【今日のポイント】

 今日は数多くある相続手続きの中から
株式や投資信託などに関連する証券会社での
相続手続きについて、実例を交えて紹介していきたいと思います。

 

 

【相続手続きに必要なものは】

 相続の手続きには
・遺言書がある場合
・遺産分割協議書がある場合
・共にない場合

 この3つの分類されます。

 証券各社には名称は異なりますが、
「相続の手続きについて」という内容の
小冊子が用意されています。

 上記のどのパターンに該当するかで
必要書類や手順が変わりますので
詳細については取引先証券会社に確認を
お願いします。

 ここでは私の取引先の証券会社での対応について
次項からそれぞれの場合に分けて紹介したいと思います。

 

【1:遺言書がある場合】

  必須な書類等としては

1)証券会社作成の「相続手続依頼書」 ~後述します
2)遺言書の「写し」(注1)
3)名義人の死亡が確認出来るもの(注2)
4)故人名義の証券類等を相続する人全員の印鑑登録証明書
   (発行6カ月以内のもの)

  または、遺言執行者の印鑑登録証明書
   (発行6カ月以内のもの)の原本(注3)

(注1)公正証書遺言でない場合は
          家裁の検認を受けたもの限ります。
(注2)死亡証明書(コピー可)、
          戸籍謄本又は除籍謄本の原本となります。
(注3)遺言執行者が家裁で選任されている場合は
         「遺言執行者選任審判書」の写し
 
 が、それぞれ必要になるのでご注意下さい。

 以上は故人の取引証券会社に口座を持っている相続人の場合です。

   仮に口座を持っていない場合は、
  口座開設の手続きが事前に必要になります。(後述)

 

【2:遺産分割協議書がある場合】

  必須な書類等は

1)証券会社作成の「相続手続依頼書」 ~後述します
2)遺産分割協議書の「写し
   
相続人全員の署名・実印の捺印があるもの)
3)相続人全員の印鑑登録証明書
    (発行から6カ月以内のもの)の原本
4)戸籍謄本(除籍謄本)(注1) 
      または※法定相続情報一覧図原本

(注1)故人の出生から死亡までの連続したものと
    相続人全員を確認出来るものがそれぞれ必要になります。
    但し、相続人の続柄によって必要な書類が変わるので
    個々の詳細は取引先に確認をお願いします。

 ※法定相続情報一覧図については次回のブログで紹介します。

 以上は故人の取引証券会社に口座を持っている相続人の場合です。

   仮に口座を持っていない場合は、
  口座開設の手続きが事前に必要になります。(後述)

 

【3:共にない場合】

  この場合必須な書類は以下の通りです。

1)証券会社作成の「相続手続依頼書」 ~後述します
2)相続人全員の印鑑登録証明書
    (発行から6カ月以内のもの)の原本
3)戸籍謄本(除籍謄本)(注1) 
     または※法定相続情報一覧図原本

(注1)故人の出生から死亡までの連続したものと
    相続人全員を確認出来るものがそれぞれ必要になります。
    但し、相続人の続柄によって必要な書類が変わるので
    個々の詳細は取引先に確認をお願いします。

 ※法定相続情報一覧図については次回のブログで紹介します。

 ここに挙げた以外にもいろいろなケースがあります。

相続人の中に未成年者がいる場合、
成年後見人が選任されている相続人がいる場合、
海外在住の相続人(帰化を含む)がいる場合、
相続放棄をした相続人がいる場合  など等…

 それぞれ別途提出を求められる書類が追加されますので
この点についても取引先に手続きの詳細を確認して下さい。
 

蛇足になりますが、以前は相続時に必須な書類として
「相続による株券名義書換依頼書」がありました。

 ただ、これにについては既に株券が電子化されていることと、
次項で説明しますが、相続に伴って新規口座開設が必要になる為
すでに依頼書自体に意味が無くなり姿を消しています。

 

 【株式の相続】

 当たり前ですが、故人の名義のまま相続することは出来ません。

相続人名義の口座を開設する(既に講座を設けていればそれを使用)
故人の口座を解約し、株式を相続人名義の口座に移管する。

 

 原則はこれだけですが、補足をしますと

 同一証券会社であれば、故人と相続人の取引支店が異なっていても
手続きは同一支店での手続きの場合と同じです。

 移管に関しては手数料等は発生しません。

 但し、新たに相続人名義の口座を開設する場合は、
開設に伴う必要書類の提出などの手続きが必要になり、
前項で紹介した書類以外に別途必要書類がありますので
詳細は取引先の証券各社にお問い合わせ下さい。
~確実に求められるのは、「マイナンバー」になります。~

 

