今回のブログは最近増加傾向にある
非常に気になる兆候に関して個人的な見解を述べたものです。

 

【気になる相談者の増加】

 事務所を開業して約7年ですが、
最近の業務は本業に連動する「終活」に関係するものと
自身の体験に基づいたシニア世代の転職、起業独立といった
「第二の人生・第二の仕事」に関係するものの二本柱となっています。

 前者に関しては、やはり同世代に共通する
高齢化した親に関する問題(遺言、相続、介護等)
や還暦を迎え自身で考えるべき遺言や相続問題、
夫婦双方の実家の空き家問題、熟年離婚騒動等々、
必ずいつかは直面する課題です。

 いわば、「発生して当然の」相談と考えます。

 同じく、第二の人生を託すことになる第二の仕事選びに
真剣に悩み、自分なりの計画を立て、検討し、
なお残る不安や選択肢に関してのアドバイスを欲することや
又は、何時から何をすべきか?なぜしなくてはいけないのか
といった基本的な事柄の認識と理解を求めるといったことも
「前向きな姿勢から出てくる」「発生して当然の」相談です。

 その中で、昨秋から目立ち始めたのが、
相談になっていない/相談とは言えない
内容で訪れる来訪者の増加です。

 共通する傾向としては以下のようなものがありました。

1)面談の予約時に具体的な相談内容を話さない。
2)相談に来たものの、具体的な相談内容が無いままに雑談に終始。

 正直な話、
何のためにわざわざ事務所まで足を運んだのかわからないのです。
意を決してここまで来たものの、最終段階で悩みを打ち明けることが
出来ずに中途半端なやり取りに終始したのでしょうか?

 まさか「私の悩みは、さて何でしょうか?」と
問いかけに来たわけでもないでしょう。

 強いて解釈すれば、
相談したいことが分からないから相談したい?
でしょうか。

 最後は恐縮した態で帰られますが、結局何に悩んでいるかも
分からない(明かさない)ままですからこちらも手の打ちようがありません。
と言いますか、私の尋ね方、話の構成に問題があったのではないかと
こちらも悩み始める始末でした。

3)今更の感がある過去の出来事への執着の吐露。~多くは愚痴、恨み言

  厄介なタイプです。 ほぼ90%は来訪者の独演会です。
先のケースではこちらが口を挟む余地はあったのですが、
このタイプはひたすら話が尽きるのを待つだけの状態になります。

 ~そもそもあの時(早期退職)に辞める必要はなかったんですよ。
 ~私より無能な連中はごまんといたんです!
 ~私は会社の前途を憂慮しての英断だったんです、おカネ(上乗せ退職金)じゃないんです!
 ~今の会社でも派閥がありまして、環境は変わりないんです(だから辞めなければ…)

 私のポリシーはひたすら相談者の話を聞くことをスタートラインとしています、
いつ話の内容が急転して本来の相談業務の範疇になるやもと思えば、
2時間前後の聞き役は想定内ではあります、が、先の見えない話を聞かされるだけの
2時間は全くの時間の浪費でしかありません(これはお互いにという意味です。)

4)他人(主に同期、元の職場の同僚等)の現状に異様に関心を持つ。

 ひとつは過去に私が開催した起業支援セミナー等に参加したメンバー
の例で、他のセミナー参加者のその後の動向を気にしたものでした。

~〇〇さんは今どうしてます?もう開業してますか?
~私が思うに、××さんは会社勤めのままがいいと思いますけど、
 先生はどう思われます?
~ご存知ですか、◇◇さん、もう独立して開店したそうですよ!?
~◎◎さん、計画見直したそうですよ、大丈夫ですかね~??

