【今日のポイント】

 今回は主に夫婦間で欠かせない準備を取り上げていますが、
親子間でも十分通用する内容もありますので併せて参考にして下さい。

 

【いつでも取り掛かれる準備】

 1)お互いの出生から現在までの戸籍謄本の収集。

   戸籍謄本で何を確認するのか?
  これは本籍地の確認です。

   なぜ、出生から現在までとされているのか?
  本籍地は自由に変更出来るからです。
  ですから、
  戸籍謄本は1部で足りるという訳ではないのです。
  
   典型的な例としては、
  サラリーマン家庭で、たまたま親の赴任先で
  生まれた為、そこが本籍地になったケースや
  あまり考えもせずに親(一族代々)の本籍地を
  そのまま踏襲したというケースの場合に、
  子供が本籍地を変更するのです。

   前者の場合、出生直後にまた親が異動してしまい、
  今となっては親も忘れかけているような地が
  自分の本籍というのはおかしいのではと、
  その後、子が長じて新たに永住の地を定めた際に
  そこに本籍を移すのです。

   後者は私の代ではよくあったケースで、
  転勤族なので、先祖代々の地を本籍にしておけば、
  異動の度に変更することもなくひと安心
  という考えから選ばれていたようです。

   この場合も現状に合った本籍にするという
  ある意味尤もな理由から本籍を移しています。

   複数の地に本籍が記録されていますので、
  場所によっては収集に手間と時間はかかります。

   ですが、その分早めに用意しておくことは
  後々手続きの際に時間的に余裕が出来ます。

   私自身も、上記の例のように
  社会人になってから親と一緒だった本籍地を
  実際の出生の地に移したので、
  2か所から取り寄せることが求められました。

2)戸籍を基に推定相続人の把握と家系図の作製
  
   離婚経験のある場合は、特に注意が必要で
  以前の配偶者との間の子の存在、養子の有無、
  結婚歴は無くても認知した子の有無を確認します。

   また、子がいない夫婦の場合は、
  お互い自分の兄弟姉妹に相続権が生じるので
  現時点での一族構成を把握することにもなり、
  詳細な家系図の作成が出来ます。

3)お互いの名義の財産の調査

   不動産、現金・預貯金、株券他有価証券、
  クルマ、貴金属、骨董品等・・・
  レアな趣味品なども場合によっては、
  高額査定の対象になるので
  自分勝手な判断で未計上しないように
  注意する必要があります。

4)個人専用で保有している金融機関の口座名

   表題の預貯金のデータと同様に
  配偶者に知らせず個人で運用している
  投資信託等があれば、それも欠かせません。
  
   特にネット証券のように紙の資料がないものは
  記録を残しておかないと、配偶者と言えども
  全くその存在に気付くことはありません。

   加えてこの口座で内緒で取引している通販各社との
  取引内容等も記録しておくべきです。

   特に年間契約等で毎月、毎年定期的に
  自動引き落としのは必須項目の一つです。

   その存在が配偶者にも知られていないと
  相続発生後も延々と引き落としが継続するのです!

5)保有不動産の現時点での評価額の把握

   相続税用に固定資産評価額と、
  売却時の参考に実勢売価の2つを調査します。

6)住宅ローン等の負債の有無と残高、連帯保証人契約の有無

   場合によっては相続放棄を覚悟しておくことも
  無いとは言えません。

7)個人関連の情報の共有

   カードの暗証番号、パソコンのIDとパスワード、
  貸金庫の鍵、カード、暗証番号等
  加えて前述したような支払いが発生する契約に関する
  パスワードや認証コードなど

   但し、これは最も抵抗を生じる案件なので
  この項目の扱いは自己責任でお願いします。

8)財産目録(お互いの)の用意

   登記簿謄本のコピー、通帳のコピー等 
  相続法改正によって、自筆証書遺言の場合
  来年1月17日から謄本や通帳等は
  このまま財産目録として使用が可能になります。

9)場合によっては遺言書の作成開始

   特に子がいない夫婦の場合は必須。
  他にも兄弟仲の悪い子がいる場合など
  後にトラブルの元を遺さない為の備えとして
  必要になります。

10)節税対策の検討

   ここまでの調査の結果、
  現時点での相続財産が基礎控除枠を超えることが
  確実ならば、節税対策を検討します。
  ~都度贈与や特例の適用等
  但し、来年度からの税制改正に注意する事。

11)推定相続人(主に子供)の実態把握

   子供の生活レベルや問題の有無など、
  兄弟間に生活の格差があるような場合は
  遺留分を侵害しない範囲での財産分与を考えたり、
  場合によっては家族会議を開き事前に家族で情報を共有する
    ことで、不毛なトラブルを防ぐことにもなります。

12)墓の始末や仏壇の購入の検討

   郷里に遺された墓の始末、改葬も含めて
  後世に問題を先送りしないことです。

   子の代で墓や仏壇を購入する場合には、
  その代金分の財産は相続時には現金であり
  相続税の課税対象になります。
  生前に墓や仏壇として購入しておけば、
  墓や仏壇としての承継になるため、
  相続税は非課税で相続が可能になります。

13)専門家への相談

   必要に応じて夫婦ともに、又はどちらかが
  セミナーや相談会、専門家への相談を行い
  基礎知識を習得しておきます。

   付け焼刃や、一夜漬けでは
  適切な対応はまず無理です。

 

   また上記13項目の大半は
  なんだかんだ言っても世帯主が主体となって
  進めるべき準備になります。

   世帯主=夫となるのが一般的ですから
  50代の世帯主である男性は率先垂範で
  ここに挙げた準備に取り組みましょう。

   もしかすると、
  今までは違う目で見られることになり、
  家庭内での地位向上にも役立つかもしれません。

        

【どちらかが入院した場合】

1)判断力が正常であれば遺言書の作成

   お奨めは公正証書遺言です。
  公証役場に行けない場合は
  病室で公証人が出張立会いで作成が可能です。

2)状況によってはタンス預金の開設

   口座名義人が入院の場合で、
  全ての口座が入院した人物名の場合は要注意です。
  全てが夫名義の場合、死後に口座は凍結され、
  葬儀代の工面どころか明日の生活費にも
  苦労するケースがありました。

   ただ今回の相続税改正で
  凍結口座からでも必要と判断された金額は
  引き出しが可能になりました。

   但し、施行日前にこの事態に遭遇したら
  今まで通り口座は凍結され、自由に引き出すことは出来ません。

   既に現時点で入院している、
  または重篤な場合は、事前に一定金額を引き出し
  =タンス預金化は必要と思われます。

3)入院時の預金残高を記帳する。
 
   相続人が同居している一人っ子だけなら別ですが、
  複数の相続人がいる場合、あらぬ疑念を持たれない為です。

 

 

 次回は、「相続が発生してから」何をすべきかについて総括します。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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