【今日のポイント】

 人生100年時代、75才年金支給、生涯現役…

 高齢社会に関する話題が目白押しの中、
内閣府の老後の生活設計と公的年金に関する世論調査が発表されました。

 「何歳まで収入を伴う仕事をしたいか」
というアンケートに対する回答はいささか驚きでした。

 最も多くを占めたのが
61~65歳の世代で、これが全体の30,7%で最多だったのです!

2番手が66~70歳世代で21,5%。
なんと現役世代である51~60歳世代が3番手で
ここでも18,8%という高率だったのです。

 この結果を見ると、
本音で仕事続けたいと考えているのは
実は60代前半までという事になるのです!

 

 今日はこのデータを通じて
私が相対したシニアの仕事探しの
最近の傾向を紹介したいと思います。

 

【なぜ仕事をするのか?】

 この問いかけに対する回答では
経済的にゆとりのある生活をしたい
働かないと生活が成り立たない
が当然のごとく多くを占めてます。

 微妙に違いがありますが、
共通するのは「必要に迫られて」でした。

 ただ、老後の生活設計に関しては
主な生活資金として考えるのは
「公的年金と個人年金の組み合わせ、
さらに貯蓄などを組み合わせる」
という回答が、なんと56,1%
過半数を占めています。

 先のデータと単純に合算して考えると
今の会社を定年退職(又は早期退職)して
再就職や、転職して65才の第二の定年時まで
(雇用延長ならその期限一杯まで)は働いて
その後は公的、及び個人年金と貯金のやりくりで
新たな仕事に就かずに生活していく…

というスタンスが見えてきます。

 ですが実際にそんな生活が可能でしょうか?

 公的年金は、最近75才からの支給開始を検討
といった(油断ならない)提案が出る有様です。

 ある程度の蓄えがある場合でも、
病気や事故、天災等があれば一気に減少します。
自分以外であっても配偶者や子供や孫に何かあれば
同様に一気に高額出費を強いられることは
避けられません。

 こう考えると、
60才以下の世代にとって
「今の生活を維持する」
「最低限の生活レベルの見直しで済ませる為に」
60才以降も仕事を続けることは
当然のことと捉えるしかないのです。

 なぜ仕事をするのか?

 これまで相談を受けてきた
多くのシニア世代の方に共通したのは

「仕事をしたい」というよりも
「仕事をしなくてはいけない」というのが
シニア世代の実状と言えるでしょう。

 

 

【転職・再就職に求めるものは?】

 定年後の仕事を考える方の中には
ごく少数ですが、傍から見ると
非常に羨ましい生活を送っている方がいます。

~年金と貯蓄で生活に不自由はないが、
お小遣い程度の稼ぎはまだまだ欲しい。

~おカネの問題は全くない!
再就職の目的はボケ防止と共に、
社会と接点を持っていたいから働きたい。

 こういう目的の場合は、
「安・近・短」を重視する傾向にあります。

 ここの収入で生活費を支える訳ではないので
まさにお小遣いレベルの金額でも可であり、
今の自分の能力やスキルで対応できる業務内容で
通勤に便利な近場の職場を望み、
1日フル稼働の業務でなくとも週に3,4日の
パートタイム勤務でも構わない。

 具体的には、各自治体が管轄する
シルバー人材センターに登録し、
そこから紹介される仕事に従事することで
達成出来るレベルです。

 大雑把ですが、
この場合は月に10万円前後でも
十分(要望が)成立することになります。

 

 更なる稀な事例としては
従来は会社勤めと共に
父親や親族の経営する会社の役員として
二足のわらじを履いてきたものの
定年を機に「経営者」一本化になる。

または資産として保有する不動産収入で
生活費を捻出できるというまさに
悠々自適なセカンドライフといったケースも
無い訳ではありません。

これらのケースは厳密な意味での
転職、再就職とは分けて考えたいものです。

 

 このような
(羨ましい?)少数派は別にして、
その他の60才前後の
「シニアの中の若手」
が抱える最大の課題であり問題なのは、
生活レベルの維持に必要な
最低限の収入を働くことで確保すること、

これに尽きるでしょう。

 次章から、これからの生活の為に、
安定した一定の収入を得るために
転職や再就職、起業・独立を目指した
60才以下の相談者の方と話した時に
感じたことと、それに対しての指摘を
中心に紹介していきたいと思います。

 

【職務経歴書に何を書くか?】

 今更ですが、相談者が
前の会社(在職中の場合も含め)で
役職者、管理者だった場合に
未だに目立つ勘違いがあります。

 私がこの手の相談を受けた場合、
実際に過去に提出していた現物(の経歴書)や
これから使用する予定の下書き原稿を
持参してもらったり、
面談時に口頭で自己紹介を兼ねて
これまでの職務経歴を話してもらうことも
あります。

 残念ながら、いきなりのスタート時点で
躓いているケースが、少なくありません!

 既定の枠を大幅にはみ出して
今までの所属部署を目いっぱい記載している。
今日に至るまでの(輝かしい)役職の履歴を列挙。
具体的数値のない業務成績と漠然とした自己アピール…

 履歴書、職務経歴書の書き方でアウトのケースです。

 転職、再就職の募集をかけている相手が知りたいのは
今の実力であって、若かりし頃の「武勇伝」では
ありません。

 具体的な実績とそれを成した要因と
自分との関り(実務遂行か、指示命令の立場か)が
簡潔にまとめられ、その実績が募集をかけた会社、
または職場で如何に活かせるか?
どれだけ業績に貢献が期待出来るのか?