 あまり付き合いたくないタイプの典型です。
概ね、芳しくない経過について語るときは「顔が晴れやか」で
逆に私から他人の成功事例を聞かされるときは「眉間にしわ」が出ています。

 恐らく、ふがいない現状に甘んじている自分と向き合う勇気もなく、
「不遇なのは自分だけじゃない、もっと不遇な奴はいないか?!」
「上手くいかないのは自分のせいじゃない、他の奴らも失敗している(していて欲しい)」
といった現実逃避の口実を求めてきたのでしょう。

 残念ながら、以前勤めていた会社のOB(先輩、同僚、後輩全て)にも
同じような動機で私のところに交友関係の近況を知りたがる輩がいます。

 そんな時間があれば、自己研鑽にこそかけるべきと、
私は思うのですが・・・

 

)特に仕事上に問題は無いものの、今の仕事、人生の選択に疑問を持ち始める。

 今回採り上げた事例の中で唯一「前向きな相談」の
可能性を見出せるパターンです。

 ~今の仕事で不満は無いし、自分に合っていると思う。
 ~最近になって、あの選択はベストだったのかが気になりだした。
 ~今なら、もう一度チャレンジ(転職・起業?)出来るのでは?

 話を聞いてみても、内面にある不満を取り繕っている訳でもなく
十分安泰な基盤を築きながら、なお見果てぬ夢を持っている?
ような印象でした。

 このタイプも一歩間違えると、先に書いた3)や4)のパターンに
急変するリスクも持ち合わせています。

 せっかく第二の人生を順調に歩み始め、
基盤となる第二の仕事にも就いているのに、
貴重な時間を割いて迄、相談に見えたのでしょう?

 

【相談者に共通したもの】

 前記した1)から5)に該当する相談者の多くには
以下の様な傾向が共通していました。 

・定年退職ではなく、それ以前に早期退職している。
・現在は新たな仕事に就いて最低でも4年以上経過している。
・昨年、又は今年中に還暦を迎える世代である(59~60才前後)

 なんとまあ、私はまさにこのど真ん中を行くタイプです。
52才で早期退職し、事務所を開き実質8年目、
めでたく(?)昨年末に還暦を迎えました。

 我々、いや私世代に何か、問題が生じているのでしょうか?

 

【5年目の浮気?いや弱気?】

 相談に訪れた方の多くは概ね2008~2011年に
いろいろな業種で早期退職をしていました。
若い方で50才、多くは55,6才でした。
私が早期退職したのが2009年、52才ですから
この点でもまさにど真ん中世代です。

 相談者の話を総合してみますと、
どうも新たな人生を歩み始めて4,5年目辺りで
ひとつの壁にぶち当たったようでした。

 7年目の浮気は往年の名画のタイトルですが、
この場合は5年目の浮気、ではなく
迷い、逡巡とでもいう方が適当でしょう。

 転職した場合でも
起業・独立した場合でも
 一心不乱、無我夢中で働いてきて、
気が付いたら5年経過。
やれやれ、ようやく一息という時に、
それも特に上記の4)のように
「うまくいっている」場合に、
ある種の想いが「発症」しているように思えました。

 
 自分には
「もしかしたら、他の途があったのでは」
「果たしてこの選択をこのまま追及して大丈夫か?」
「今ならまだ、軌道修正が出来るのではないか?」

 先にも書きましたが、今の仕事や収入には
特に強い不満を持っている訳でもないのです。

口の悪い旧友は「オトコの更年期障害」
と一刀両断でした。

 私はこのブログでも、セミナーでも
重ねてお話ししたことのひとつに
第二の仕事選びには何を重視するかを
突き詰めておくべきという項目があります。

 即ち、今度やる仕事は

・やりたい仕事
・好きな仕事
・出来る仕事
・得意な仕事 

 この中でどの項目が
第二の仕事選択の上で最も重いものかを
徹底して見定めるというものです。

 無論、異なる選択肢も否定はしません。

・高収入であること
・社会的地位が認められていること
・知名度のある上場企業であること
・通勤に便利なこと

 選択は個人の責任において下すものですから
部外者である私は否定はしませんが、
このジャンルで仕事探しをして念願かなった方に
私の知る範囲では巡り会ったことがありませんが…

 

 私に上記の5)に該当する内容で相談に訪れる方は
概ね前述した「前向きに考える4つの選択」に基づき
自身の判断と決断で、納得した上での仕事選択をしていました。

 

第二の三日三月三年?】

 我々世代は社会人になりたての頃に
先輩や上司から「仕事をするという場合、
3日3月3年という戒めの言葉がある。」
と繰り返し言われてきました。

 ~こんな雑務やる為にこの会社に入ったんじゃない
 ~もう3カ月経つのにまだまだ半人前、この仕事(会社)は自分に向いてないのでは?
 ~3年もやれば仕事は見えてきた、もう感動も無いし、惰性で仕事するのはどうなんだ?

