【今日のポイント】

 今日はいつものような相続税、贈与税の節税という話題から離れて
日常で普通に発生する株取引に関係する税金について採り上げてみました。

 

【株で得る利益にかかる税金について】

 株で得られる利益とは、
株の配当金と株の売却益の2つになります。

 株の配当金には所得税と住民税が課税されます。
また課税については3つの選択肢から課税方法を
選ぶことが出来ます。
 
① 源泉徴収されたままの申告不要制度
② 他の所得と分離して申告する申告分離課税制度
③ 他の所得と合算して申告する総合課税制度

 この3つから選ぶことが出来るのです。
これは所得税も住民税も同じ扱いになっています。

 

 次に売却益の場合は
① 源泉徴収されたままの申告不要制度
② 他の所得と分離して申告する申告分離課税制度

 この2択となります。
この場合も所得税、住民税共通の扱いになります。

 

【課税方式は別個に選択可能】

 さて、上記の説明では所得税と住民税、
課税制度は選択出来るものの、
同じ制度を選ばなくてはいけないとは書いていません。

 実はそれぞれで別の課税制度を選択することが出来るのです。

「配当金の場合」

 殆どの場合、口座開設の際に課税方式の選択を
する際に自然に源泉徴収を選択してます。

 すなわち、上記の①にあたる「申告不要制度」
を選択していると思います。
私もこの通りで、深く考えずに①を選択しました。

 ですが、課税所得の額によっては
課税方式を分けた方が節税になるケースがあったのです。

 以下に簡単に制度別の税率をまとめてみました。

1)双方共に申告不要(源泉徴収のまま)の場合

 課税所得が1,800万円以下の場合
 所得税、住民税の合計税率は20%(所得税15%、住民税5%)

2)双方共に総合課税(他の所得と合算)の場合

 330万円以下の場合は 7,2%
 330万円を超えて695万円以下の場合で 17,2%

  現在の平均的な年収(と推測)の基準までなら
 こちらの方式の方が 節税になります。

  但し、695万円を超えて900万円以下の場合となると
 合計税率は20,2%と僅かながら1)を上回ります。
 さらに 1,000万円以下では30,2%、
 1,800万円以下で36,6%と一気に跳ね上がります!

  この状態であれば月50万円前後の収入(課税対象額で)
 の場合は2)の選択が節税効果が認められます。

 

  ところが、
 ここで所得税は総合課税で、住民税は申告不要
 というようにそれぞれ別個の課税制度を選択しますと

 課税所得330万円以下の場合、なんと5%
 同695万円以下の場合では15% 
 同900万円以下の場合では18%

  先に書いた2つの課税方式を上回る節税効果が発揮されます。

  世間的に見れば、課税所得900万円以下というレベルは
 かなり多数派になると思います。

  この様に課税方式を見直すだけで
 合法的に所得税、住民税の節税が叶います。

 
 「売却益の場合」

   まず税率の選択の前に、所有する銘柄の中に
 大きく評価損を計上しているような「不良株」と
 目標の利益を確保できた「優良株」を混在させている場合、
 優良株を換金する際に、窓口の担当者等から「損益通算」
 
を勧められると思います。

  単純に言えば、売却益が出た分と、
 売却損で生じた評価損の金額を相殺して、
 利益に発生する課税対象額を減額することで
 節税を図るというものです。

  仮にある株式を売却して200万円の売却益を得たと同時に
 100万円の売却損が出る株式を手放すことで 損益通算を図り、
 利益額を100万円と計上できるのです。

  ここで前述した源泉徴収方式で算定しますと、
 単純に200万円の売却益のままで課税されるとなると
 20%課税で40万円(所得税30万円、住民税10万円)が課税されます。

  これが損益通算することで、利益が100万円となれば
 20万円の課税に軽減出来るのです。

  無論、この場合売却損200万円分の「不良株式」を処分すれば 
 損益はプラスマイナスゼロですから当然利益もゼロとなります。

 

 さて、先に挙げた事例のように
当初は源泉徴収で40万円を徴収されていた場合、
損益通算で20万円へ修正されれば、
その差額20万円が「還付」されます。

 この場合、住民税だけを申告不要とすると
還付されるのは所得税分の15万円だけになります。

一見すると
なぜわざわざ還付金を減らすような選択を?
と思われるでしょうが、こうすることで場合によっては
国民健康保険や後期高齢者医療保険料増額のリスク
を防ぐことが出来るのです。

 所得税、住民税双方を申告すると結果として
「所得は増える」事になる為、
これに比例する部分である社会保険料の負担は跳ね上がるのです!

 

 このようにいろいろ複雑な仕組みを理解する必要はありますが、
使いようによってはかなりの節税効果が期待出来ます。

 この辺りについては個々の事情で大きく変わります。
実際に自分の場合どの方式が最適かを判断する際には
税務署などの専門窓口へ相談することをお奨めします。

 また、具体的な手続きについては
市区町村等の自治体へ届出る必要があるので
書類作成に関しても直接担当窓口に相談されることを
併せてお奨めします。

 

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投稿者プロフィール

寺田淳
寺田淳(行政書士)
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

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