【相続手続依頼書】

 先に触れた「相続手続依頼書」を紹介します。

正式名称は

相続手続依頼書
兼:特定口座開設者死亡届出書
兼:非課税口座開設者死亡届出書
兼:未成年者口座開設者死亡届出書
兼:相続上場株式等移管依頼書

 となっています。

 

 記載項目としては3つになります。

1)被相続人(故人)の情報
  氏名、届出の住所
  取引支店名
  生年月日と死亡年月日

2)相続人の情報
  自書での署名
  実印の押印
  故人との続柄(配偶者・子・孫・父母など・・・)

  ※私の資料では最大8人分の記載欄がありました。

3)相続財産を受け取る方が一人の場合と複数人の場合の記入欄
  基本的には、氏名、住所、生年月日、取引支店名です。

  相続人が複数の場合は最大4人分の住所、氏名、取引支店の
 記載欄が用意されています。
  
  それに続いて受取人毎の相続財産明細欄がありまして
 受取人毎に 銘柄名、全数量、そのうちの受取数量を
 記載する項目が用意されています。

  ここは11の銘柄まで記載できるようになっていました。
 最大で1枚で4人の相続人の11銘柄までの相続内容が
 記載出来ることになります。

 

 ここで注意することがあります。

 相続人が一人であれば 2)も3)も 一人の記載で済みます。

 ですが、複数の相続人がいる場合、
一枚の依頼書に全員が署名・押印した書類を人数分コピーして
代表一人がまとめて使用することは出来ません。

 あくまでも自署、実印の押印ですからコピーでは
不適当な書類とされてしまいます!

 また、場合によっては同じ証券会社であっても相続人毎に
口座を開設している支店が異なっていれば、同じことになります。

 原則として故人名義の財産を相続する場合は相続する人数分の
書類を用意すると認識しておいて下さい!

 

【補足説明】

 最後に補足説明として2,3紹介したいと思います。

1)相続人の中に「外国籍」を取得した者がいる場合

   まず外国に帰化した場合、
      住民票、戸籍謄本、印鑑証明がないことになります。

   この場合は「サイン証明」を取得することで
  遺産分割協議書を公正証書にすることが可能になり、
  印鑑証明の代わりになります。

   但し、上記外国籍の方は
  国内の証券界会社に口座開設が出来ません。
  開設の条件は「住民登録があること」とされており、
  住民票が無い場合=マイナンバーが無いとなり、
  開設は不可となります。

   なので、相続の際に
  日本国籍の相続人が当該相続人の相当分を
  いったん相続し、その後話し合いによって
  相当額の現金・預貯金等で相殺するパターンが多いようです。

2)株式での相続を望まない場合

  よく尋ねられたのは、
 「故人名義の口座を解約して現金化し、
 相続人の銀行口座に振り込んで欲しい。」
 という声でしたが、
 故人名義の口座解約~現金化は出来ません。

 口座の開設⇒名義の変更⇒新口座に株式の移管⇒移管後に解約・現金化

 これが大原則ですから、
 いくら相続人が株はやらない、だから口座は作らない!
 と希望しても叶わないのです。

 

3)他の証券会社に自分の口座がある場合

  株式の場合は手数料は発生しますが、移管手続きは可能です。
 ですが、投資信託の場合は各社独自の商品であることが多く
 これをそのまま他社の口座に移管という事は事実上無理というのが大半でした。
 

 

4)相続財産としての評価基準日は?

  上場株式の場合、
 相続税の評価は次のような基準で決められます。

  ・相続発生日=死亡日の終値
  ・相続発生月、その前月、前々月の3ヶ月で
   各月毎の終値の平均額の中の最低値

  ここからの選択となります。

  では、死亡日が休日・祝日で終値がない場合は?

  原則は死亡日の前後で最も近い日の終値とされます。
 仮に木曜日の祝日に亡くなった場合には水曜、金曜の
 どちらになるでしょうか?

  一般的には死亡前の水曜の終値を採用するようです。

  ですが、土日のように連休時の場合は土曜であれば金曜の
 日曜であれば、月曜の終値が基準になるという事になります。

  では、3連休、年末年始のように長期連休時の「中日」
 ~3連休の真ん中等~に亡くなった場合は?

  この場合連休直前と直後の終値の平均値を算定し、
 その評価額を基準にするそうです。

  この他にも暴落や急騰等突発的な株価変動の場合は
 その都度考慮するとありました。

  以上のように相続発生時を評価基準とする場合は
 このように状況によって変動幅が大きくなる場合があります。

 

  どの基準での評価額が最安値なのかは取引先に確認出来ますから
 最終的には各自の状況によって選択することをお奨めします。

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