【今日のポイント】

 早いもので、もう3月ですね!

 さて3月最初のブログは、
これまで受けて来た相続関連の相談の中から
本筋からは外れていますが、言われてみれば
なるほどという疑問や知っておいて損はない
案件などを、番外編として紹介したいと思います。

 

【なぜ名義人の死亡を銀行は知っている?】

 なぜ、
こちらから知らせていないのに
故人となった名義人の口座が凍結されるのか?

 という質問は結構多くありました。

 なぜ、
新聞の訃報欄に載るほどの著名人でもない
(一般庶民である)故人の銀行口座が
かくも速やかに凍結されるのか?
イコール名義人の死亡を知るのか?

 この点については、
私も他人事ではないぞと!?
一方の当事者である知り合いの銀行マンに
尋ねてみました。

 彼が言うところでは、
多くの場合は以下のようなことから
名義人死亡の事実を確認してきたという事でした。

1)預金者と窓口担当者等が顔なじみだった。
  顔なじみどころか親戚だったという例や
 学校の先輩後輩、あるいは同級生といった
 日常生活を知り合っている同士だった例がありました。
 
2)担当者の通勤経路に預金者の住まいがあった。
  冗談のように聞こえますが、最寄り駅と勤務先の間に
 口座名義人の住まいがあり、その事を担当者が名義人から
 聞かされており、通勤途上に「喪中」に気付いたというケースです。

3)おせっかいな友人、知人が口にした。
  聞いてもいないのに、
 おしゃべり好きなお客の口から伝わったというケースです。

  故人と面識があり、共に同じ金融機関に口座を持っている事から
 無意識に世間話の中で口にしたという事例もありました。

 

 ここまでのケースは、
当事者からすれば非常に不本意なことですが、
ある意味「もらい事故」で避けようがないものとして
覚悟はしておくべきでしょう。

 この様な理由で、明日の生活費にも苦労するような事態に
陥らない為にも、ある程度の額を故人以外の名義で口座を設ける
「タンス預金」等で自己防衛を図ることが大切になってきます。

4)自身の不手際?
  他責ばかりでなく、自身が原因となっていた例も無論あります。
 本人の代理として引き出しに向かい、窓口でのやり取りの中で
 うっかり名義人の死亡について話しているケース。

 実際の例としては、
 ~では、お引き出し金額をご記入ください。
 ~かなりの額になりますが、お持ち帰りは大丈夫でしょうか?
 といった何気ない窓口の言葉につい油断してしまい、
 「すぐに隣の病院に支払うんで大丈夫です。」等と
 漏らしてしまい、

 ~どういった理由でしょうか?
「え~っと、実は・・・」

 確実に担当者は確認を始めるのです!

  こうなっては相手はプロです。
 遺言書もなく、分割協議書もないことを
 口頭で確認次第、即座に口座は凍結されます。

  どの銀行印かがわからずに窓口に確認に出向いた際に
 名義人死亡の事実が判明してしまうケースなどがあります。

 先方も職業ですから、
例えば今までは必ず名義人が窓口に出向いて
引き出しや預け入れをしてきたのに
今回初めて他の家族が代理で出向いた場合等は、
その時点で警戒警報を鳴らすと知り合いの銀行マンは言ってました。

 ちなみに運よく(?)
名義人の死後に預金の引き出しが成功したとしても
仮に自分以外に複数の相続人がいる場合は、要注意です。

 全ての相続人が了解の下での引き出しならばともかく、
誰にも事前の断りを淹れないままに事に及んだ場合、
「悪質な相続財産の先取り」として、争続の元になります。
最悪な場合は、親族から「横領の嫌疑」がかけられ、
税務署からは「徹底した税務調査」がかかることも
ありますので、覚悟して下さい。

 

【証券口座が分からない!】

 最近は株取引もネットで殆どの手続きや情報の収集が可能になりました。
故人が証券取引をしていたことは知っていたものの、
その内容については本人しか把握していないというケースは珍しくありません。

 私も複数の証券口座を持ってますので
多くの作業をネットを介してのやりとりで済ませています。 

 株の取引をしている方はご存知だと思いますが
年末になると郵送で年間の取引に関する書類が届けられます。

 さて、このケースでのトラブルは、
その様な郵便物にお目にかかったことがない。
本当にそういったサービスはされているのかというものでした。
せめて取引していた証券会社を把握していれば相談も出来るのですが、
それすらわからなければ、確認の仕様が無いのです。

