【今日のポイント】

 冒頭の画像にあるように
最近は行政手続きの簡素化が進んでいます。

 行政手続き=行政書士の扱う業務分野であることは
言うまでもないことです。

 この動きが意味するものは何か?
今から士業で独立・起業を目指す場合、
この状況をどう捉えていくべきか?
これからは特に必要とされるものとは?

 資格取得での起業相談者とのやり取りを交えて
紹介していきたいと思います。

 

【新聞記事より】

 11月7日付の日経新聞夕刊の記事によりますと、
これまで家人が、特に世帯主が亡くなった際の
行政に提出する各種事務手続きはそれぞれの受付窓口に
出向き、必要とされる書類を作成、提出するのが
当たり前と「されてきました。」
※大部分の自治体ではまだ「されています。」ですが
 

 今回遺族が行なう各種手続きの中で
主なもので以下の手続きが一本化されました。

~世帯主の変更
~介護保険証返納
~国民健康保険の葬祭費請求
~市・県民税の相続人代表者の届け出
~死亡一時金の請求
~遺族基礎年金の請求等など

 今迄は
それぞれの手続きを担当する窓口に出向き、
それぞれの様式の書類を提出していたのです。

 大多数の人にとっては
この手の手続きは初体験であり、
加えてそれまで殆ど無縁だった役所です。
詳細なフロアレイアウトなど知る訳もなく、
庁舎内を右往左往しつつ、
必要な手続きを教えてもらい、再び窓口に出向く…

 かなりの手間とそれに伴う時間は
仕方ないものと覚悟したものです。

 このような煩雑な手続きを,
自治体の専用窓口一か所で全て受け付け、
担当の職員が付き添いで手続きを進められるのです。

 役所に不慣れな場合はもちろんですが
特に高齢者の方が手続きを行わざるを得ないような場合は
その利便性は非常に高いものになると言えるでしょう。、

 残念ながら、このサービスは
今はまだ一部の地方都市での実施に留まっていますが、
いずれはどの自治体でも「当たり前の行政サービス」
になるのは時間の問題ではないでしょうか?

 

【手続きの簡素化が意味するもの】

 これまでもマイナンバーカードの取得で
住民票の写しがコンビニで取得で来るようになったとか
いろいろ行政手続きの簡素化、よりユーザー志向の
改正が進められています。

 古くに遡れば、
運転免許試験場に続く通りには
申請書作成代行=代書屋が軒を連ね
免許証に印字される氏名等を
「和文タイプ」で作成していました。
~当時は自筆の氏名がそのまま
免許証に印字されるので、
おカネをケチって自筆した場合、
多くの方は悪筆の氏名欄を
何年も「晒される」ことになってました。

 今では信じられない話ですね、
正直な話、私が人生で初めて
「行政書士」事務所と遭遇したのが
このケースでした。

 先に挙げた住民票の取得も
今迄は平日の限られた時間内に
自治体の窓口に出向かなければならず、
「たった一枚の住民票」の為に
サラリーマンは有休を使わざるを得ない
状態でした。

 このように、
自身で処理する時間がないので、
おカネを払って手続きを代行してもらう。
その窓口が行政書士を始めとする
「士業」従事者でした。

 

 裏を返せば、
時間さえあれば自分で出来る手続きは
少なくなかったということです。

 

 とはいえ、
窓口が一本化されたとしても
諸事情によって窓口に自分で出向けない
という方が必ず存在します。

 高齢の方、外出困難な方、
平日は出向くのが困難なサラリーマン等
に対しては、別のアプローチが想定できます。

 例えば口座を開設している民間金融機関等
このような方に対し、各種手続きの代行サービスを
用意する事も十分想定出来ることです。

 

 このような
住民ファースト、
顧客ファーストな動きに対し、
専門士業である我々はどう絡んでいくか
いけるでしょうか?

 

 ショッキングな表現をすれば、
どんどん専門分野での取扱業務が
簡素化によって「商売にならなくなる」

 時代が目前に迫っていると
言えるのではないでしょうか?

 

【士業起業相談者との対話】

 先日もサラリーマンを続けながら
何度目かの挑戦で見事資格取得を果たした
40代男性から相談を受けました。

 この方は何度か自学自習での挑戦を
したものの、失敗した経験から、
一昨年から会社の業務終了後に
ある合格セミナーの年間コースを受講し、
昨年合格したとのことでした。

 相談内容は、要約すると
「苦労して資格は取れましたが、
いろいろ最近のニュースを見ていると
仕事の幅がどんどん狭くなっていると感じます。
 これから開業するには
どの分野なら当面は安心出来るでしょうか?」

 まさに、前段で紹介した新聞記事などに
影響を受けたと思われる発言でした。

 
 資格取得の動機はどちらかと言えば
とりあえず何か(公的資格が)あれば、安心。
程度の軽めの動機で、背水の陣での取得、
という訳ではありませんでした。

 

 これはある意味ではラッキーですし、
ある意味ではアンラッキーと言えます。

 

 ラッキーなのは、
まだ会社内で現役バリバリの存在であること、
ちょうど、ここ数年の実績で将来の昇進の途が
ほぼ確定される時期らしく、今は目の前の仕事が
最優先と捉えている点でした。

 話を聞くうちに、(資格取得は)
個人的な見解ではありますが、
この競争を勝ち抜けなかった時に、
潔く資格起業で独立するという目論見だった
のではと感じました。

 アンラッキーと言えるのは
何度もこのブログで書いてきた
「資格取得が目的であり、ゴール」
というパターンだったことです。

 
 何度かの対談の結果、
取り扱える業務は1万件以上!
今も人出不足の資格です!?
宣伝さえ間違えなければ千客万来確実!?

など等、件のセミナーで
吹き込まれたことも判明しました。

 
 ご丁寧に、「失敗しない宣伝告知法」なる
別個のセミナー(通信講座?)も
セミナー終了時点に紹介されたとのことでした。

 
 ですが、「どの分野を扱えば成功する」
とは明言していません。

 

 この点にひっかかるものを感じたため
私に相談をしてきたのでした。

 この点だけは、自慢になりますが、
相談者はいい判断をし、ラッキーだったと
感じた次第です。

 

【今から求められるのは?】

 このブログを作成中に、ちょうど書士会の会報が
届きました。

 

冒頭の記事の中で

「お金は自ら働いて稼ぐもの」であり、
その為には
「自分は何をしたいのか?」
「相手は何を望んでいるのか?」
「そのためには自分は何をすべきなのか?」

をしっかりと考えること。

 机上の空論を重ねているだけではなく
自らやるべき(と考えた)ことを汗をかいて
実践する事で結果(成果)に繋がる

とありました。 

 

 今後も電子申請を始め、
手続の簡素化や窓口の一本化等によって
一般市民が直接手続きを遂行できる傾向は
進みこそすれ、後退することはないはずです。 

 

 今なら「稼げる仕事だから」や
「今のトレンドに繋がる業務だから」といった
表面的な理由での起業や主要業務、専門業務を
決めることはやはり早計と言わざるを得ません。

 

 何を、誰に対して、提供するのか?
その為に自分がやること、出来ることは何か?

 この単純ですが、譲れない起業起点の決定には
しっかり時間をかけて向き合って欲しいものですね。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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