【今日のポイント】
 

 在職中の管理職の方、転職間もない方、
起業直前の方、直後の方等など、
私のところには様々な背景の方々が
それぞれが抱える問題の解決に取り組んだものの
思うような結果に結びつかず、悩んだ末に
足を運んで頂いています。

 その中には、
解決に向ける努力は評価できるのですが、
そもそも問題の把握が間違っているケース、
結果的に努力が報われていない事例が
見受けられました。

 

 今日はこのようなケースを
紹介していきたいと思います。

 

【事例紹介】
 

1)資格起業の場合
 

 問題点は、ズバリ、お客が来ない!

  49歳:元会社員、公的資格取得からの事務所開設

 この方は在職中に資格取得を果たし、
意に沿わぬ異動をきっかけに早期退職して開業しています。

 

 せっかくだからと
わざわざ自宅を改装してSOHOにし、
部屋内には立派な書架を揃え、
来客に安心と信頼感を与えるような応接室を設け、
事務機器も全て最新のものを買い揃えていました。

 勧められるままにタウンページに大判の公告を出し、
地域のタウン誌にも宣伝広告を入れた。
ネットでも「ぬかりなく」HPを開設し、宣伝している。
最近は、Facebookやその他のSNSでの告知活動を始める予定。

 これも誰かからの入れ知恵のようでしたが、
なぜか名刺を4パターンも印刷し、それぞれ内容が異なっており、
同時に事務所紹介のリーフレットまで用意してました。

 この方は起業する前は前述したとおり普通の会社員で
起業した分野とは縁も所縁もありませんでした。

 また、なぜか退職後も独立したことを元の同僚や得意先にも
連絡を出さず、当然在職中にも起業する旨の事前告知もしていません。

 HPやその他の事務所の宣伝を閲覧してみれば、
いわゆる「何でもやれます、やります。」
「開業記念で 価格サービス」といった文句が目立っていました。

 ~ここまで用意周到に準備したのに、一件も依頼が来ないんです。
 ~かかってきたのは広告の営業マンからと投資の勧誘だけ。
 ~いきなり事務所にやってきたのは怪しいセミナーの勧誘でした。
 ~来てさえくれれば、連絡さえ来たら自信があるのに・・・

 

 かなりの方は、既に何が間違っているか
お判りのことと思います。

 宣伝は関心のある人にしか見えていない。

 率直な言い方になりますが、
この方が事務所を開設したことを第三者は知らないのです。
知る必要もないですし、あえて知りたくもないのです。

 貴方の人となりも、第三者は知りません。
せめて会社時代の関係者であれば仕事やプライベートを通じて
ある程度の認識は期待出来るのですが、それをなぜか
行動に移してきませんでした。

 後日この点を質したところ、
「ある程度の実績を積んでから知り合いに告知したかった。」

 要は、知り合いに頭を下げるような告知や挨拶に少なからず
抵抗があったようでした。

 

 何でも出来ます、やれますはもろ刃の剣なのです。

 歯科で言えば、
治療全般OKという診察項目だけの歯科と
矯正歯科、歯列矯正、噛み合わせ矯正などと
具体的な項目が明記されている歯科のどちらに
足を運ぶかという事です。

 この方は、あれもこれも全てお任せ!
という大風呂敷を拡げたために却って相談者は
不安と警戒感を持ったのです。

 何でもOKという事は、
すべて中途半端でしかないのでは?

当たり障りのないことしか言わないのでは?

 見事なまでに当方の思惑と先方の受け止め方が
対極になってしまうのです!

 

 この方の問題点だったのは・・・

自信(裏付け)のない言葉は響かない。

 宣伝不足でも、宣伝の仕方でもなく、
自分自身を知らなかったことに尽きます。

 なぜ、この業界ど素人の私にお任せ下さいと
自信をもって宣伝出来るのか?

