【今日のポイント】

 学生時代は「よく学び、よく遊べ」と言われ
社会人時代は「よく働き、よく遊べ」と言われてきました。

人は生まれて最初に遊びを覚え、
学校に行くことで学びを覚え、
社会に出て働くことを覚えます。

 遊び、学び、働き

 この3つの要素は
我々シニア世代にとっても
必要不可欠なものということを
今日は紹介したいと思います。

 

【高みを目指すか、裾野を拡げるか?】

 趣味に置き換えてみると分かりやすいですが、
一つの趣味を徹底的に追及、研鑽に励み、
名人、達人の域に達するのも趣味の一つの楽しみ方です。

 一方、関連する分野についても興味を拡げて
多方面、多様な分野に跨るような楽しみ方も、
ひとつの趣味の形です。

 遊びで言えば、
例えば、球技の場合、
己の可能性をとことん追求し、
いずれは最高峰の場で試してみたいケースと
個人として野球を楽しむことに加えて、
その楽しさ、奥深さをを次代に伝えるがために
例えば少年野球の普及・拡大を目指すケースがあります。

 学びでも同様で、
スペシャリストとしてひとつのテーマを追求し、
一つの真理に辿り着くことを目指す選択と、
ゼネラリストとして、多方面の知識に触れることで、
広く浅く、応用性に富むことを目指す選択があります。

 この流れで行けば、
仕事=働く場合でも同様に
「その仕事の高みを目指すのか?」
「その仕事ですそ野を広げることを目指すのか?」

を自分の意思で決めておかなくてはいけないと思うのです。

 特に、50代に入り定年を見据えての
「第2の人生を託す仕事選び」に際して、
この視点から考える方は非常に少ないと感じました。

 仕事という言葉は、自分のこれからの人生
と置き換えることが出来ます。

 

 要は、第二の人生において、

「自分自身のステージアップ、自己実現を目指したいのか?」
「社会貢献、後輩の育成、地域との交流等を目指したいのか?」

 この踏ん切りをつけているかどうかです。

 

【どちらの場合でも不可欠な3要素】

 高みを目指す場合でも、裾野を広げる場合でも
遊び、学び、働くことは必須の要件です。

1)遊ぶこと

 いきなりですが、遊ぶことが最も難しい要素と
私は考えています。

 ひとくちに遊びと言っても、
一人で出来るものから
2人で行うもの、多数で一緒に行うもの、
グループ単位で対抗する形で行うもの等
多種多様な遊びが存在します。

 そして遊びには
遊び毎にルールというものが存在します。

 遊びを通して自然とルールを知り、
共同作業(チームプレー)や
勝敗という競争原理を体得していくことになります。

 チームプレイからは
リーダーシップも発生し、役割分担と
責任の分担という認識も生じます。

 初めはやることが楽しいだけで満足していても
自然と「上手くなりたい」「強くなりたい」
「勝ちたい」「トップになりたい」といった感情が芽生えます。

 単なる娯楽、と割り切れればいいのですが、
結局のところ、遊びも「真剣に」「前向きに」「好奇心を持って」
取り組まないと、上達しないのです。

 ここから「学ぶ」ことの意味を知ることになります。

 ひとりで部屋に籠ってひとり遊びばかりする、
一つの遊びしか知らないまま、体験しないまま
時を過ごすことでは「適切な学び」には繋がらないのです。

 

2)学ぶこと

 学ぶと言われて多くの場合最初に記憶に蘇るのは、
小学校頃からの「詰め込み式学習」ではないでしょうか?

 先のような遊びから学ぶという事は
多くの場合無自覚のうちに行うため、どちらかというと
「不本意ながら」受け入れた学習を「学び」の第一歩と考える事、
少なくとも我々還暦世代にはまず間違いないことと思います。

「大人になった時に勉強しておかないとバチが当たるのよ!」
「今勉強しておけば、後で楽になるよ。」
「いいから、言われた通りに覚えなさい!」
「先生の言う回答が正しいんです。」

 疑いを差し挟む余裕も、
疑うほどの知識もないままに
言われたことを100%暗記すること
これが学び=学習の第一歩ではなかったでしょうか?