 これは家族の中で故人しか株取引の知識がなく
郵送された(はずの)当該資料も本人宛ですから、
本人自体はネットで情報内容は既に確認している為、
届くと同時ににゴミ箱行きだった為のトラブルでした。

 そして、突然の事故や病気で本人が死亡した場合
何も聞かされていなかった相続人(子供たち)が
四苦八苦する羽目になったのです。

 せっかく送られて来た紙の資料は
その都度廃棄されており、ネットの履歴を見ようにも
当人からIDもパスワードも聞かされておらず、
家族もその確認を怠っていたのです。

 

【自動車の名義変更】

 本来は自動車は立派な相続財産ですから、 
売却や廃車の場合に銀行手続きと同様の手続きが求められます。
遺言書が無ければ遺産分割協義による相続人全員の合意を要します。

 ただ、これはケースバイケースとも言えます。

 故人が所有していた自動車が評価額で100万円以下、
さらに相続人が一人息子の自分だけ等という場合には
「遺産分割協議成立申立書」を用意するだけで
手続きは済みます。

※厳密には100万円以下の査定の車で相続人全員が
 合意しているのであれば全員の署名捺印は不要で
 相続人一人だけの申請で認められるというものです。

 参考までに近畿運輸局のサイトをリンクしました。
 遺産分割協議成立申立書

 
 では、相続人が自分ひとりなので
(以前から親のクルマを借りていたので)
名義変更を後回しにしたまま乗り回していて
事故を起こしたら?

その結末は言うまでもないことですね。

 今後も継続して使用するのであれば、
早急に相続手続きを済ませましょう!

 

【カード解約】

 何度も書いたことですが、
クレジットカードを保有していた場合
どういう引落しがされていたかを知っておくことです。

 通販でのオーダーの履歴は確認出来たでしょうか?
ミネラルウォーターなどの定期購入の契約はないでしょうか?
何かのサイトの年会費や、有料TV等の受信料引落し、
新聞、雑誌等の定期購読の引落し、
ネットのプロバイダー契約、公共放送の受信料、携帯電話、等など

 もっと基本的なものでは
故人が一人暮らしだった場合は
電気、ガス、水道などの公共料金や
月極駐車場の支払いなどはなかったでしょうか?

 目先の生活費確保のために
口座凍結を引き延ばした結果、
却って全く無用な故人に起因する出費が
毎月発生していては元も子もありません。

 口座を凍結すれば
引き落としは止められますが、
請求が無くなるわけではないので
その存在を知らないまま放置を続ければ、
ある日膨大な額になった請求が届けられることも
覚悟しなくてはいけません。

 振り込みの場合も、
所定の手続きを済ませて契約解除を進めなくては
先の事例と同様に高額請求を突きつけられる恐れがあります。

 離れて暮らす親の場合だけではありません。
相談している方自身もこれらの情報を家族の誰かに
伝えていなければ、同居していても結果は同じです。

 親子間に限らず、夫婦間でも「出費が発生する」
案件については情報開示と共有を心がけて下さい。

 

 【戸籍謄本等】

 相続の場合も、その後の名義変更の場合でも
必須なのが戸籍謄本等の書類です。

 この点を説明すると、良く出てくる言葉に
「でも、これらの書類って有効期限がありますよね、3カ月でしたっけ?」
「だから、今取得しても無駄になるじゃないですか。」
「私3カ月以内に死ぬ気はないですから(笑)」などがありました。

 確かに死ぬ時期が分かっているならば
その3カ月前の時点で書類を収集しておけばいいことです。
(まず実行は不可能ですが)
ですが、元気なうちに一通りの書類を集めておく事にも
意味はあるのです。

 本籍地を何度も変更したようなケースも
事前に情報を入手しておけば、たとえ期限切れになっていても
実際に書類が必要になった時に手許に「見本」は残っている訳ですから
収集にかかる時間と労力を大幅に短縮することが出来ます。

 有効期限を気にしなくて良い訳ですから、
本人が余裕のある時に(やはり60才前あたり)
自ら収集しておくことで後々の面倒を軽減することに繋がります。

 

 今回はここまでとしますが
今後も気になった相談や疑問等については、
時機を見てその都度紹介していきたいと思います。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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