【今日のポイント】

 前回のブログで紹介しました相続財産の評価に続き
相続発生時に申告する各種の書類の中の一つである
「相続税がかかる財産の明細書」について紹介したいと思います。

 

 

【相続財産の区分とは?】
 

 相続税の計算をするには 
そのベースになる相続財産の明細が必要になります。

所定の書類の記載要領には以下のような区分が記載されています。

・土地
・家屋
・事業用財産
・有価証券
・現金預金等
・家庭用財産
・その他の財産(利益)

 これらの区分に該当する財産について、次に紹介していきます。

 

「土地」 ※「土地の上に存する権利」を含むとあります。

 土地の細目と利用区分・銘柄等は以下の通りです(一部省略してます。)
 <細目>    <利用区分・銘柄>
 田・畑   ⇒ 自用地、貸付地、賃借権(耕作権)等が該当。
 宅地    ⇒ 自用地(居住・事業用に区分)、貸付宅、借地権等。
 山林    ⇒ 通常の山林と保安林、山林に地上権等。
        (賃借権があればこれらも該当。)
 その他   ⇒ 原野、牧場、池沼、雑種地等。
        (地上権、賃借権あればこれらも該当)

 

「家屋」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 家屋    ⇒ 区分とは自用家屋か貸家の別。
 構築物   ⇒ 駐車場等

 

「事業用財産」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 減価償却資産   機械、器具、自動車、農機具等
 商品・製品等   商品、製品、原材料、農産物等
 その他      電話加入権や受取手形等

 

「有価証券」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 株式等      銘柄
 公社債      〃
 証券投資信託等  〃

 

「現金預貯金等」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 現金預貯金等   現金、普通預金、定期預金
          当座預金、通常貯金、定額貯金
          定期積立や金銭信託等

 

「家庭用財産」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 個別の名称    その銘柄等

  ※ 具体的には高級家具の様な私用財産です。
   但し「単価で5万円以上」の品は個別に計上し、
   5万円未満の場合は「家具類一式でいくら」
   といった記述で構いません。

 

「その他の財産」  但し「利益」

 <細目>    <利用区分・銘柄>
 生命保険金等
 退職手当金等
 その他      私用の自動車、電話加入権
          特許権、著作権、書画・骨董等

 ※ 利益とありますから「負の相続財産」は
   この明細には含まれないという事です。
          

 

【記載上の注意】

 さて、記載時には上記に続いて詳細な記載事項が用意されています。

実際の書類は以下のリンクから参照して下さい。
「相続税がかかる財産の明細書」

 

 御覧なっていただきますと、
利用区分・銘柄に続き

・所在場所等
・数量(固定資産評価額)
・単価(倍数)
・価額
・分割が確定した財産
 (取得した人の氏名)
 (取得財産の価額)

といった項目が確認出来ます。

これらについて紹介します。

「所在場所等」

土地の場合はその存する場所の住所です。
有価証券類の場合は購入した金融機関名(支店名)。
預貯金の場合は取引先金融機関名と支店名。

 

「数量・固定資産評価額」

土地の場合は坪数、㎡となります。
ここで注意すべきは「評価額」です。
前回紹介した様に、土地の最新の形状によっては
評価額は減額されますから「正しい評価額」を
記載するよう注意が必要です!

 

「単価・倍数」

 単価は単位株価、倍数はその口数です。
(時価500円:株数1万株等)

 ここで注意すべきは有価証券の中の株式の単価です。
これも前回指摘した様に相続発生時の価額が
急騰していた場合は相続発生前3カ月間の月平均から
最安値での計上が認められています。

 

※上記の件については下記のブログを参照して下さい。
 相続財産の評価にご注意を!

 

「価額・取得財産の価額」

 取得財産の価額は取得した人が1名ならばそのまま記載ですが、
仮に兄弟2人で等分割した場合はその旨を記載します。
分割の比率の応じた価額を持ち分比率と共に記載します。
(例:価額 1,000万円 兄 持分1/2 500万円等)

 

「その他の注意事項~現金預貯金等」

 さて、現金預貯金等という細目を紹介しましたが、
利用区分には「現金」という区分が明記されています。

 預貯金以外の現金とは、タンス預金を指します。

記載時には「手許現金」と表記すれば意味は通じます。

 

「その他の注意事項~ゴルフ会員権」

 ゴルフ会員権は購入時の価額をそのまま記載してはいけません。

 細かな計算式は省きますが、
会員権の時価は概ね時価の70%が目安
とされています。

実際はさらに細かい項目が加味されて算出されるのですが
ここでは省きます。

 購入時の価額を安易に書き写さない。
ここではこの事だけ覚えておいて下さい。

 蛇足ですが、ゴルフ会員権は共有財産には出来ません。
相続人一人だけが相続出来る財産です。

 

「その他の注意事項~骨董品類」

 ある意味最も評価額算出に苦労する財産です。
知名度の高い作者による絵画や書画、骨董であれば
その道の専門家の鑑定や世間の評価額から類推出来ますが
難航必至なのが「その世界では高額」といった趣味品です。

 
 保存状態が良好な戦前のブリキ製のおもちゃ
 大人気作家の初版原稿
 人気漫画雑誌の創刊号(美品)

 など等、マニアの市場では信じられない評価額であっても
世間の常識では「ただの古本、廃棄おもちゃ」でしかない・・・

 こればかりは私も容易なことは書けません。
この様な財産をお持ちの方で、気になる方は
最寄りの税務署へ相談されることをお奨めします。

 

【より正確な明細書作成の為には】

 まずは正確な財産の把握に努めることです。
冒頭に紹介した分類で財産の調査を行い、
該当財産全てを網羅したと確信しましたら
正しい評価基準に基づいて記載し、
評価基準が不明なもの、判断に迷うものについては
直接税務署の判断を仰ぐ。

 この進め方が最もミスや漏れを最小減にする早道と
私は思います。

 

 また、ここに紹介した内容は
あくまでも一部の参考事例ですので
その点はご注意下さいますようお願いします。 

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