 長い学生時代、それぞれのレベルで必要とされる
基礎知識を叩き込まれることは、知識の蓄積にはなりました。

 ですがその知識の使い方は同時には教えてもらえません。

 必要とされ、評価されたのは
与えられた設問に対して最適解を出す事でした。

 言われたことに、期待通りの答えを返す事。

これが満足に出来れば
「頭がいい」「よく学んでいる」証拠とされていました。

 ですが、ひとたび社会に出たら、正解のある問題は存在しません。
正解があるかどうかも分からない問題に日々遭遇することが当たり前になります。

 ~どうしたら他社優位の取引先に自社の取扱高を増やしてもらえるか?
 ~質を落とさず、原価を下げるにはどうすればいいのか?
 ~限られた費用の中で最大効果を発揮する宣伝は何か?

 社会に出てからの学びは、
教室で先輩から教えてもらうものではなく
自分の知識や経験、過去の事実から自己責任で類推判断し
最適な選択を絞り出す為のものなのです。

 自分で問題を見つけて、自分で条件設定をし、
自分で決めた条件下での最適解を見つけること。

 このミッションクリアの為に、
社会人は 日々「学ぶのです」

 学びには終わりがありません。
私が肝に銘じている言葉に以下のようなものがあります。

「知識と経験の蓄積は、時として注意力の散漫に繋がる。」
注意力を好奇心や向上心と置き換えてもいいです。

 
 人間とは傲慢な生き物で、苦労して培った知識や
その分野の第一人者としての経験則は「後生大事」な
鉄板の成功法則としがちです。

 ですが、時代の変遷と共に知識は陳腐化もします。
その時代には必勝だった法則も時代遅れになるのです。

 知識を高め、経験を積むことは無論重要な事ですが、
そこに安住すると、新しい視点、考え方を受け入れる
意欲が減衰するのも事実です。

 非常に難しいことではありますが、
「学び」を「学び直す」こともまた、
学ぶことにとって、不可欠なポイントなのです。

 

3)働くこと

 上記までで、お判りになった方も多いでしょうが、
働くことも全く同じ観点から捉えることが出来ます。

 上からの指示のままに業務を滞りなく遂行する。
悪く言えば(指示待ち労働)も働くことに変わりはありません。

 私は上司の指示に一度たりとも逆らったことはなく、
与えられた指示通りに忠実に職務に励んできました。

 その結果が予算の達成、生産計画の達成であれば
何の問題もないでしょう、表面上は・・・

 これまでの会社勤めの中では表面化しなかった問題は
第二の仕事探しの時に一気に浮上してきます。

 仮に定年後の再就職を目指す、
定年前の転職活動に注力するのであれば、

面談時に問われるのは、
今までどんな仕事に就いてきたかよりも
どういう仕事ぶりだったかです。

 

 さらに、今までの経験をそのままではなく
どう活かして自社の業績に貢献してくれるのかを
審査してきます。

 ~この仕事に関してなら自信があります。
 ~この業務一筋〇〇年、天職と思ってます。

   これに対して、

 ~これまでの経験を活かして
  御社の求める業務にこの様に貢献が出来ると思います。
 ~私のこの様な職務経験は新規開拓にもお役に立てると思います。

 どちらに面接官の関心が向くかは言うまでもないですね。

 

 50過ぎで上からの指示でしか動けない人材を
わざわざ新たに雇うような会社は、皆無とは言いませんが、
遭遇出来る確率は天文学的な確率でしょう。

 

【何のために遊び、学ぶ?】

 いきなり私を含めた身近な事例になりますが、
以前の会社を離れてもうすぐ丸9年になります。

 同時期に、またその前後に会社を離れたメンバーは
軽く100人を超えます。

 その中で今でも変わらずに連絡を取り合い、
定期的に顔を合わせて近況を語り合えるメンバーは
20人もいません。

 退職当時にはこの倍以上のメンバーと
連絡を取り合っていましたが、時の経過とともに
音信不通になっていきました。

 今でも繋がっているメンバーと
消えたメンバーの唯一最大の違いは
再就職を始めとした第二の仕事と
上手く出会えたか、そうでなかったかの違いでした。

 以前と変わらない、いや場合によっては
9年前より活き活きとした表情を見せるメンバーは
確実に今の職、今の生活に満足していました。

 安定とは給与などの収入面だけを指すのではなく
やりがい、生きがいにジャストフィットしていることも
含まれています。 

 そしてその中の少なくない件数で
会社勤め当時からは想像も出来なかった仕事を
第二の仕事として選んでいたのです。

 

