相談者を持てた。」
ことが大きな支えとなったのは確かでした。

 これがもし、開業2~3年目、
いえ5年未満であったら、間違いなく
「そして誰もいなくなった」
「振出しに戻る」
状態は必至だったと確信します。

 仕事の基盤が不十分な時点で
心身に問題を起こしては立て直しには
相当な努力と忍耐を要する事と思います。

 そうなった場合、
その状況に耐えられるメンタルを持っていられるか?
無収入状態でも当面は凌げるだけのストックを持っているか?

 手前味噌ですが、
私は起業時には「最低3年は無収入」
を前提に資金面の基盤を固めておきました。

 今回のアクシデントは
「遅れて来た無収入期」
と思えば
年末に陥ったような不安感は
生じなかったはずです。

 喉元過ぎれば何とやら、

起業10年で
早々と開業時の覚悟を
どこかに置き忘れてきたようです。

 

 さて、私の拙い経験から言わせて頂きますと、

起業を目指す中、
体調面に関して、
少なくとも現時点で
自覚できる不安要素があるならば、
徹底的にそのリスク要因と向き合って
可能な限り解消、克服しておくことを
最優先として下さい。

 

 いい物件(事務所や販売店)が入手出来た!
 融資が認められた!
 既に顧客を確保している!
 
 開業に直結する懸案事項が
全てクリア出来たとしても
肝心の体調面に
一抹の不安があるままに
見切り発車してしまっては
後戻りは出来ません。

 それが何時発症するか?
タイミングによっては
せっかくの計画も水泡に帰します。

 仕事においても
見切り発車や独りよがりの判断で初めて
いい結果になる事はまずありません!

 
 始めてから何とかしよう
 その時はその時、何とかなるだろう
 
何とかならなくなったら
どうするつもりでしょう?

 私の携わる仕事の場合は、
受任前に
「万が一業務遂行途中に、
何らかのトラブルで
期限内の履行が難しくなる場合には
提携する同業者と共同、あるいは
業務委託する場合があります。」
という説明をしています。

 特に一人事務所の私の場合、
こういった業務上のセーフティネット構築は
信用問題にも関わる必須案件でした。

 幸か不幸か、
今回に限っては
この説明をする事例が
4回ありましたが、
ありがたいことに
全て業務の延期を了承して頂けました。

 ですがこれは
私にとっての「黒歴史」であることに
変わりはありません。

 宮仕えから解放される自営業、
一国一城の主となる個人事業主。

 耳障りはいいですが、
その裏にはこの様な「棘」が生えていること。
私の経験談から少しでも分かって頂ければ
あえて恥を晒した甲斐もあるというものです。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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