 その根拠は、何かを具体的に示すべきでした。
会社時代の経験に裏打ちされた専門知識とか、
豊富な人脈からの多彩な情報を駆使してのコンサル等…

 ウリを1本化、せめて2種類に留めて
より深い専門業務のスキルを宣伝告知すべきでした。

 その為には無差別なSNSでの告知もやめて
この分野で相談するような年齢層、職業に属する
ターゲットユーザーは何から情報を得ているのかを
自分でリサーチする必要があったのです。

 

2)営業力強化の場合

 問題は年々売上、シェアがジリ貧に陥っている。

 某商社、営業部長からの相談事例。

 現営業部隊は毎日残業を厭わず得意先を
回って頑張っているが、最近は前年割れが目立つ。

 確かに従来のように我が社の独壇場という市場では
なくなり、競合他社が乱立して競争が激化しているのは
理解しているつもりだ。

 若手のモチベーションが気になり拠点長に尋ねても
現場は十分やっている、苦戦の原因は商品力、企画力の差と
責任放棄、転嫁ともとれる回答しか返ってこない。

 我が社が現場優先主義で「いい意見であれば」
本部としても販売企画の変更もやぶさかではないのだが、
肝心の意見が出てこない。

 我々から見る限り、他社との価格競争力や、商品力に
決定的な差はないと判断している。むしろ私が現役の頃は
劣勢の中で数字を達成してきたものだった。
どうすれば営業に喝を入れられるだろうか?

 

この会社の(部長の)問題点だったのは・・・

 好奇心や注意力は意識しないと減衰する。

 以前絶好調だった、業界最大手だった
といった一時期「我が世の春」を謳歌した組織に
必ずと言っていいほど発生する症状です。

 成功例というものは、
まさに「天地人」の賜物です。

天=タイミングがマッチしていた。
地=自社の製品力、企画力がマッチしていた。
人=時代が求める人員構成になっていた。

 ですが、この3つは常に変転します。

 あの時代のベストセラーは次の時代では
不用品扱いされる。

 あの時代を担った「イケイケ営業マン」は
次に時代には「時代遅れ、時代錯誤」と冷笑される。

 

 特に目覚ましい成功例や起死回生の施策などは
ある意味「不可侵の成功事例」とされ、絶対的なものと
される為に、一歩間違えると「前例踏襲」に陥るのです。

 このケースでは多くの職場で
「これまで歴代の上司から言われて来たやり方を
順守してきたのだから、負けても仕方がない?!」

 上司の方からも
「部下は指示通りに動いてくれた。
だから失敗の責任は現場にはない?!」
 

といった本音が聞こえてくるのでした。

 解決の糸口はたった一つ。

「このやり方で今の市場に、得意先に適応出来ているのだろうか?」

 これで上司の指示も、現場の営業マンの日課にも
変化は生じたはずなのです。

 

 

3)相続トラブルの場合

 なぜ道理が通じない?

 最後に身近な個人的な事例を紹介します。

 あまりに多岐にわたるので簡単に紹介します。

~法定相続に則った相続内容なのに次男が応じない?
⇒同居中の長男への生前贈与疑惑に固執

~公正証書遺言があるのに裁判沙汰に?
⇒老親を騙して作成した疑惑があると無効の訴え

~相続人間では合意が出来ているのに未だに分割協議書が作成出来ない?
⇒相続人ではなく配偶者間にある相互不信

 

 いずれのケースでも、
頭では分かっているつもりでも
心情的には絶対に譲れない!
ことが問題点でした。

 ある意味、問題点は指摘されなくとも
把握出来ているので、後は話し合いや説得で
済むはずなのですが、最も解決に時間がかかる、
又は、未だ解決に至らない典型的な事例と言えるでしょう。

 この事例に関しては、遺憾ながら
私も有効な手立ては未だに持ち合わせていません。

 

【原因と対策は?】

 もうおわかりでしょうが、
これらの事例に共通するものは

直面する問題の核心を正しく把握出来ていない
その結果、的確な指導や修正になっていないのです。

 前述した事例の中の仕事に関する事例では
他人からの指摘を鵜呑みにする、前例に従う。
自分の経験則だけを基準にする。

 ことから脱却出来ないまま同じ行動を
繰り返すことを解決に向けての努力と
意識的か無意識かは別にして、すり替えてしまうのです。

 結局、直面する問題の根幹は何か?
核心部分は全く新しい問題ではないのか?

といった冷静な判断や分析が出来ていない事から
無駄な時間と労力をかけることになっているのです。

 

 問題発生時に急いで問題解決に向けて
行動を起こすことは大切です。

ですが、それ以上に大切なことは
問題の根幹は何か?
解決すべき問題は何か?
を正確に把握し、分析する事です。

 火災発生時に、
眼前の火勢を鎮める努力を重ねても
火災の供給源となるガスや灯油などを
適切に遮断しなくては何時まで経っても
延焼が続きます。

 

 まず火の原因となる
供給源を断つことで今以上の拡大を防ぐ事。

 いろいろな問題解決の場合でも
十分通用する教訓と私は考えています。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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