 彼らに共通するのは、
前職、前歴に拘らない事と、
何のために働くかについては
拘りを持っていたことです。

 もう一つは、
いろいろな分野に関心を持ち、
それに関連する知識の修得に貪欲で
楽しみながら学ぶとともに、
気分転換にも長けており、遊びに関しても
積極的に取り組んでいるという事です。

 彼らとの会話は非常にバラエティに富み、
また次回も会いたいと思わせる内容が多く、
まさに、よく遊んで、良く学んできたんだな~
と感じさせるものがありました。

 これに対してフェードアウトしたメンバーは
概ね以前の会社や今の職場の(ネガティブな)話題が主で
会話ではなくただの聞き役になることが多かったです。

 以前の会社時代は
取引先との会合なども多く、
社内外に幅広い人脈を有し、
まさにその部署の中核的存在だったのに、何故?
というケースも少なくありませんでした。

  
 あくまでも個人的見解ですが、
ここまでの差に繋がった一つの理由は、
既存の成功体験の「呪縛」から脱することが出来ず、
今の自分の立ち位置を見誤っていたから
だと思います。

 

【良き働きの為に】

 ここまで書いてきて思うことがあります。

 恥ずかしながら、還暦を迎えて初めて、
子供の頃に言われて来たよく遊び、良く学べ 
この言葉の持つ本当の意味が分かった気がします。

 この2つのバランスが欠けていた為の
極端ですが残念な事例を紹介すれば、

 大学入学時は絵にかいたようなガリ勉タイプの
朴念仁?が 悪い仲間と知りあって
麻雀の虜になり、とうとう中途退学し
消息不明になった例。

 勤続20年余、
真面目さが取り柄だった人物が管理職になって、
接待の為に初めて訪れたキャバクラに嵌まり込んで、
再三の公私混同の挙げ句に解雇された例。

 私的には
「予防接種を適当な時期にしなかった報い」
と言っていますが、大きな意味で遊び慣れてない、
遊びとうまく付き合ってこれなかったための
「悲喜劇」と思っています。

 知るにはもっと早い段階で、
知らないままで今に至れば知らないままで

 遊びを「学ぶ」には適切なタイミングが
存在するということなのでしょう。

 

 学ぶことについても、課題があります。

 前述したように勤続20~30年も経てば
それなりの知識と経験から職務の遂行は成り立ちます。

そうなれば、あえて新しいことを学ぶ必要性を
考えなくなるのも自然の流れと言えなくもありません。

 ですが、現状追認、現状肯定が続くことは
新たな事態への対応、又は変化の予兆の感知に
後れを取ることは否定出来ないのです。

 ~今までうまくいってきたから(これからも大丈夫?)
 ~当面はこれまで通りのやり方で(ではその後は?)
 ~何せ前例がない事態だったので・・・

 上記は現状に満足し、硬直化した働き方の結果、
必ず口にする「言い訳」ですね。

 

 社会人、特にシニア世代にとって
最適な学びの場は実社会であり、職場であることは
間違いないでしょう。

 商談が成立すれば、その勝因は何だったのか?
こちらが考えていた勝因(となった提案や条件)は
果たして先方にとっての決め手だったのか?

 商談不成立であれば、敗因は何か?
本当に競合との条件闘争だったのか?
担当セールスの力量の差でがなかったか?
先方の要望に十分合致していたのか?

 次回も成功する為には今回と同じ方法でいいのか?
次回成功する為には、どういう方法を選択すべきか?

 中途採用の面接でも、再就職の面談でも同様です。

同じ自己紹介や志望動機の反復に陥っていないか?
相手の問いかけの真意を正確に把握した応答だったか?
過去ではなく今の自分を正確に表現していたか?
今回の不採用の原因を会社と自分双方の視点で考えたか?

 学ぶべき対象は多く、学ぶ機会は常にあるのです。

 何も終業後のセミナー受講や
資格取得の為の勉強だけが学びの場ではないのです。

 

 前段で触れたフェードアウトしたメンバーは
学ぶ姿勢が欠けた働きの結果、再就職がうまくいかず、
不満を抱えたままの日々を過ごすようになったと思います。

 よく働く、自分勝手な判断ではなく
会社から見てよく働く(=いい働き方)とは
学ぶことと表裏一体です。

 よく学べば、その結果は働きに現れる。

 

 まだ40代の働き盛りであっても、
社会人5年未満の新米であっても、
還暦前後のロートルであっても、

 様々な形で「よく遊び、良く学ぶ」こと
その結果は、「良き働き」となって
確実に何年後かに現れると思います。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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