 実は、既に社会人の大ベテランの部類に入る我々であっても
特に意識する事もないままに形を変えて、
この症状に見舞われているのかもしれません。

 

~あの時は得意な分野で仕事が出来ることで納得した。
~だけど本当は、やりたいことが他にあった。
~もしあの時別の決断をしていたら?

 同様に
~好きなことを仕事にする、迷いはなかった。
~好きなことならいずれ得意になると思った。
~まだ満足するレベルに達していない。
~今までの時間は、無駄に終わるのではないか?

 
 第二の3日3月3年 という現象は
新たな人生を歩み始めて概ね5年前後で
発症するのではないでしょうか?

 起業や、転職がうまくいって
仕事も安定期に入った5年目であっても

 思うような結果が出せず、悶々とした
生活で迎えた5年目であっても

 形を変えて「たら・れば」の想いに
憑かれるのではないでしょうか?

 

【懸念されるジャスト定年退職世代】

 50代前半で起業や転職を図り、歳月を重ね、
皆第二の人生を恙なく歩んでいると思っていたところに
この様な出来事に直面したのです。

 こうなるとさらに気になるのは、
まさに今、定年退職を迎えるジャスト定年退職世代です。

 最近では定年延長、再雇用等の制度改革によって
60才で即定年というケースばかりではないものの、
いまなお、還暦は会社人生の中では明確な区切りの年に
変わりはありません。~役員就任等のレアケースを除き

 私の同期世代もめでたく?この3月末を以て
ほんのひと握りを除き、定年退職の区切りを迎えています。

 ですが、知る限りでは世間一般の傾向と変わることなく、
あまり第二の人生や仕事に関しての 備えや
定年後の準備を進めているケースは多くはありませんでした。

 

 より気にかかったのは、
頭でっかちな知識だけで満足しているケース、
考えや計画は用意しているものの
実際の行動には至っていないケースが大半でした。

 こういう備えを今からしなくてはいけない
 ~ことは分かっている

 この仕事の場合、こういうリスクがあることは織り込み済み
 ~だからその仕事は辞めるのか? 
 ~リスクに向かうならその為の対策はあるのか?

 どうも、現状の認識や何が問題なのか?
についての追及は好きなのですが、
そういう姿勢を見せている自分に満足し
最も大切な「具体的な行動」に繋がっていないのです。

 
 哀しい事実ですが、
あまり深く将来を考えないままに
私と同時期に早期退職したメンバーの中には
転職、再就職を繰り返し、
年々会う機会が減り、音信が途切れがちになり、
年賀状も来なくなったケースが多いのです。

 それだけでなく、
第二の仕事に就いた場合でも、
次第に連絡が減り、会う機会を避けるようになり、
同世代の集まりでも近況が不明になってきたという
メンバーも出てきてるのです。

 準備不足のまま早期退職を選択し、
意に沿わぬ仕事に就き、7年後の今でも
憤懣やるかたないというパターン。

 60才を前に将来展望を見出せない
単調な日々を送る毎日に鬱々としている。

 自分より「不幸な選択」をしている
同僚を見出すことで自己否定を避けたがる。

 恐らくは、このジャンルが原因の場合は
周囲と疎遠になるのも、ある意味当然の結果と思えます。

 せめて悩むなら、5)のように唯一前向きに
捉えることも出来る内容で悩んでみたいものですね。

 まだ50代前半で下した決断から
たった7年前後でこういう実態が生じています。
60才での定年退職組にはさらに時間的余裕が限られます。

 こんなはずじゃなかった!
 もっと慎重に検討しておくべきだった!
 もっと他人(友人・専門家等)にアドバイスを受けるべきだった!
 もっと真剣に先輩の助言に耳を傾けておけばよかった!

 50代では5年目辺りに生じてくる悔いや逡巡、悩みでしたが
60才以降になればもっと早まるかもしれません。

60才以降では、
繰り返し転職という事自体、非現実的になります。
起業するにも資格が必要ならば、
取得までの期間を考慮しなくてはいけません。

 

 今年から第二の人生を迎える方々には
ぜひともこの様な轍を踏まないようにして頂きたく
今回のブログを投稿しました。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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