 過去のアピールではなく、
今の自分の売り、強みを
具体的にイメージ出来るような
構成にすることが重要になってくるのです。

 この課題をクリアしている履歴書は
作成には苦労します。

 何せ、相手によっては自分の中の
どの強みを前面に立てた方が
より効果的になるか変わってくるからです。

 記載内容にも「優先順位」があるのです。

 その為には、相手の内容、状況を
ある程度事前に把握しておかないといけません。

 そうなると、
当然ながら応募先も厳選せざるを得ません。
記載内容に違いが出るのは当然のことになります。

 これに対して、
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」
「どこでもいいから職に就きたい」
的な考えのままに作成する場合、
各社の業績や沿革、その分野には
さほど関心はないのです。

 過去にはこういう実績を挙げてます。
過去に免じて、今の自分を評価して下さい。

 今はどうなのか?
なぜ、当社(に転職。再就職したい)のか?
この点が不明瞭な内容である限り、
受け手には貴方の熱意が伝わるはずはありません。

 せっかく自由に表現することが許された
場所をむざむざ「マイナスの自己アピール」
=今の自分の自信のなさの裏付け

の場にしていては、泣くに泣けません!

 相談者の中に
「いや~具体的な問いかけや設問があれば」
「適確に答える自信はあるんですよ。」
という方がいらっしゃいましたが、
完全に勘違いしています。

いちいち指示を出さないと機能しないような
管理職を、わざわざ中途で採用する会社はありません。

 

【判断基準の適不適】

 次に目立った心得違いの例としては
転職を目指している50代現役社員の方から
「同じようなキャリアの同僚、先輩が
転職に成功したので自分も」という相談のケースです。

 いろいろな斡旋会社のサイトに人材登録をする他に
積極的に人材派遣各社等に足を運んでいるとのことでした。

 どうも、本音のところでは
「自分より劣っていた」同僚や先輩が
転職に成功したという点に
妙な自信を持っているのです。
(独立・開業にも当てはまります)

 全てがこうだとは言いませんが、
前例はあくまでも前例です。

仮に実際に、
相談者より実力が劣る同僚や先輩であっても
その時、その会社にとっては
最適な人材と評価されたのです。

 求められたときに、求める会社に巡り合えた・・・

 転職できたという表面的な事実のみに目を奪われ
その背景、理由、について考えが及んでいない。

 時機を得なければ、いくら才能があっても
無用の長物になるのはよくあることです。

 要は、その(転職成功の)前例は
「求められて」の転職だったからではないか?
という考えを持つべきなのです。

自分から「売り込んでの」転職とは
その意味合いは大きく異なります。

 成功するヘッドハンティングは
最高の人材よりも最適な人材を選ぶ
と聞いたことがあります。

 身近に転職成功者がいた場合、
上記の違いを見極めておかないと
自分もうまくいく! 
自分ならもっとうまくいく?
といった勘違いのまま
見当はずれの転職活動を
続けてしまい、結果に結びつかないまま
無為に時間を浪費してしまうのです。

 時の経過と共に、転職の門は
遠慮なく閉じられていきます。

 

【行動開始時期の適不適】

 次に、現役社員から多く出てきた質問です。

いい話があれば、いつでも転職の覚悟はあります。」
「再就職については定年後の課題として
その時が来たら検討したい。」

 両方とも、現実を甘く見てる
というほかありません。

 前者の場合、
いい話が来るという前提は何なのでしょうか?
ほぼこの手の方で自分から転職サイトをチェックしたり
情報収集に熱心だった試しはありませんでした。

 後者の場合、
会社勤めの期間であっても
1年あれば再就職や転職に関する情報収集や
具体的な準備行動をとることが十分可能です。

 それなのに定年になってから考えるという!
定年までの1年?2年?それ以上の時間を
どう活用するというのでしょうか?

 問題の先送りは、せめて40代、50代(但し前半)
迄にかろうじて許された「特典?」です。

 定年後に悠長に「自分探しをする」余裕は
自分には無いと考えるべきです。

 とはいっても、
最近のニュースでこうも言われてます。

労働人口の高齢化に伴い、
再就職・転職市場の狭き門も
ついにシニア世代にも開かれた!?

 これは、事実でしょう。

 ですが、60才(定年)で
すぐに再就職への行動がとれる方と
60才から再就職の準備を始める方に
公平に門戸は開かれてはいません。

 

【問題は何処で根付くか?】

 転職でも再就職でも、
今置かれている現実と
ここ迄の自分の経歴を客観的に見ていくことで
転職するにしても、再就職を目指すにしても
自分は、いつから、何をすべきかは
自ずと見えてくるはずです。

 これまでサラリーマン生活、
会社勤めを続けてきた方には
「置かれた場所で花を咲かせろ。」
「置かれた場所で根を張るように。」
等の励ましや激励の言葉を上司から
かけられた経験があると思います。

 新卒で社会人になった時点では
自分はまだ何も成していない存在であり、
何をしたいか、何が出来るかも
わかっていない事を自覚していますから、
意に沿わない配属先であっても
経験を積む必要性はあったのです。

 ですが、50代にもなれば
自分の強みや弱み、適性や相性は
それなりに把握出来ているはずです。
(中には大いなる勘違いのまま
年だけ食ったという方もいますけど)

 だとすれば、次の仕事選びの場合は
「花を咲かせる場所に移る。」
「根を張りたい場所を探す。」
自由があるはずです。

 突き詰めれば…

 骨をうずめる場所(仕事)は自分で選ぶ。

 この権利はシニア世代(の第二の仕事選び)
に許された特権だと私は考えています。

 また、この考えは
起業・独立の場合にも該当することは
言うまでもありません。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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