【今日のポイント】

 最近、再び50代を中心に
起業に関する相談が増えてきました。

 その中から、やってはいけない!
行動や考え方についてまとめてみました。

 基本は資格取得による起業時の注意ですが、
広く起業・独立全般にも通じるものと
思いますので、資格起業以外の独立を
目指す方々も是非参考にして下さい。

 

【活動的な無知】

 起業したらあれもやりたい、
これも扱いたい、次の資格を取りたい…

 非常に能動的、積極的に
仕事に向かう姿勢は一見すると
評価されることはあっても
注意を受けることはないのでは
と思われるでしょう。

 確かに、
まだ新参者で業界に詳しくないからと
あまりに行動に慎重になりすぎるのも
問題ありなのですが、
いろいろな分野に予備知識もないまま
手を拡げる、首を突っ込むことは
危険極まりない暴挙になる恐れが高いのです。

 行政書士の場合ですと、
法人対象の業務であれば
建設業や風俗店の申請業務や
入管関連の業務があります。

個人向けであれば、
離婚協議書作成、
相続・遺言関連業務、
最近では墓じまいを伴う改葬業務等

身近な範囲でも多様な業務が
取り扱うことが出来ます。

 ですが、それぞれの業務には
それなりの専門知識や経験に基づく
円滑な業務遂行能力が求められます。

 さらには
今日流行っている仕事は
明日には消えかける。
という厳しい現実があります。

 今ニーズが顕在化している市場には
その手の専門家や、ずば抜けた営業力のある
古強者がひしめいているのです。

 その戦場に何の経験もない
新人が飛び込んで果たして市場の一角を
占めることが可能でしょうか?

 私が士業を始めた頃には
遺言・相続や成年後見といった業務は
あまり今までその直前、又は
その場に遭遇しない限り、
直視しない、真剣に取り組まない
問題として扱われていました。

 それが僅かこの4,5年で
今では広く認識される「終活」となりました。
この「終活」という言葉自体、
10年前には「新語」扱いでした。

 自分の経験例を言うのは
いささか恥ずかしいものですが、
私は終活にもう一つ、「おひとり様」
を加えた問題提起を早々に始めました。

 ただ世間と同じ相続や遺言の専門家と
言うだけでは「その他大勢」から
抜け出せないことは分かっていましたから。

 また、これは
周囲からの声のおかげでしたが
サラリーマンからの起業経験が
「売りになる」ことに気づき、
本業とは無関係な業務として確立し、
今ではこちらが主流になりつつもあります。

 今の流行。先輩の成功例。
だけを指針としていたら、
恐らく早々に撤退・廃業していたと思います。

 話を戻しましょう。

 確かに何が上手く行くかはわからない、
だから何にでも手を出してみよう。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?
当たった業務にまい進すればいいいのでは?

 よほどの天才であれば別ですが、
スタート時から複数業務に精通するのは
かなりの困難を伴います。

 まずは一つ、強みを発揮出来る業務は何か?
その見極めをしてから第二第三の目標を立て、
計画的に業務に取り組むことが結果的には
(安定)軌道に乗るための早道と思います。

 ですが、
非常にポジティブで、ある程度自分に
自身のある方に見られた傾向はこの逆でした。

(ある業務を)少しかじった段階で
早々に結論を出し、他の業務に参入する。
これを繰り返すパターン。

 または、開業前に幅広い専門知識を
身に着けたいと、複数の起業セミナーや
成功確約?講座なるサクセスストーリーを
拝聴するようなセミナーに参加する。

 前者は決断力がある?
後者は仕事に前向きに取り組む?

 とも見受けられますが、
根本的にその業界(分野)の新人が
取るべき行動とは言い難いものです。

 実際にこの手の相談者との対談では
如何に自分が熱心に仕事に向き合っているか
スキルアップの為の努力が凄いものか
と、自己アピールし、自己満足しているのですが、
結果が伴っていない為、迷走を続けているのです。

 また遺憾ながら業界には
このような積極的な新米相手に
業界で成功する秘訣云々の名目で
「ひよこ食い」という商売を
生業にしている「先輩」もいるのです。

 即断即決、即行動でも
 小田原評定でもなく

 熟慮断行を常に意識して
起業に向けた行動を起こすように
しましょう!

 

【情報イコール知識にあらず】

 次のべからずは、
情報の収集には熱心なのですが、
収集自体が目的と化してしまい、
何の為の情報収集かが分からないケースです。

 自分にとって、仕事にとって
有益・有効な情報や優先順位の高い情報と
現時点では無視してい情報、確度の低い情報を
同列に収集するのでは無意味なのです。

 情報は吟味、選別することで
単なる情報のままのものと
知識として蓄積・活用に値するものとが
分類されるのです。

 引き出しいっぱいに
詰まっている情報量を誇るのではなく、
整然と整理された引き出しから
臨機応変に必要な情報を活用出来ること。

 これで初めて情報は知識へと変わるのです。

 

 生真面目なタイプの方ほど
この点の見間違いに陥りやすいので
自覚のある方は、要注意です。

 

【起業動機がネガティブ】

 未だに一定数が存在するのが
起業の根底にあるのがネガティブな思考
言い換えれば「怨念」のケースです。

 いろいろ修飾語を飾りたてていますが、
要は自分の適性・能力に見合った処遇、
職場環境ではなかったことを他責化するのです。

 ですが、指導する立場から見た場合、
どういうスタンスで部下を評価しているかを
考えてみて下さい。

「組織に貢献する者とは、能力が優秀な者ではない。
能力は並みの上くらいであっても組織に忠実な者を指す。」

 これは、あの「織田信長」の名言として
今に伝わる言葉です。

 能力主義で人材を抜擢してきた信長にして
組織での働きを個人の能力より評価しているのです。

 自身の能力を自負する(過信する?)者は
えてして独断で行動し、事後承諾で可とする
傾向がみられるのです。

 話は飛びますが、メジャーリーグでは
監督からのバントの指示を無視し、
強打した結果が決勝のホームランであっても
査定ではマイナスとされるそうです。

 上司からすれば「使いにくい厄介者」は
優秀な者であっても優秀とは評価しないのです。

 冒頭に書いた
「自分を使いこなせない組織、上司」
を見返すために転職、起業・独立する
というケースの大半は
「組織に貢献することが出来ない」
異分子としか思えない人物でした。

 
 また、ネガティブな思考には
直接会社や上司に不満をぶつけるのではなく
そういうめぐり合わせになった「運」を
理由に、会社を離れ新たな分野に進みたい
というケースもありました。

 この仕事には運がなかった。
(だから次の仕事に就けば運は良くなる)
(今のような人間関係は運が悪いから)

 哀しいことに人という生き物は
他人より低い評価を受けた時には
多くの場合、能力の差のせいとは思わずに
「運のせい」と思うものです。

 運に逃げるのも、結局は
他責にしてるだけの現実逃避なのです。

 

 

 この章でのべからずは、
特に転職や再就職で
再度会社組織に属するケースの場合、
絶対に「べからず」な動機になります。

 これに比べて、
士業、それも個人事務所の場合であれば
社内での人間関係は存在しませんし、
扱う業務も(法に定められた範囲内で)
自己責任で自由に選択出来ます。

 ですが、受任に至らなかった案件の際に
この手の方は「相手の不誠実さ、無知さ」
等に失敗の原因を押し付けます。
「他責ファースト」を撤廃しない限り
安定した業務獲得、事務所経営には
程遠い現実が続くだけでしょう。

 

 私がこの仕事に就いて、
相談業務が形になって約7年ですが、
依然としてここで紹介した様な
「べからず」を身に着けたままの
相談者は後を絶ちません。

 少しでも多くの方にここに書いた
案件を意識して、新しい仕事の選択を
進めてくれるようお願いしたいものですね。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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